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おいしい　千葉　～ponの食べある記～

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ビッグパフェ　にんにく屋　～格闘という小悲惨～

単品系をたらふく食べたあと、ビッグパフェを注文した。テーブルにはわりあい大食系の３人が控えていたので、どうにかなるだろうと軽く見ていた。しかし、実物の大柄さとインパクトは、なかなかのものだった。通路を運ばれてくるとき、それを見たよそのテーブルの人たちが、一様に歓声をあげている。中には、失笑も混ざっていた。頭頂部には花火が飾られ、パチパチ威勢よく光を明滅させている。とりあえずそれは、すぐに収まった。全高約５６センチ。コーンカップの尖塔がそびえ立っていた。それが頭のはるかに上。さすがに大きい。それからは３者３様、それぞれ格闘状態に陥った。最下層から、メロンゼリー、生クリーム、オレオ、コーンフレーク、いちご、ピーチとみっちり積み上げてある。生クリームをふんだんに駆使してあるので、かなり正統派のパフェと言ってよい。６人から１０人くらいで分けあうのが「適量」かと思う。軽率に、ノリだけで頼んではいけない。「にんにく屋」住　　所：千葉市中央区本千葉町２－１３アクセス：千葉中央駅　向かい側　　Ｐ（無）電話番号：０４３－２２１－４５００営業時間：１１：３０－１５：００/１５：００－３：００/（金以外の平日/日）　　　　　１１：３０－５：００/（金土祝前日）　　　　　１７：００－２２：３０（ＬＯ２１：３０）定　　休：無休/客　　席：テーブル２０卓以上/個室あり/カラオケルームあり/利用種別：個人向き/少人数向き/ファミリー向き/グループ向き/女性向き/メニュー：【サラダ】　　　　　　豆腐サラダ７８０/大根と水菜のサラダ６８０/コブサラダ６８０/　　　　　　にんにくとほうれん草のサラダ５８０/　　　　　【パスタ】　　　　　　にんにくスパ７３０/たらこクリーム８３０/トマトとにんにく７８０/　　　　　【ピザ】　　　　　　ガーリックピザ８５０/ピリ辛スパイシーピザ８５０/　　　　　【一品】　　　　　　生春巻２８０/にんにく唐揚４８０/納豆とキムチのちぢみ４８０/　　　　　【デザート】　　　　　　杏仁豆腐３００/レアチーズケーキ３００/ガトーショコラ３５０/　　　　　　自家製手焼プリン３００/チョコパフェ５８０/　　　　　　白玉ココナッツミルク４００/クリームブリュレ５８０/　　　　　　はちみつトースト６８０/ビッグパフェ３０００/　　　　　【飲物】　　　　　　コーラ３５０/オレンジ３５０/ジンジャエール３５０/珈琲３５０/　　　　　　クリームソーダ４５０/コーラフロート４５０/モルツ生６００/　　　　　※夜はお通しあり。評　　価：☆☆☆☆　　　　 (味４/量５/サービス３．５/雰囲気４/ＣＰ３/駐車場１）

