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ヒロガルセカイ。

ヒロガルセカイ。

19 *18禁 →1/7UP!

19.

「アヤの願は何でも叶える。そう言ってあるだろう」
飲み込まれそうな感覚を覚えながら余裕を見せます。
締まりのいい秘所のせいで、すぐにでも絞り取られそうですが。
「こんなに蕩けた瞳をして、いつまで我慢するんだ?」
「あなたが・・」
アヤが喉に何かつかえたように、むせます。
ぐっとアヤがむせるたびに志信さんの陰茎に痛みが走りました。
折られそうです。
「アヤ、」
志信さんの眉間に皺が寄ります。
「・・待てない」
こんな刺激を食らっては持ちこたえられません。
アヤの乳首をすこし強めに捻ると
「んん!」
アヤがビクンと大きく震えます。
「ち、ちぎれます!やめて、」
腰をひいて大きく息を吐きます。
「アヤ・・ようやく緩めたか」
「!!」
すこし緩んだ秘所に、反動をつけて突上げました。
「や、そんな」
体勢を整えようとあわてるアヤに容赦なく突上げていきます。
その音に応えるように、アヤの声は高くなります。
志信さんの腰はぐいぐいとアヤを攻め立てて、アヤの濡れた陰茎は気力を取り戻します。
何度でも起きろと言われてしまう。
もう原型をとどめないかもしれない、それほどまでに嬲られているのに。

今までよりも、感じてしまうのです。

こんなに溢れて止まない自分を始めて知りました。

ぎゅうっと志信さんのシャツを引張って、ずれた襟元から覗いた皮膚に噛み付きます。
「アヤ」
志信さんの声も甘い。
痛みが志信さんを刺激して、制していたものを一気に解放しました。
ドクン、と流れ出すものを奥で感じて・・アヤは力が抜けました。
「しの、」
歯がカクンと鳴りました。
「なんだ?」
荒い息を吐いて、返事をすると胸の中に顔を埋めてきました。

「幸せって、こういうことですか?」

「正しい答えを知らないな」
「瀧本先生が教えられないものがあるんですか?」
アヤの汗で濡れたうなじをそっと撫でて
「逆らうところが憎たらしいが」
志信さんは悪戯をしている子供のような笑顔で耳たぶを弄りました。

「失いたくないものがあると、強くなれるというのは本当だな。
昔の私ならアヤを大叔父に会わせようと思いもしない。
なじられても、どうであろうとも、
私はアヤから離れる気が無いことを大叔父に言ってきた。
おまえの人生を貰うぞ、新垣アヤ」

「勝手に決めてる」
アヤがため息をつきます。
耳を弄る指をぴっと掃って
「そこまで言うなら、傍から離れないでくださいね」
甘い声が志信さんをくすぐります。

「死がふたりを分かつまで・です」

それは生涯を共にすると誓うものが言う言葉です。
アヤはわかっていて言うのでしょうか。

アヤの言い方に「ちゃんとした指輪をするべきかもな」
志信さんが呟きました。
「ガボールじゃ、アヤの指には派手すぎる」
「いいんです。俺はこれが好きだから。外したら蹴りますよ」
アヤが志信さんの指にキスをしました。
「あなたしか、欲しくないんです」
尖らせた唇が濡れています。
「随分な顔をするようになったな。その顔を誰にも見せるな。
気高いネコは誰にでも尻尾をするものではない。
気まぐれでいい。上等だ」


大叔父が待ちくたびれて、うたた寝しています。
「志信さんはまだか?」
黒いスーツの男たちがひそひそ話をしながら落ち着きません。
「親分は起こすと性質が悪いからな・・」
「志信さんに起こしてもらえばいいじゃないか?」
「いつ来るんだ」

始末を終えた男が報告に来ましたが「後でいい、今から祝宴のようだから」
若頭が制します。
「しかし克己の兄貴は、あれでいいんですかね」
「口が過ぎねえか?」
「しかし、カタギに手を出した私刑がヒトマワリで済んだなんてなあ」
兄貴、と呼ぶだけあって心配な様子の舎弟たちですが。
「ヒトマワリって、追放だろう」

