南アジアの気候




1.インドの主な気候

インドには3つの主な季節、冬、夏、モンスーン(雨季)があります。
冬(11月から3月)はインド各地とも毎日快晴が続き快適な季節ですが、北部の平地ではしばしば非常に冷え込み、山岳地方では雪が降ります。
インドの東部や南部では12月や1月も過ごしやすく、寒いということはありません。
夏(4月から6月)は大変暑い季節です。
この期間は、涼しい高原避暑地をおすすめします。
インドにはシムラ、ムスーリー、ナイニタール、クルとカシミール渓谷、ダージリン、シロング、ウータカマンド、コダイカナル、パッチマルヒ、アーブー山など、たくさんの有名な避暑地があります。
6月には西海岸で南西モンスーンが始まり、次第にインド全域に広がっていきます。
南東地方を除くインドでは、雨は6月から9月のあいだに集中して降り、南東地方では北東モンスーンの影響で10月半ばから12月の終りまで雨が降ります。
食中毒などの下痢症の流行時期は、国によって違いますが6~9月のモンスーン(雨季)から雨季明けに多く発生し、10~3月の比較的過ごしやすい時期の発生は、少なくなっています。南部では4月から5月に猛暑となり、この時期の日本との気温差で体調を崩すことがあります。暑さや日差しに対する対策、水分を十分にとることなどは重要です。
国によってシーズンが異なりますが、雨季・雨季明けには蚊が発生しやすく、地方ではマラリアに感染する危険があります。また、一部の都市部でもマラリアは発生します。虫よけ剤の使用や、長袖・長ズボンの着用など、虫に刺されないようにすることが大切です。

2.パキスタンの主な気候

南北に1500kmの長さのあるパキスタンは、各地域によって気候の差が大きい。まず、気温の高い地域として、インダス河に沿って河口からラーホール付近までと、バローチスターンの西部。ここがパキスタンで最も暑くなる。中間地域としてガンダーラを中心とするラーワルピンディーからペシャワール。次いで北部の山岳地帯、そしてバローチスターンの高原の4つの地域である。


3.ブータンの主な気候

観光滞在地は標高2000~3000メートルの間にあり、熱帯とはいえ気候は日本に近い。通常の観光ルートであっても、標高1000m以下の低地から3500メートルの峠を短時間で移動するため、1日の間で体感気温が想像以上に変わるので注意。

4.ネパールの主な気候

地域によって差はあるが、一般的には日本とほぼ同じ。カトマンドゥは標高1400mだが、日本でいえば奄美大島とほぼ同緯度に位置するので、冬でもそれほど寒くはならない。またネパール南部のタライ平原は、4~5月ごろには40度を越えることもある。ネパールの気候の大きな特徴は、雨期と乾期があること。都市によって多少の差はあるが、通常は6~8月の3カ月間が雨期で、残りの9~5月が乾期となる。



5.スリランカの主な気候

熱帯性にしては割と過ごしやすく、気温は年間を通して2から3度の差であまり変化はない。しかし、地形による気候の差は顕著で、海岸部や低地は暑いが、たとえば中央高地のヌワラ・エリヤ(海抜1890メートル)では年平均気温16度と、一年中春のような気候だ。スリランカ全土は熱帯性モンスーン気候に属し、赤道付近から吹き付ける南西モンスーンとベンガル湾から吹き付ける北西モンスーンの影響で、雨季と乾季が訪れる。モンスーンは、スリランカの気候を4期に区別する。5月~9月の南西モンスーン期には赤道付近から湿り気を含んだモンスーンが南西部の海岸地区から高地に雨を降らせる。島の北東部にはほとんど雨をもたらさず、この地域は乾燥した日々が続く。10月のインターモンスーン期は無風期間で、低気圧による雨や雷雨がときどき起こる。11月から3月の北東モンスーン期は、ベンガル湾からのモンスーンが、島の北東部を中心に全島に雨を降らせる。4月のインターモンスーン期は年間を通じてもっとも暑い時期。ときどき、低気圧による雨や海洋風による雷雨がある。

6.モルディブの主な気候

サンゴ礁に守られたモルディブは、年間を通して平均気温26から33度という高温多湿の熱帯性。気候は乾期、雨期に大きく分かれているが、乾期にはまったく雨が降らず、雨期は毎日雨が降りつづくというわけではない。時には乾期でも雨が降ったり、強風が吹いて波が荒れることもある。また、雨期は1日1から2回スコールに見舞われる程度で、それ以外は晴れていることが多いが、まれにしとしと何日も雨が降り続く場合もある。


7.バングラデシュの主な気候

典型的な、亜熱帯性モンスーン型で、多雨多湿です。11月から2月までは温暖な乾季でめったに雨が降ることはありません。この時期には大量の蚊が発生します。3月ごろから暑さが日に日に増し蚊でさえも暑さでくたばりはじめます。この乾季の間は晴天が続くので青果野菜が豊富に出回ります。3月から5月にかけては厚い雲がたれこみ、北西の風が吹きます。この雲が割れると、大嵐そして、気温が一気に上昇します。連日40度を超えます。6月から10月は、モンスーン期で気温はやや下がりますが、雨量は多く、もっとも多湿な時期を迎えます。湿度100%になる日が続きます。ベンガル湾からの大量の湿気を含んだ暴風がこの時期の大きな特徴です。この暴風雨がサイクロンへ変化します。ナトールはだいぶ内陸になりますので、国内でもっとも暑くなり、冬になると温度がかなり下がります。



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