ポジティブ・ゲイ・スタイル~福祉制度について~
■医療費のかかる抗HIV療法をうける必要のある人にとっては、必要性の高い福 祉制度。障害者認定も可能になり、かなり色々な制度を使えるようにはなった けれども、それを運用する人達は、まだまだ至らないようで …。今回はそん な経験のお話です。厚生医療? 聞いてないよ~。■3年前に、HIVとは関係のないバゼドウ氏病の検査入院をしたときに、医療相 談員から「厚生医療は申請してないの?」といわれた。障害者の認定はうけて いたものの、知らなかったその制度について説明を受けて、早速パートナーに 頼んで、必要な課税証明書などの書類を役場へもらいに行ってもらいました。■厚生医療を受ける前は、役場の医療費控除の用紙に必要事項を記入し、病院 の領収書を貼り付けて提出するのを、毎月繰り返していましたが、その行程が なくなり、何度も役場に足を運ぶ必要もなくなりました。毎月、毎月、ほんと にタイヘンだったんだから~。障害年金にチャレンジ■それから一年後、別の用件で役場に出向いたときに、「障害年金を受けられ ると思いますから、申請してみては?」の言葉に、「自分が?」と思いつつ、 医療相談員に相談して、年金申請の準備をはじめました。■まず、申請用紙をもらうために、管轄の(と言っても徒歩と電車で1時間近くかかるところ)社会保険事務所に出向いたら……。 ■午後1時過ぎなのに「本日は既にたくさんの人が待っているので、受付は締 め切りました。」の文字が!!! ちなみに受付は4時まで。 それでも、「時間とお金をかけて、ワザワザきたんだから」と思って、ダメもとで、「障害年金の申請用紙をください」の言葉にも、「窓口でお話を聞かなければいけませんから、差し上げることはできません。これ以上の人数を受け付けると、時間内に終わらないし、時間をすぎると、電源が落ちてコンピュータが使えなくなるんです」だそうで……。次の日の朝一で出直しました。■次の日は次の日で、用紙をもらうだけなのに、「この病院にはいつ通っていたのか」「次の病院に通っていた期間は?」など細かいことまで聞かれ、閉 口。ここでもめげずに、大雑把なことだけ話して、用紙をゲット。 それからも、病院で医師に申請書を書いてもらい(医師が記入する書類なんです)、通った病院の期間や、そのときの状態を記入する用紙を、医療相談員と一緒に記入して、さらにHIV感染が判明した病院に診断書をもらいに行き、 と案外大仕事をこなさなくてはならないのでした。一難去って、また一難■そんなこんなで、申請書も揃って、いざ社会保険事務所へ! でも、医師が記入した申請書に不備が発覚!!! 一箇所だけ、字数にして2,3文字が、エンピツの下書きのままで、ボールペ ンで書き直されていなかったのでアウト。食い下がってはみたものの、「ボールペンで医師に書き直してもらってください。」と、けんもほろろ。一応、病院に電話して、看護婦さんと相談して、自分で書き直してまたまた翌日に出直し。 ■次の日も運が悪いことに同じ相談人……。で、やっぱりケチ付けられまし た。今度ケチが付いたのは、HIVが発覚した病院の名前。「アナタが書いた用 紙と、この診断書の病院の名前が違うじゃないですか。書き直してくださ い。」と突っ込まれるも、自分が入院していたときの領収書を出し、「私が入院していた当時の名前なんですけど、今の名前を書かなくちゃダメなんです か?」とプチ・リベンジ!苦労の成果は???■そんなこんなで、なんとか申請受理。あとは結果を待つのみ。が、待てど暮 らせど結果は届かない。結局4ヶ月以上かかったと思いますが、結局「却下」でした。予想はしてましたが、残念……。プチ・リベンジが効きすぎちゃったのかしら? 1年半の期間をあければ、再申請できるようですが、今は良好な状態なので 当分申請はしません。今より更に具合が悪くならないと貰えそうにないし、あの手間と時間の無駄を考えるとねぇ。具合が悪くなってから貰っても、ありがたみはないし、パートナーには年金を残してあげられそうにもないし。年金払ってる意味なんてあるのかしら?と思い悩む今日この頃です。(佐々木)