2008.04.14

閲覧総数 1517
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天丼ほか　福のじ　【閉店】

袖ヶ浦のド真ん中で個性的な輝きを放っていた「福のじ」が、市原に完全移転してきたというので、興味津々に寄らせてもらう。以前、「虎林」や「食いものや遊」などがあったその場所に、もう十年選手のように何くわぬ顔をして普通に営業していた。あまりに普段着っぽいオープン模様なので、よほど強力に意識してないとあっさり通りすぎてしまう。中は、二つの店を無理に一緒にしたようで、妙な構造になっていた。エリアが完全に真っ二つに分かれている。なぜか、いちばん似合いそうもないグランドオーケストラ系のＢＧＭが堂々＆流麗にながれていた。肝心のメニューは、かなり絞りこんだ印象。旧来のサービスランチもないし、定食類もない。ガウディの聖ファミリア教会よろしく、海老天が尖塔状に立ちならぶ「デカ盛り海老天丼」も見当たらないし、アニバーサリーパフェもやってない。それだけ、現在の自信作をならべたとも言えそうだ。とりあえず「どでか丼」シリーズは健在だったので、その中からごく無難に「天丼」を注文する。品物の登場を目の前にして、私はすぐに観念した。とにかくとりあえず途轍もなく突拍子もなく、予想をはるかに超えてボリュームたっぷり。イヤ、たっぷりしすぎていた。ここの直径３０センチの丼はすっかり見慣れているので、別にサプライズする義理も人情もないのだが。肝心の中身のほうが、それこそ小池さんの頭的冠状にあふれんばかりに盛られている。これには、最初から白旗を掲げるしかなかった。いわし、あじ、海老、穴子、春菊、ナスという常連が、大きな空間をいかにも狭そうに占有しながら、各々の身体を自由奔放に張り広げていた。それぞれが桁はずれにでかい。中身の小規模さをコロモでごまかすためにわざわざ大柄にしたというような、貧相なこころざしの品物ではない。ＸＬの子が４Ｌの服を着た（それもカジュアルのダボダボ系）のではなく、４Ｌの子がやや余裕の５Ｌのツメ襟学生服を着たような、そんな風体をした天ぷら軍団だった。具の肉づきにおいても、かなりの充実度を誇っている。穴子などは、相撲部か柔道部の諸氏・先輩からぜったい誘いがかかろうかという代物。ほかの魚の身にしても半端なく大柄。ひと口ほおばると、口中はみごとなまで（盛んに）（なかなか）サカナサカナしてしまって、いつもはそれほど欲しない野菜系の天ぷらが、このときばかりは恋しくてたまらなくなる。基本的に、味は房総流の濃い目。ご飯との相性が抜群によい。たまらない人は間違いなくたまらない。もちろんすべてが大盛仕様かというと、そうでもない。「ラーメン」や「チャーシュー丼」は、通常プラスαくらいで、並の女性でも平らげることができる１１号的「普通サイズ」に落ち着いている。一つの品だけでシェアせず、一人一点ずつ注文してくれるよう注意書きがしてあった。また余りを持ち帰る際、生ものは遠慮して欲しいと記してあった。これらのことわりは、袖ヶ浦店では見たことがない。店内は盛況をきわめていた。そして、注文品の届いたテーブルから、驚嘆の混ざった歓声があがっている。すべり出しはとても順調にみえる。こういう個性派の進出は無条件に歓迎したい。願わくは、あらゆる面で袖ヶ浦店のあの威風堂々＆キッチュの正凛とした姿に少しでも近づいてもらえたらと思う。いつの日かこの店の屋根上に本物のセスナが飾られることを、私はひそかに夢見ている。「天丼」「世界一のおやじ丼」ここまで来ると、これを単なる（どんぶり）呼ばわりするのは何か違うような気がする。これは豪放的な丼風器に盛られた、どんぶりとは名ばかりの、下部にご飯を敷いた超ド級のウルトラ海鮮盛である。「ラーメン」丼の直径は約２１センチ。ここの他のメニューに比べて特に大きなものではない。それでも標準のものよりボリュームはあるだろう。刻み玉ねぎは浮いてないにしても、竹岡系的な醤油濃いスープが特徴といえる。厚切りのチャーシューが２枚おごられている。何気にＣＰの良い一品。「チャーシュー丼」ここのメニューは、まず器の大きさから提示しなければならないような気がしてきた。これは楕円形で、長径方向は３１センチにならんとする。特濃の醤油だれでコーティングされたチャーシューは、形状は不揃いながら、どれも厚みには自信満々の面持ちでどっかり座っていた。肉のホロホロのくずれるさまを楽しむというより、噛んだ筋方向に素直に割れていくその納まり具合と、その際の独特の食感を楽しむ、噛む感触を楽しむためにあるような丼だった。サイドのサラダには、レタスと色鮮やかなパプリカが配される。シーザードレッシングがかかっていた。「福のじ」（２００９年４月１８日ＯＰＥＮ）住　　所：市原市西五所３４－３４アクセス：平成通り　千葉トヨタのとなり　地図参照　Ｐ（８台）電話番号：０４３６ー６３ー３１２１営業時間：１１：００－１５：００/１７：００－２２：００頃/定　　休：月曜日客　　席：カウンター２席/小上がり１０卓（可変）/　　　　　１１：００ー１７：００まで禁煙利用種別：個人向き/少人数向き/家族向き/グループ向き/メニュー：【どでか丼】　　　　　　天丼１０００/穴子丼１０００/ロースカツ丼１０００/チキンカツ丼１０００/　　　　　　チキチキ丼１０００/煮うなぎ丼１０００/チャーシュー丼８００/　　　　　　世界一のおやじ丼３１５０（限定５食）/ごちゃまぜ丼１３００/　　　　　　うに丼１８００/市原うまか丼１５００/　　　　　【麺類】　　　　　　ラーメン５００/チャーシュー麺７５０/ソース焼きそば６８０/　　　　　【単品】　　　　　　グリーンサラダ３８０/シーザーサラダ６８０/枝豆２００/冷奴１５０/　　　　　　メンマ２７０/鶏の唐揚５８０/おつまみチャーシュー６００/　　　　　　手作りアイス３５０/こだわりプリン３５０/　　　　　【セット】　　　　　　福ちゃんセット１０００（限定５０セット）　　　　　【飲物】　　　　　　キリン生ビール５５０/キリン瓶ビール５５０/アサヒ瓶５５０/　　　　　　ノンアルコールビール４８０/ウーロンハイ４８０/梅ハイ４８０/　　　　　　峯の精３００/冷酒８５０/コーラ３００/オレンジ３００/カルピス３００/　　　　　　ウーロン茶４００/評　　価：☆☆☆☆　　　　（味３．５/量４．５/サービス３．５/雰囲気３．５/ＣＰ４/駐車３．５）前掲の「福のじ」～ガッツリ系の風雲牙城～（２００６年１２月１６日）前掲の「福のじ」【再訪】（２００８年９月６日）