「それでウチの示しがつくのか?指ツメも無いなんておかしくないか」
「止さないか。・・克己の兄貴は指じゃない。片目を献上した」
その一言に部屋の空気が凍りました。
「今頃は眼帯だ。
義眼を入れるまでのことだけれど、この私刑は回状がまわるから周知の事実だ。これで主だった組織には加われまい。末はチンピラだ」

兄貴分の相手でもあるカタギのアヤに手を出したことは、掟に反します。
そんな不届き物を身内から出したことは、この極西会の面目丸つぶれ。
親分が言わなくても、若頭を始めとして組織を構成するものによる片目では済まない報復が始まることでしょう。
克己は追っ手から逃れながらも、行く先は何処にも無いので路頭に迷うしかありません。
これが裏の社会の、絶縁とする儀式です。


そこへようやく志信さんとアヤが現れました。
「志信さん、あの・・!」
一斉に視線が来て何事かと思いきや、乱暴に襖を開けるからその音で親分が目を覚ましたのです。
「・・・志信~!!」
機嫌の悪い声です、唾も飛ばして、かなりのご立腹。
「大叔父、お待たせしました。すみません」
志信さんが頭を下げても表情が変わりません。
まずい。と男たちが顔色を変えたときに、志信さんの3歩後ろでお辞儀をしたものがいました。

「大叔父、遅くなってすみません。で、何を食べさせてくれますか」
アヤの声に、部屋の空気が一変しました。
大叔父、と呼ばれたことに悦びを隠せないようで。
「・・アヤちゃん。そうだそうだ、何を食べさせようかな、おなかすいただろう?」
「はあ、喉も渇きました」
大叔父はわさわさと歩み寄ってアヤを引張ると、
「車をまわしてあるからな!食べたいものを何でもいいなさい」
ご機嫌な声でアヤを引きずりながら歩き出しました。
「大叔父!アヤの食べたいものをすべて叶えようとするとファミレスになりますよ!」
慌てて志信さんが追いかけます。
「俺は嫌ですからね。ワインを飲ませてください!」
「アヤちゃん優先だ。いやなら、志信は留守番だ」
ボケた会話をしている3人に黒いスーツの男たちが深々と頭を下げます。
「いってらっしゃいませ!!」低い声です。陽気ではありません。

「大叔父、アヤちゃん・はキショイです」
「まだ言うか。こんなに可愛い顔をしているのに気が強いな!
たいしたタマだ。末恐ろしい子供だよ」
親分がアヤを抱き締めようとしました。
「・・大叔父。蹴られますよ」
「誰にだ」
極西会の親分に蹴りを食らわせるなんて、末代までの語り草になりますね。

「アヤです」
大叔父はこの世界をまだ知らない子供のアヤに蹴られかけます。
膝を入れようとしたアヤを片手で掃うと、
「本当にたいした子だ。育ったらどうなるのやら」
苦笑しています。
「もう育ちました」
アヤの笑顔に大叔父もやられた様子。
「馴染みのイタリア料理の店があるんだ。貸切にしておいた。志信の子供の頃の話を聞かせてやろう」
「いや、別に聞きたくないです」
「じゃあ何がいいかな」
「とりあえずウーロン茶を飲みたい」

子供のペースに合わせるのは難しい大人2人ですが。
リンカーンに乗り込むと足を組んだアヤに気がつきました。
「やけに艶のある子だな」
「磨いていますから」
志信さんの声に、大叔父もお手上げです。
「さっさと隠居なさって結構ですよ」
「まだまだ頑張るさ。この先が楽しみになってきたからな」

まだこの世界の理を知らないアヤですが、とりあえず可愛がってもらえそうです。
さて、この先の未来は。
「俺も楽しみます」
アヤの笑顔が続きますように。


  ヤクザ編 おわり。
長々とおつきあいくださいまして、ありがとうございました!!
感謝しています!

●番外編はこちらへ。美容師がいます。1話です。



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