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ヒロガルセカイ。

ヒロガルセカイ。

11.

11.

「僕、夏都兄が気になるんだ」
「うん」
「だけど、どうしてこんな気持になるのかも、わからない」

「それで十分。独り占めさせて貰う」

 僕の首筋に、もぞもぞと顔を埋めた。
「千里。いい匂い」
「そんな、汗くさいの間違いだろう?」
 夏都兄の髪が頬にかかって、くすぐったい。
「この減らず口」
 外されたベルトが音を立てて床に落ちた。
ずるりとボトムを脱がされて下着姿にされてしまった。

「強がりを言っちゃって」
 下着の上から僕の茎を掴んだ。力を感じて萎縮しそう、腰がひけてしまう。

「そっ、そんな乱暴にするな」
「でも早くしないと零れちゃうでしょう。もう濡れているし」
 どきっとした。自分でもわかってはいたんだ、下着が湿っているって。
でも、そんな事を言うな! 恥かしすぎる。

「感じてくれているのが嬉しい」
 下着の上から僕の茎を撫でられて、腰が震える。焦れてしまって膝を立てた。
「な、夏都兄。体が何か、変。熱いよ」
「お尻を少し上げてごらん。良くしてあげるから」
 そうか、と素直にお尻を上げてみた。
すると下着をぺろりと下ろされた。

「な!」
 湿っていた場所に空気が触れる。僕の茎は、まるで懐くように夏都兄の手の中に。

「あ、あの?」
「声を出すなよ。母さんに何事かと思われて覗かれちゃう」
 唇に指を当てて微笑まれても、困る!
「じゃあっ、ドアを閉めて」
搾り出した声は、またもかすれた。
「その困った顔が見たいんだ。やんちゃな千里のそんな顔は滅多に見られないから」
 夏都兄の指が僕の湿った茂みを弄って、筋を擦っている。

「くうっ。そんな所、触らないで……」
(熱い、喉がカラカラだ)

「声、でそう?」
 慌てて頷いた。触られるだけで声が漏れるのに、これ以上何かされたら叫んでしまう。

「我慢できる?」
「無理!」
 何度も首を振ると、抱き起こされた。

「じゃあ、こうしようか」
 夏都兄は僕をベッドに座らせると両足を開かせて、膝をついた自分の体を割り込ませた。
そして僕を見上げた。
「声が出そうなら俺の肩を噛んでもいいよ」
 そう言うと僕の目を見ながら、片手で僕の茎を扱き始めた。
「んんっ!」
 夏都兄の肩に腕を回して、しがみつきながら刺激に耐える。で、でも息が……。
僕の荒い息で夏都兄の髪が湿っていく。
「あ、どうし……」
 誰かに奉仕されるなんて初めてで戸惑ってしまう。
しかも、それが夏都兄。あの瞳が僕を急きたてていると思うだけで……。

「やっ、ううん!」
 堪えきれない、出してしまいそう。

「我慢しないで?」
 そんな甘い声を聞かせながら、髪を触らないで。耳朶をいじらないで!

「千里、こんなに硬いのに」
 その茎に息をかけないで。

「うっ、ん! 乱暴にするな!」
「千里、好きだよ。出してごらん」
 夏都兄の手を僕の液で汚したくない!
「千里。出して」
 先端をいじられて、はじけてしまった。
 夏都兄は手首まで僕の液で濡れて、指先が滴っている。


「ごめん! テイッシュ、使って!」
「平気だよ? それより腰を浮かせて」
 夏都兄が僕のお尻の奥に、濡れた指を入れた。異物感に、きゅっと締めてしまう。
「力を抜いて」
 ぐいぐいと指をねじ込んでくる。
「ん……」
 夏都兄に体を預けて吐息を漏らした。痛みは無いがむず痒いし、恥かしい。
「あ、はあ……」
 指が動く度に熱さが増すみたい。
「ん、もう……」
 のぼせるような、この感覚は何だろう?

「千里。おとなしいね?」
 その甘い声にどきんとした。
「だって、動けないじゃないか」
「そう? ここを自分で動かしてごらん」
 こ、腰をなぞるな!

「恥かしい? でも気持ち良くなるよ」
「え。ど、どうやってすればいいの?」

「俺に擦りつけるように前後に振ってみて」
「あ、辛い……。もう、どうにかなりそう」
「いい声だね、千里。もっと揺れてみて」
「無理―」
 大きく首を振ったら、その動きで指を深く受け入れてしまった。
「あ、ん!」
「よがる姿も可愛い。……ねえ、千里。欲しいって言える?」
「……何、何が」
 呼吸が苦しい、大きな声が出ないよ。

「俺が欲しいって言って」
 夏都兄が僕の胸元を撫でて唇を近づける。
「早く言ってごらん、千里。んっ」
 突起を吸われて胸が反る!
「あ! 夏都兄、アッ」
 体が……僕が、はじけちゃう!
「ん、ん……、千里。言ってよ……」
「舐らないで。いや、いや……アアン!」
追い込まれているのに体が焦れる。

「あ、もう……夏都兄、出ちゃう!」

12話に続きます。

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