朝方、５時に起きだして、瑠璃と一緒に気になっていた山畠の２群を見に行った。早朝にもかかわらず湿度の高い雨を予見させる気温に蜂たちの出入りも既に活発になっていた。数日前、運んだ１群にも花粉団子をつけた蜂が数匹出入りしているので、この後、雨になるから逃避はないものと考えてハチマイッターを外した。６時前に帰宅して、昨日の分蜂群19号を見てみると、これまた花粉団子をつけた蜂が一生懸命ハチマイッターの針金の隙間を通ろうとしているので、これもハチマイッターを外すことにした。
　朝食までまだ１時間あるので、休み前に会社に置き忘れた書類を取りに出社し、書類を１通つくって帰宅する頃には、雨がポツポツ落ちてきた。
　昨夜、家内が「明日は畑の草取りをする」と言っていたが、案の定、朝食後には雨降りになった。せめて午前中だけでも天気がもてばやりたいことは一杯あったのに・・・。しょうがないので、朝食後は昼過ぎまで、小屋で、今年大活躍したトラップを修繕する。周囲の田んぼには水が張られ、蛙の声が賑やかだ。雨の中を、トラクターで代掻きをしている田んぼがある。昨日分蜂した19号の近くなので、その音と振動が気がかりだが、これは「やめてくれ！」というわけにも行かない。
　一昨日亡くなった忌野清志郎の古井戸時代の曲「早苗ちゃん」追悼の気持ちで口ずさみながら小屋で半日を過ごした。ＮＨラジオの、なぎら健一の「あの頃のフォークが聴きたい」には取り上げられそうもないが、あの時代、古井戸はフォークロックの走りだったような気もする。遠い昔、大学ノートの裏表紙に早苗ちゃんを描いた自分自身もいたような気がする。青春時代のトップランナーだった人がもう還暦を迎え、中には早々にこの世からオサラバする人がいるんだから、人生後半に入ったんだとつくづく思わざるを得ない。憂鬱な雨は終日降り続く。
　毎日毎日分蜂騒ぎで疲れたろうから今日はちょうど骨休めになるだろうと、家内にからかわれたが、確かに今シーズンは本当に気疲れした。4月11日に第１号の分蜂に始まって今日まで19号、その間には逃亡騒ぎも何度かあったから、ほぼ毎日のように蜂が庭先を舞っていたことになる。一度もお隣りへは乱入していないが、それでも気兼ねがあるし、取り込めば取り込んだで逃げられないか、娘女王蜂の群も多かったので、交尾飛行のタイミングも見てやらねばならず、気疲れが途中から体力疲れも伴い出す。雨で１日骨休めが出来ても、翌日の晴天時には２つ、３つの分蜂の心配をしなければならない時期が続いた。アマチュア養蜂家の一番楽しいシーズンでもあるが、一番気疲れするシーズンでもある。さすがに、もうそろそろ出尽くした観があるので、確かに今日の雨は慰労の雨になった。ハチマイッターもとれたし、後は嫁入り先の心配をしながら、のんびり暮らしたいものだ。明日は久しぶりに取りためてあった映画でも見よう！