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テーマ:あるゲイの日常。(399)
カテゴリ:【Go!!中野ウォーカー】(ライフ)
■取りとめもない、バカげた空想話。
少し残酷で、ありえないようで ホントは現実にあったかもしれない作り話の数々。 酒もタバコも嗜まない、 一般的な趣味や道楽を一切知らない、 そんなヒシムの唯一の楽しみは、 俺の中指のレアチーズケーキのクリームを舐め取りながら、 俺の作り話を聞くことでした。 決して俺たちの情事は、 二人ともシャツや靴下を脱ぐことはありません。 ただこんな風に、服を着たまま背中あわせに座りこみ、 部屋に居ながらにして、密やかな旅を続けるだけ。 決してなり代わることのない、 数々の想像上の他人の人生を模倣し、 なぞり続ける事が俺たちの情事の全てでした。 ■チーズケーキがやがてヒシムの舌の奥に全て消え去ると、 薄い銀色の円形のアルミだけがテーブルに残ります。 そして私の指先には、 舐め残されたクリームとヒシム自身の匂いがかすかに残されます。 これまでそんな風にして、 数々の淡くも淫らな時間を二人で過ごしてきたのでした。 (つづく) ▼レアチーズの指先1へ ▼レアリーズの指先2へ ▼レアチーズの指先3へ ▼レアチーズの指先5へ ~チーズケーキ専門店「シュン」@新中野(その4)~ |