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ヒロガルセカイ。

ヒロガルセカイ。

10.  3/5UP 18禁

10.

「坊!ほんまに起きとったんか!たいした奴や、なあ!」
陽の出とともに帰って来たのはサトルでした。
「梨生さん、よう出来た子やないですか」
暁を自分の子供のように抱き締めて頬ずりしてきます。
サトルの伸びかけた髭が当たるけれど、悪い気がしません。
「梨生さんが見張っていたからやろ?
坊は、最初の仕事から若頭に面倒を見させてあかんなあ。この恩は、働いて返すんやで?」
何処を歩いてきたのか酒臭い息を吐く者や、煙草臭い者。
皆、一面に無精髭を生やして大きな口を開けて笑っています。
むさくるしい連中です、しかしなんて暖かいのでしょう。
暁は失った家族を、ここで再生しようと思いました。
この中で自分は再び生まれ変わろう。
嫌な記憶を振り捨てて、新しい一歩を踏み出そう。
心の中で誓うと、俯いていた顔を上げました。

「どうした?」
梨生が目の前に立っていました。
「おまえ、顔をちっとも上げないから泣いているのかと思ったぞ」
ボタンをかけずに羽織っただけの白いシャツが、朝日に映えています。
「眠いんやろ?なあ!」
サトルが暁のおでこを叩きます。
「眠くないです」
首を振って、必死に否定します。
梨生の視線に、どんどん赤くなる自分の頬をごまかしたくて。
「なんや、こいつ。体が、ぽっかぽかやないか!眠いんやろ~」
「子供やな~」
わいわい騒ぐ舎弟たちに見向きもせずに、梨生の傍に寄るものがいました。
「梨生さん。お話があります」
崇も帰っていました。
「ああ、」
ともに奥の部屋に消える背中を見送りながら、暁は動揺を隠せません。

「暁、朝ごはんを作ってやろうか?」
サトルが冷蔵庫を開けたときに、奥の部屋から物音が聞えてきました。
「おお、また暴れとるなあ。崇さんも懲りん」
やれやれ、と両手を広げます。
「梨生さんも災難や。この坊を寝ずの番のあとに、あないな人に襲われて」
「だ、大丈夫かな」
暁が心配しても「いつものことやゆうたやろ?そのうち、また崇さんが目を吊り上げて出てくる」

しかし、何分過ぎても崇は出てきませんでした。


「あなたは甘い。暁にはこの社会の掟を教え込むべきでしょう」
「暁のことは、俺が責任を持つといったはずだ」
梨生が相手にしたくなくて、目線をそらしていますが
「・・どうしてスーツを着ていないのです?」
「着替えくらいするだろう」
「脱いだスーツはどちらに?」
「捨てた」
崇が梨生をテーブルの上に押し倒しました。
痛みで顔をしかめると
「点検をさせていただきますよ、梨生さん」
ろくにボタンをかけていなかったシャツをひきちぎると、あらわになった肌に舌を這わせます。
「離せ!」
圧し掛かった崇をどかそうと、膝を入れますがびくともしません。
「汗の味がします・・」
乳首を舌で舐って、唾液が糸をひきます。
感じるまで舌で包み込んで起き上がらせると、ちいさなその突起にしゃぶりつきました。
「!!」
ちゅっと音が聞えます、荒々しい呼吸が肌に触れます。
「どけ!」
梨生が叫んでも崇は止めません、それどころか片手が股間に伸びています。
「下着をはいてみえないのですか・・これは、どういうことですか?」
わしづかみにすると、ぐいぐいと指で刺激を与えます。
「・・ヘアーが乱れていますね・・梨生さん、まさか?あの暁を?」
それには答えません。
「許せない・・この快楽を、あんな子供に与えたなんて」
精液で汚れていた股間を揉み解すと、梨生の声も熱くなっていきます。
「梨生さん・・・もっと、もっと乱れてください。俺があなたをもっと熱くさせます」
拒絶する唇を強引に開かせて舌をもぐりこませます。
熱い舌が梨生を追い込んで、とらえて離しません。
「ああ、ここ。ここですね・・もうすぐですよ、もっと濡れてください」
ぐいぐいと股間をしごいて濡らしていきます。
「梨生さん、俺は・・あなたを初めて抱いたときを覚えていますよ。
こんなに感じてはくれなくて、ここも硬くて・・
でも、あなたが若頭になれるように陰の努力をしてきたつもりです。
なのに・・・・褒美もなく、あんな子供に快楽を・・」
思い余ったのか、いきなり自身を押し込みました。
「ぐっ!」
梨生が声を殺します。
「ああ、もっとしめつけてください!」
むりやりねじ込んだそれは、別の生き物のように内でうごめいています。
「・・梨生さん、俺しかいないといってください、」
身をよじらせて抵抗する梨生に、容赦ない突き上げ。
ヘアーがこすれて肌にざらつきます。
「あんな子供に・・あんな・・」
崇は暁に嫉妬してしまうほど、欲望をためこんでいました。
一晩起きていた梨生の体力の無いところを狙って一気に放出した欲望は、一度果てたくらいでは治まらず、挿入したままさらに突上げる強引なセックスになりました。
精液が溢れて潤滑剤のようになった奥から離れようとしません。
梨生がむせても、ぐいぐいとさらに押し込みます。

やまないセックスが一段落したのは3度目の放出のあとでした。
汗を流している崇を蹴り飛ばして、体を起すと。
「降格だ。二度と顔を見せるな」

11話へ。

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