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テーマ:あるゲイの日常。(399)
カテゴリ:【ウィンストンの日記帳】(社会人ゲイ)
■しかし、当然のことながら、 このパラダイスは、長くは続きませんでした。 そう、やがて退院の日がやって来たのです。 悲しいかな、優しい看護師さんや美人の先生ともお別れ・・・。 それからの私は、正面から、 「レズビアンとしての私」と向き合い、 格闘することになりました。 本当の自分の居場所を求めて。 それは精神的にも、かなり厳しく、 辛い経験でもありましたが、 その甲斐あって、 やっとのことでアカーに辿り着くことができました。 そこで待っていたのは、 素敵なレズビアンの仲間。 それ以来、アカーは、 私の本当のパラダイスになりました。 それにここ(アカー)は、 時間が経っても退院(?)させられることもなさそうです! 今思うと、私のアテネオリンピック入院は、 自分らしい人生、レズビアンとしての人生を歩み始める第一歩を踏み出すきっかけになったと思うのです。 ■そして、このたびのトリノオリンピック療養生活。 日帰りの足の手術でしたので、入院はせず、 自宅で療養しておりました。 ですので、今回は優しい看護師さんもいなければ、 美人の先生もいません。 しかも、休みに入る直前には、 出来の悪い部下の指導方法のことで、 上司と大喧嘩。 最悪の精神状態で、 療養生活に突入したのでした。 手術直後は、もちろん、痛みに耐え、 歩くことも、ままならず、という状態でしたが、 そんな手術後の辛さが、和らいでいくにつれ、 私は再び、自分自身と向き合うことになりました。 私は、足を引きずりながら、 一歩一歩、ゆっくりと歩く練習を始めました。 前回のアテネオリンピック入院以来、 習慣となった散歩の再開です。 散歩をしながら、私は自分自身が、 前回のアテネオリンピックの時とは 明らかに変わっていることに気が付きました。 あの時は、退院直後で思うように歩けない自分に焦り、 また一方では、回復したところで、 待っているのは、入院前と同じ生活だと考えると、 行き先の見えない、底無しの孤独感に苛まれていました。 でも、今回は明らかにあの時とは違いました。 焦らず、ゆっくりと、でも確実に、 前に進もうとしている自分に気が付いたのです。 いつも散歩コースにしている桜並木をカメのように歩きながら、 桜の蕾の膨らみ具合や空の青さを楽しむ余裕もありました。 カメですから、周囲を歩くお年寄り達に、 どんどん追い越されました。 でも、そんなの、気にしない、気にしない! なぜかって? それは、今の私には、 回復を待ってくれている仲間がいるから。 早く仲間に会いたい一心で、 私はゆっくりだけれども、 確実に前に進もうとしたのですね。 私には居場所がある、仲間がいる、 このことを改めて感じたトリノオリンピック療養生活でした。(続く) ▼神様からの贈り物?~病欠日記~(その1) ~「神保亜希子」さんからの投稿~ |