カテゴリ:カテゴリ未分類
平田オリザさんの本「わかりあえないことから
コミュニケーション能力とは何か」を読みました。 コンテクストのずれの話などは興味深い話です。 ホスピスで患者の奥さんが看護師さんに 「この薬、効かないようなんですが・・」と 質問をし、優秀な看護師さんは薬の説明と 励ましの言葉を述べる。奥さんはその場では 納得するがまた同じ質問を繰り返す。 現場の看護師の間ではこの奥さんクレーマーなんじゃ ないかという話まででてくる。 そんなある日にベテランの医師が回診し、その医師に に対しても奥さんは同じ質問を繰り返す。 しかし、そのお医者さんは薬の説明などせずに 「奥さん、辛いねえ」と一言。 奥さんは泣き崩れ、翌日からはその質問もしなく なったという話です。 薬の効用を聞きたかったのではなく、なぜ自分の夫だけが 病に冒され死んでいかなければならないのかという 訴えだったのです。 コンテクストとは一般的に「文脈」という言葉で 言われていますが、平田さんはコンテクストを 「その人がどんなつもりでその言葉を使っているか」 と説明しています。 今、このコンテクストのずれに対する無自覚が身近な所 だけでなく国際関係などにも影響を与えているような 気がします。 まあ、そこまで大きく考えなくても例えばお客様と 我々サービス提供側でも生じうる話です。 このコンテクストのずれを理解し擦り合わせをしていく 努力が重要になっていると感じます。 本の中にも書かれていましたが、「シンパシからエンパシ」 へ、つまり同情から共感へと深めていく必要性を感じます。 お客様がどんな思いで経営に向き合っているのかを共感力 をもって理解することが大事なんだと。 私たちの仕事は単にデータ処理をしたり書類を作るだけの 仕事ではないと感じています。お客様の思いを理解し 共感して、そこに何か新たなお役立ちができないかを 考えることが仕事の本質だと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012.11.23 09:35:43
コメント(0) | コメントを書く |
|