2009.06.14

閲覧総数 2682
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ランチ膳　ほし邸　～個邸での私的で潤なる贅沢～

今回たずねたのは、純然たる住宅街の中に隠れている超プライベートな一軒家レストラン。ふつうのお宅を訪ねるように玄関口をあけ、靴を脱いであがる。このロケーションに入りこむだけでも、じゅうぶんワクワクさせるものがある。入ってすぐのリビングが客用スペースに充てられていた。室内は、どこかの住宅メーカーのモデルハウスのように整然としており、清潔感に満ちていた。昼に用意してあるのは「薬膳粥ランチ」１種のみ。待つことしばし。盆にのったひと揃いが、一気に静々とやってくる。前菜３種盛り、小鉢、中華粥、杏仁豆腐というセット。「薬膳」と聞いて普通に人が引くような、それらしき味の面影はまったく見ることができない。薬膳的なクセや漢方臭さなど、ほとんど感じ取れない。ごく自然に、するする粛々と食べすすめてしまう。どれを食しても、口当たりと味わいがじつにまろやか。こっくりと口に含み、その芯の芯をさぐるように優しく味わっていくと、洗練を重ねた末のマイルドな妙味（素材の内懐に隠棲していた本来の旨味）が、やっと顔を出してくれる。鼻の奥のほうまで、それがやんわり抜けていく。頃あいを見計らって中国茶が供された。それで喉を適度にうるおす。少しアンニュイなジャズボーカル系のＢＧＭを聴きながら締めの杏仁をいただいていると、一瞬自分がどこにいるのか忘れそうになってしまう。限定数で切ってあるのは、用意するのにそれだけ手間と時間がかかるためだという。人の購買欲をあおるためだけの見せかけの「限定」ではない。その豊潤の粋を、最高にプライベートな居空間でゆっくりといただく。これ以上の食贅沢には、なかなかお目にかかれないに違いない。薬膳厨房「ほし邸」（ほしてい）住　　所：市原市ちはら台東４－８－１０アクセス：地図参照　Ｐ（約４台）　　　　　電話番号：０４３６－２６－７８２３営業時間：１１：３０－１４：３０（平日）/　　　　　１１：３０－１４：３０/１８：３０－２１：３０（土日祝）/　　　　　ディナーは２日前より要予約/定　　休：月曜日/第２、４土曜日客　　席：テーブル４卓（可変）/利用種別：個人向き/少人数向き/女性向き/グループ向き/メニュー：【ランチ】　　　　　　薬膳粥ランチ１０５０（限定１４食）/　　　　　【ディナー】　　　　　　洋風薬膳コース３５００/（土日祝のみ完全予約制）　　　　　【飲物】　　　　　　一番搾り５００/冷酒梅一輪６００/グラスワイン４００/　　　　　　フルボトルワイン２５００/梅酒「不動」７００/柚子酒７００/　　　　　　ノンアルコールビール３８０/ノンアルコールカクテル５００/　　　　　　周公百歳酒７００/楊貴美酒７００/　　　　　【ソフトドリンク】　　　　　　オレンジジュース３５０/アップルジュース３５０/ウーロン３５０/　　　　　　コーラ３５０/中国茶４００/紅茶４００/珈琲４００/評　　価：☆☆☆☆☆　　　　（味４．５/量３．５/サービス４/雰囲気４．５/ＣＰ４/駐車場３．５）

