7.7.「もっと、奥まで来てください!」 手首を縛られたままのアヤが叫びます。 体を反らせ、腰を波のように震わせながら志信さんを誘います。 その体に志信さんは今更ながら、欲情します。 興奮して立った乳首や、滑らかな腰のラインがたまりません。 恥かしげに見えるヘアーも手入れをしているので、指を這わせるとアヤが喘ぎます。 志信さんは勢いよく突き上げ、抜き差しを始めました。 「くっ、ゥウウウン!」 志信さんに揺さ振られて、アヤはのけぞりながらも一緒に感じようと試みます。 しかし志信さんの力が強すぎて、振り回されるだけです。 「いっ、いや! アッ・アッ」 突上げられるたびにアヤは喘ぐばかりです。 「何処だ、アヤ」 「はあ、な、何がですか」 「何処がアヤの一番奥なんだ」 「貫けばわかりま…いっ、やああ!」 アヤが首を振りながら、この衝撃に耐えます。 「すご…、い、いつもより凄いっ」 「そうしろと言ったのは、アヤだ」 志信さんはアヤの片足を持上げて、更に突上げます。 「や、やああん!」 先にアヤが爆ぜてしまい、シーツが濡れました。 「俺を鉄砲玉にしてください」 山本組長に進言したのは永哉です。 「無様な真似の後始末か」 「…はい」 鉄砲玉とは狙撃隊員のことです。 「おまえの兄貴分の竹中は承知の上か?」 「まだ、話していません」 「おまえはわしを愚弄する気か」 山本組長は木刀を手にしました。 そこへ永哉の兄貴分でもある若頭の竹中が飛び込んできて、永哉の腹を殴りました。 「ぐっ!」 「…おやじさん、永哉の愚行をお許しください!」 畳に額をこすり付けてまで土下座をする若頭を見て、永哉は順番を違えたことさえ、 組にとっては大問題だと知りました。 組は縦社会です。 いわば、新入社員が社長に意見をするような真似で、恥をかかされたのは竹中でした。 「おまえがそこまでするなら、いいさ」 山本組長は木刀を置きました。 「竹中。おまえが面倒を見ているこの永哉、どう思うか」 「まだ、ひよっこもいいところです」 「道具を持たせても構わないと言ったら、どうだ」 「おやじさん、それは…」 道具とは拳銃のことです。 竹中は山本組長が永哉を試そうとしていると気付きました。 鉄砲玉になれば、自分の命をかけるどころか、 生きて帰れば長い懲役を覚悟しなければなりません。 「先日、椿事があってな」 「…極西の姐ですか」 竹中は永哉からアヤのことを聞いていました。 「ああ。あの見てくれに血迷ったこの愚弟を、筋のとおった極道にしようと思わんか?」 「おやじさん。それは早すぎます」 「自分から志願したんだぞ?実に愚かな奴だ」 鼻で笑う山本組長を見て、竹中は再度頭を下げました。 「永哉にはまだ道具を使わせたことがありません」 拳銃に触れたことさえない永哉には鉄砲玉なんて、無謀なことでした。 「切り込み隊長にはなれるだろう?刺し違えても構わんな」 山本組長は冷酷な人でした。 「決まりだ。永哉を鉄砲玉と認めよう」 「おやじさん!」 「永哉。今日より狙撃に専念することだな」 「は、はい!」 永哉はこれで組に認められると思いました。 何としても極西の頭を取る。 それが永哉の役目になりました。 しかし心の中ではアヤのことが気掛かりです。 できる事なら巻き込みたくないのです。 しかし、アヤは極西の姐です。 昔の友人は、いまや敵として永哉と向き合おうとしていました。 押すと8話へ ジャンル別一覧
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