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テーマ:あるゲイの日常。(399)
カテゴリ:【ライフ・ヒストリー・スナップ】
■定時制に通い始め
どんどんとレズビアンとしての自分が 消えて行くような気がしていた。 保健の教師に「カミングアウト」を半ば強いられたりしても、 私はどんどん自分がレズビアンではなくなっていく気がした。 そして、英語を学びたい理由が より一層その状態に拍車をかけた。 私が同性愛者だと気づき始めたとき、 ニューヨークにあるLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・ トランスジェンダー)のための「高校」があることを知った。 学校に行く意味を見出せなかった私が ただ唯一心底「行きたい。通いたい」 と思った高校だった。 ■その高校への憧れは、 英語を学びたい意欲に拍車をかけた。 その高校に自分が 本当に通えるなんて考えていなかったけれども、 少しでもその高校に近づくためには 「言葉の壁」をまず取っ払わなくてはならなかった。 だから英語を勉強したいと思った。 でも私が通うことができたのは、 異性愛者の(と言われないところがまたムカツク)定時制高校。 それが現実。 ■午後5時からの授業、 6時からの給食、 7時から10時までの授業。 その繰り返し。ただ繰り返し。 そこでの話題は? 「やった・やらない」、「出来た・出来ない」 何が? セックスが、恋人が。 生々しい異性愛者の会話を避ける場所はない。 そしてその会話・行動のネタは 誰でもよく、私も例外じゃない。 ■「学校は勉強しに来るところじゃないのか?」 その当時繰り返し思っていた自分の問いに、 答えられたのは定時制を辞めた後だった。 「そうだ。学校は勉強するところだ。異性愛を勉強するところ。」 その自分で答えた答えに、 私はとても納得した。 そして、ただ唯一体験した学校生活は 私の「異性愛者としての生活」を 初めて徹底的に体験する機会にもなった。 それがいままで「学校へは行かない」選択をしてきた 自分にレズビアンとしてプライドを持たせる機会にもなった。 「私は学校に行っていなかったから、 今レズビアンとして生きていけているんだ。 学校に行かなくて本当に良かった!」と。 ▼みかこ~小学校時代~(その1)学びたいことが学べない ▼みかこ~フリースクール時代~(その2)疑問符の迷路 ▼みかこ~定時制高校~(その3)へ学校と集団 ▽しんご~小学校時代~」(その1)明確な理由はないが、漠然と… ~小学生~」へ ▽しんご~中学生時代~」(その2)居場所は作るもの? 探すモノだ ▽しんご~学校編~(その3)へ学校の魅力は ▽しんご~大学編~(その4)へスタートライン ~「学校」編/みかこ(その3)~ |