2009.02.21

閲覧総数 2403
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ランチコース　クオーコ　～緑の森よ～

（森のレストラン）というサブタイトルは、お店自身がつけている。たしかに、実際に足を運んでみて（なるほど）と感心してしまった。ここでいいのかと思うような、オートキャンプ場にでも行くのかと思うような森のたもとにその店はたたずんでいた。一見、喫茶店ふうでもある。敷居の高い感じはしない。中に入るとＬ字のレイアウトで客席が用意されている。角のコーナーにすわった。ランチのＡコースがよさそうだ。メインのみ３品から選ぶプリフィックスとなっている。・いさきの香草焼　リンゴと野菜のソース・豚フィレ肉のポワレ　ブラックオリーブソース・ミートパテの皿焼　ボンファム仕立て最後のミートパテに決め、注文する。ＢＧＭには堂々とクラシックが流れている。ベトの弦楽四重、バッハのブランデンブルグなど。「サクロン」のＣＭにでも似合いそうな、緑をよりいっそう映えさせるような濃密な曲が空気を支配していた。前菜がやってくる。サラダ仕立てで、中に小海老やサーモンマリネが配されていた。ドレッシングがかかり、オーロラ系のソースで縁を色取ってある。素直でまろやか。変な小細工をしてないといったらいいのか。じゅうぶんなボリュームがある。間髪をおかずにパスタが供された。本日は、ほうれん草のトマトクリーム仕立て。本当に今ゆであがりを持ってきたのだろう。熱すぎるくらい熱い。極細麺で、からみつきが良い。これも同じように素直＆まろやか。トマトの酸味がほどよく、変に凝った味付けをしてない。２品の感想は、メインにも通しで使えた。ミートパテの周囲をアスパラクリームのソースで囲いグラタン風に焼いてあるが、見た目と違ってこってりさは皆無。あっさり極致の池の中にあっさり至芸のパテが鎮座している。あきらかに塩分を抑え目にしてあった。デザートと珈琲がやってきた。アップルタルトのベリーソースかけで、見た目にもうれしいキャンバス仕立て。ここで２１００円以上のコースを取った人には、デザートのお替わりが供される。食べ放題とかバイキングではない。あくまでサービスでやってくれているので、慎ましやかにいただくことだ。さすがの食べホ星人の私でも、ここでは遠慮聖人としてかしこまっている。それでもこのあと、桜のパンナコッタ・苺のケーキと、結局３品のデザートを味わってしまった。レストランのれっきとしたドルチェが３品いただけるだけでも、買いといえるだろう。窓外のゆたかな緑に、視線を遊ばせてみた。木々の間を抜けてきた陽光が斜めに映えて、シルクスクリーンのように淡白く立っている。少しだけ風があるのか、遠くの枝たちがそろって揺れている。肩の力が自然にぬけていく。なんてのどかで、伸びやかな光景なのだろう。私は自分の中でメンデルスゾーンの合唱曲「緑の森よ」を、静かに鳴らした。緑の森よ　われは歌わんなれはこよなき　わが憩いと小暗き森の木々は茂り…水野美紀が似あう。相武紗季が似あう。自然の内懐でゆったりとした気持ちに浸るには、これ以上ないようなロケーションなのかと思う。ここの本当のメインはそれなのであって、食事はあくまでもその添え物なのかも知れない。また一つ、私的に素敵な隠れ場所を見つけた気がした。※(デザート追加ＯＫは、２１００円コースでは不可。デザート盛合せとなる。３１５０円以上のコースでは続行中/２００７年７月現在）「森のレストラン　クオーコ」住　　所：佐倉市下勝田４２３アクセス：国道５１号から佐倉第３工業団地方面へ　Ｐ（２０台以上）電話番号：０４３－４８１－５２５８営業時間：１１：００－１５：００/１７：００－２１：００/　　　　　　※ランチは予約したほうがベター定　　休：水曜日客　　席：テーブル８卓（可変）利用種別：個人向き/少人数向き/カップル向き/グループ向き/まったり向き/メニュー：（昼）　　　　　ちいさなコース１７８５/ランチコースＡ２１００/Ｂ３１５０/　　　　　シェフにおまかせ４２００/　　　　（夜）　　　　　Ａ２６２５/Ｂ３６７５/おまかせ５２５０/スペシャル６３００/　　　　（単品）（前菜）　　　　　季節野菜のサラダ６８２/前菜盛合せ１１５５/　　　　　鴨とフルーツのサラダ仕立８４０/生ハムとグリッシーニ７３５/　　　　　本日のスープ５２５/旬の魚カルパッチョ９４５/　　　　　海の幸のマリネトマトケース詰め８１９/カニのムースキャベツ包み９４５/　　　　　フォアグラの入ったコロッケ８４０/サーモンと帆立のタルタル９４５/　　　　　パーニャカウダ７８７/穴子の前菜クオーコスタイル８４０/　　　　（パスタ）　　　　　バジルとトマトソースのパスタ８９２/カルボナーラ８９２/　　　　　青野菜とにんにくととうがらしのパスタ８９２/　　　　　いかと野菜のスパゲッティー９４５/茸とベーコンクリーム９４５/　　　　　いかとからすみのスパゲッティー１０５０/ミートソース８９２/　　　　　モッツァレラチーズとトマトソースパスタ８９２/　　　　　しらすと野菜のパスタ９４５/サーモンのトマトクリーム９９７/　　　　　ズワイガニのクリームパスタ１４７０/魚介のトマトソース１６８０/　　　　　本日のＡコースのパスタ８９２/本日のＢコースのパスタ９４５/　　　　（ピザ）　　　　　カプリチョーザ１２６０/マルゲリータ１０２９/　　　　　茄子とミートソース１１５５/ベーコンときのこ１１５５/　　　　　にんにくとアンチョビ９４５/サーモンとオニオン１１５５/　　　　　ズワイガニとトマト１６８０/甘いデザートのピッツァ９４５/　　　　(パスタ・ピッツァについてのみ）プラスで　　　　　サラダ・デザート・コーヒー付セット７００/　　　　（魚・肉料理）　　　　　本日の鮮魚料理１４７０/本日の肉料理１６８０/　　　　（ドリンク）　　　　　生ビール（中）５０４/生（グラス）３９９/　　　　　ノンアルコールビール３９９/ハウスワイン（赤・白）グラス３６７/　　　　　ハウスワイン（赤・白）デキャンタ１０５０/コーヒー３６７/　　　　　エスプレッソ３６７/紅茶３６７/ハーブティ３６７/ウーロン３６７/　　　　　アイスコーヒー３９９/アイスティ３９９/ブラッドオレンジ４２０/　　　　　りんごジュース３９９/ジンジャエール３９９/コーラ３６７/　　　　　アイスクリーム・シャーベット４２０/デザートセット７３５/評　　価：☆☆☆☆☆　　　　　（味４/量４．５/サービス４．５/雰囲気５/ＣＰ４．５/駐車場５）

