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契約農家から送ってくる、 10キロの玄米は、 いつも僕の相好を崩した、 ごわっとした2重袋に、 健康が詰まっている、 そんな思いがあったのだろう。
1合炊きの黒い土鍋に、 掌を滑り台にして、 さらさらと玄米を入れる、 その感触は健康の疼き、 滑り落ちる微かな音は、 医薬いらずの健康の囁き。
じっくりとじっくりと研ぐ、 研ぎこぼし研ぎこぼしして、 体の老廃物も研ぎこぼす、 愛撫するように浸水させる、 僕の胸は小さな幸せに浸される。
初めチョロ火でなかパッパ、 蒸気孔が盛大に蒸気を吹き、 中蓋が感極まって鼓動する、 やがて静かな息づきに変わり、 香しい匂いが漂いはじめる、 炊き上がったばかりのご飯は、 ゆっくりと余韻を味わっている。
昨秋収穫の新玄米から、 掌を滑り落ちる感触に、 おぞましい氣配が生まれた、 基準値以下なのは解っていても、 汚染された事実は拭えない、 殻は放射能の宿主のよう、 やむなく白米に変えたが、 あの充実感健康感は戻らない、 それで日替わりで玄米白米を炊く、 でも玄米を口に含むとき、 一瞬命を削られる心地になる、 3・11以前と以降の、 この落差は何だろう、 僕らが負うべき自業自得の、 贖罪の崖なのだろうか。
劇場はこちら◆志茂田景樹のホームページ・
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