《これでいいのだッ》
昨日、赤塚不二夫さんのお葬儀が行われたそうだ。やはり人生において一番幸せな事は若い日の師匠との出会いではないかと思った。勿論、親の恩や愛しい人との出会い、我が身に代えても構わない子供との時間も大切なのだが、実はそのこれらを大切にする人間性の根幹を作るのが、どういう師をもつかに掛かってくる。赤塚不二夫さんの作品は、私の世代にとってはど真ん中で、「おそ松くん」「ひみつのアッコちゃん」「天才バカボン」は幼いながら別世界だった。多分もう少し後だと思うが、個人的には「もーレツ、あ太郎」がお気に入りで、ハチャメチャキャラのニャロメとケムンパスにはハマっていて「ケっムーン、パスパスパスパスっ」と一日中唱えていたり、「こらえてい~きるぅもぉ、男なーらー♪」と渋めに歌っていた。タモリさんは「私もあなたの作品の一つです」と弔辞で言われていたが、これは赤塚不二夫さんに対する最大の謝辞と賛辞であると同時に、タモリさんの誇りを掲げた言葉、弟子としての名乗りだったのだと感じた。《これでいいのだッ》色々、種々併せて飲み込んだ、なんて大らかで深く強い言葉だろう。その意味をやっと知る事ができた。赤塚不二夫さん、お疲れ様でした。