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ヒロガルセカイ。

ヒロガルセカイ。

3

「朝田さんが新しい子を連れてきたって!」
「機械らしいじゃん。面倒くさそうーー。電池交換とか誰がやるの。」
ホストたちの声をよそに、直生は回転準備を急がせていました。
あとはドアを開けるだけ・のところで。
「んー。じゃあ、一度抜けます。」
「え?直生さんどこに行くの?」
「お迎えですよ。朝田さんの。」

「大丈夫よ直生。連れてきたから。」
朝田がドアを開けて入ってきました。
後ろに直生と同じ背丈の男子がつまらなそうーな顔をしてついてきています。
「おはようございます朝田さん。・・その子が?」
「届いた荷物よ。今日からここで働かせるから。名は・さくら。」
「さくら?」
直生が顔をじっと見ながら聞きます。さくら・・なら女の子の名でしょう?と言いたげに。
「咲くのが・楽しい と書いて。さくら。」
つまらなそうに答える男子ですが、むっとする表情でも顔立ちの見栄えのよさに。
直生は驚きました。

他のホストは聞きにくそうでしたが。直生はさっと近くに寄って。
「直生です。よろしくお願いします。」
と笑顔で挨拶をしました。
そして、
「機械と聞きましたが。よく出来ています。ひとにしか見えませんね。」
朝田は満足そうにうなずきます。
「見かけはいいのだけど。生意気な話し方なのよ。直生が教育係をやってくれるかしら。」
「かまいませんよ。」

「この子の電源はあとで教えるわ。」

「朝田さんが俺のリモコンを持っているの?」
咲楽が聞きました。
「そうよー。当たり前じゃない。あなたの飼い主よ。」
「直生さんが持っていて欲しいんですけど。」
「は?」
朝田も直生も顔を見合わせます。
「だって。俺の教育係でしょ?」
「ああ・・だけどね。すべてを管理するわけにもいかないの。直生も仕事をするから。」

「俺はかまいませんよ朝田さん・。」
直生はにこりと微笑んで言いました。
「咲楽さんの管理もできますよ。」


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