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お で ん 家  へ よ う こ そ !!

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現代のいじめ ~今、大人にできること~3




いつからいじめがクラス全員vs生徒という構図になってしまったのか、
山脇先生ご自身もはっきりと断言はできないとおっしゃいました。
80年代から、じわじわと変わってきたことだけ、と・・・。


『教室の悪魔』を読んだ30代~40代の感想は、
いじめ内容の悪質さに驚いたというのが大半だそうです。
(私も、この年代に入ります)

同じく、20代は、
「こんな当たり前のことを書いて、なんで売れるんですか」という反応が多いとのこと…。

10代に至っては、
「どこでもフツーに起こってるよ~」という感想なのだそう…。



いじめがここまで犯罪性が高まった大きな理由として、山脇先生は、
「子どもたちが携帯メールやインターネットを通じて、
匿名性を手に入れたことが大きい」とおっしゃいました。


人を陥れることも、匿名で何でもできるようになった。

メールやHP、プロフ、掲示板などを通して、無差別に悪意あるうわさを流し、あたかもそのうわさが事実であるかのように工作し、演出することも、
すべて匿名でできるようになってしまった。

匿名性の恐ろしことは、警察に相談に行かない以上、誰がやっているのかわからないことにあると思います。


加害者は被害者に与えたダメージを確認しないではいられないので、
わざわざ自分が書き込んだアドレスなどを、機会をとらえて被害者に通知します。
被害者は傷つくことは十分、わかっているのだけれど、
何が書かれているのかわからない恐怖から、それを確認せずにはいられない。



たとえ噂であることが分かっていても、
学校側は噂を流された生徒に確認せざるを得なくなるし、
確認された生徒は、学校のその対応により、さらに大人を信頼できなくなってしまう。
噂は、事実を証明することが難しいことばかりなので、
「命をかけて」証明しようと自殺に追い込まれた子どもがいることも事実です。



ところで、私たちが子どもであった時代と違い、
現代の普通学級の適応幅はIQ90~110なのだそうです。
けれど、実際に社会人として自立できるIQ幅は、80~140なのだそう。

私が子どもだったころ、やはりいろいろな子がいましたし、
私自身も変わった子だったのかもしれませんが、
普通に成長して社会人になり、現在に至ります。
社会人として自立できるIQ幅が80~140と聞いて、
そうだろうな。。。とかつての様々なクラスメイトを思い浮かべました。
皆、立派に社会で頑張っているからです。



話はずれますが、社会人として十分にやっていける能力はあるのに、
いわゆる『普通(IQ90~110)』幅が狭まっているがために、普通からはみ出した扱いを受けているのが、
昨今の軽度発達障害児者が増えた所以かな、と思いました。
(以前から感じていたことが、山脇先生の講演によって証明され、腑に落ちました。)




いじめが匿名性により、大きく変わってしまった話へ戻しましょう。


メールやネットという新しいいじめツールを手に入れた子どもたちは、
大人にバレないようないじめ環境を手に入れました。


学校裏サイトもまた、いじめの温床になり、今や社会問題となっています。


匿名性はまた、違う一面ももつようになりました。


誰が何を書いているかわからない恐怖から、子どもたちは、
「親友だからこそ、本音が言えない」のだそうです。

何かを伝え、それがいつの間にか広がってしまったら…という恐怖のなか、
そうした本音はネット社会で得た「友人」にのみ発信されます。


現実の人間関係に常に緊張性を強いられている子どもたちは、
続く関係には本音を言えません。
続かない(であろう、またはいつでも断ち切れる)関係にのみ本音を語り、
下心があるからこその、相手の無責任な優しい言葉を信用し、犯罪に巻き込まれていく。
現実と非現実のリアリティが逆転し、心と心のつながりが信じられない。



私たち大人も、同じような世界観の中にいます。
大人社会にもいじめはあり、パワハラもあり、セクハラもある。


相変わらず、TVでは残酷な事件や虐待のニュースが飛び交い、
頭の柔らかい子どもたちに新たないじめツールを提供し続けている。


いじめはPTSDにもなりやすく、なおかつ自分からいじめを受けていることを告白してSOSを発信する子どもはほとんどいないそうです。
山脇先生が東京都児童相談センターに於いて勤務された13年間、
子どもからのSOSがあった件数は、たった1回。

それ以外のほとんどが、いじめを原因とした2次的症状(不登校など)が出ていて、
世間話的に子どもから学校の話を聞くなどして、いじめの事実が浮き彫りになるそうです。



私たち大人が考えているいじめと、
子どもたちが現実に行っているいじめとの間には、果てしなく大きな隔たりがあります。

背筋が寒くなるほどです。
例として挙げられた方法だけでも、記事が一本書けてしまうでしょう。
ここでは多くを出せませんが、もし関心を持っていただけるようでしたら、『教室の悪魔』をぜひお読みください。
私と同年代の方であれば、おそらく驚かれることと思います。



次回はいじめを受けた時の解決方法についてです。







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