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のんきにお茶でも飲みながら

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2010年08月29日
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本日2つ目の日記も観劇記録。

これは、本当に「せっかく都内に出るのだから観劇ダブルヘッダーするか」くらいの気持ちで取ったチケットだった。この日のメインは帝国劇場「エリザベート」だった。(ブログ記入済)

しかし・・・「宝塚BOYS」、こんなに素晴らしい作品だったとは。
心を込めて感想を書かずにはいられない。
宝塚boys 小さい(汗) 写真取り忘れたので。。。

終戦直後、宝塚歌劇団に男子部が存在した、この実話を元に作られた話である。
だから・・・
普通、若者が主役の話は夢や希望にあふれ、最後は何か実を結ぶものが多い。
しかし・・・
どんなに努力しても、夢を見ても、希望を持っても、彼らの願いは叶わなかった、それが最初から分かってしまっている話なのである。
だって現在宝塚歌劇団に男子部は存在しないし、そもそも男子部があったことさえ知らない人の方が圧倒的に多いのだ。

でも本当にあった話。若者のパワーとコミカルな芝居の中に、戦争体験、そしてなかなか叶わない夢への焦燥感、そんなものが入り交じり、なんとも言えず心につきささる話だった。

オープニング、戦闘機の音、そして玉音放送。ここから物語は始まる。
宝塚の舞台を夢見て、宝塚歌劇団創設者小林一三に手紙を書いた若者。
彼を始め、最終的には7人の宝塚BOYS達が稽古場に集まり、いつか宝塚大劇場の舞台に立つことを夢見てレッスンに励む。

終戦直後のことだった。彼らは戦争で生き残った若者たち。
あと1日終戦が遅かったら特攻隊として生きて帰らなかったであろう者長崎の原爆を目の当たりにした者体が弱く戦争に行けず自分は役に立たない人間だと心の中で苦しむ者戦争に行ったまま帰らない父を待つ者空襲で焼かれ家族がみんな死んだ者・・・

華やかな宝塚となんてかけ離れていることか!!

それ故、どれだけ彼らは憧れただろう、キラキラ輝く夢の宝塚に。

明るく、コミカルに進む芝居、でも所々に戦争が彼らの心に残した物が頭をもたげる。
「死んでいった仲間のために自分たちは頑張らなくちゃいけない」
最初はばらばらだったBOYSの心は、次第に固い絆を生むようになる。

キャストはBOYSに浦井健治さん、杉浦太陽さん、黄川田将也さん、東山善久さん、藤岡昌明さん、瀧川英次さん、石井一彰さん。

藤岡さん石井さんはレミゼで観ていたと思う。
東山さんは4月に「戯伝 写楽」で観劇した。東山さん、本当にものすごいダンサーさんだびっくり
主役の浦井さん、すっごく役に合っていた。なんとなく情けないような感じだけどくしゃっとした笑顔が素敵で、好感が持てる青年上原、というのをよく演じていたと思う。

そしてBOYSの下宿のお世話をする紅一点、元宝ジェンヌ、初代マリーアントワネットの初風諄さん。以前「エリザ」のゾフィーで観劇。

そしてそして今回ひつじがもっとも惚れた人・・・(←やっぱりオッサン。)
BOYSの世話をする劇団経理担当の池田さんに山路和弘さん。
4月に「戯伝 写楽」を観たときは時代劇だったのでさすがのベテラン、演技の上手さに惹きつけられたものだが・・・
今回はかっこよさに惚れた(T_T)
なんなんだこのオッサン、なんでこんなにかっこいいんだ(T_T)
(←ここまで来ると病気。)

さて、最初にも書いたが、努力しても頑張っても、待っても待っても結局彼らの大劇場に立つ夢は叶わなかった。最初から分かってはいたが、それが確定した時の胸の痛み
すっかり彼らと気持ちが同化していた。

しかしそこはミュージカル!!最後に宝塚大階段が現れ、彼らのレビューが始まる!!
黒燕尾はやはり本物のジェンヌさんのかっこよさにはかなわないけど(笑)なかなかの着こなし、ダンス、歌。東山さんのキレのいいダンスが素晴らしい。
シャンシャンを持って大階段を降りる・・・
そして・・・彼らのレビューは終わった・・・

最後みんなそれぞれの道を歩んで行く。
切なく、悲しいが、ここから始まる何かがきっとある、そう信じる若者の姿だった。

今回の公演は再再演だそうだ。初演の稽古の時、本読みの通しが終わった時に初風さんが立ち上がり、涙をためて「みなさんにこんな思いをさせてしまって・・・」と謝ったそうだ。
宝塚の代表のような気持ちで、いたたまれなくなってしまったそうだ。

初風さんの演技はやさしくて、お年を召していらっしゃるのにかわいくて、若者達を包み込むような包容力があって、舞台に出てくるだけでほっとする。
初風さんの役もジェンヌを諦めた設定で、最後のレビューの時にドレスを着て歌を歌うのだが、他のキャストのコメントにもあったが、私も「ああ、かなったね・・・」なんて思ってしまった。
BOYSを支える池田役の山路さん。時に厳しく、時にコミカルで、池田もまた演出家への夢を諦めたという設定であり、だからこそ彼らを舞台に立たせたいと奮闘する。すごいなぁ。山路さんの声は素敵だなぁ。途中からすっかりこの人に心奪われてしまい、目がハート目がハートになってしまった・・・Orz

ご存命の本物の宝塚BOYSの方々が観劇したそうだ。
もう80歳に近いか、越している方々・・・
宝塚歌劇団男子部は、実際は9年間存在していたそうだ。
いつか宝塚大劇場の舞台に立つことを夢見て、一途にそして真摯に過ごされた青春だったのだろうなぁ。

「宝塚BOYS」の公式HPもご覧いただきたい。
スタッフのブログを読むと、結構面白い。本物のBOYSの方が観劇なさった時の動画があり、そちらにも感動させていただいた。
宝塚BOYS公式HP

シアタークリエでの公演は9月1日まで。
その後は兵庫の県立文化芸術センターで9月4日(土)5日(日)公演。これが千秋楽。
素晴らしい作品だった。もっと早く知っていれば良かった号泣






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最終更新日  2010年08月29日 14時03分26秒
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