2007.02.19

閲覧総数 1239
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だるま寿司　食べ放題　～宝クジに当たらなくてもかなう夢～

オーダーバイキングが「バイキングの王様」であることに異論をはさむ人はいないだろう。しかしこの形にすると、各お店ごとに確固としたローカルルールが存在していて、それはこの情報化社会でもなかなか流れてこない情報の一つではある。別段それを知ったからといって、地球がひっくり返るわけでもないのだが。私のような（食べホ星人）にとっては、かなり重要な事柄ではある。今回は、その詳細を伝えるだけでも記す意義があるのではないかと、自分で勝手に解釈している。正面から入った店内は、こじんまりしていて、それがかえって居心地の良さにつながっているようだ。お決まりのカウンターをはさんで、小上がりが２組分用意されている。琴の調べで、歌のない歌謡曲が流れていた。食べ放題を頼むと、まず最初の１皿がやってくる。１０貫の中身は、とびこ、いくら、海老、いわし、サーモン、数の子、いか、鯛、鮪２という陣容。そのあとは、フリーに注文できるようになる。（ただし、トロ系だけは、全部で２貫という数量制限がつく）その日の仕入れにもよるが、リストには次のように並んでいた。大トロ/中トロ/うに/いくら/あわび/数の子/かんぱち/甘海老/平目/すずき/とり貝/はまち/赤貝/鯛/平目/赤身/青柳/しゃこ/小柱/穴子/海老/いか/あじ/かに子/かつお/みる貝/たこ/小肌/しめ鯖/玉子/ねぎトロ/納豆巻/かっぱ巻/かんぴょう巻/梅巻/鉄火巻/たらこ巻/山芋巻/口頭で好みを頼むのもよいし、専用用紙に書きこんで注文する方法でもよい。２貫単位でも１貫ずつでも、自由に頼むことができる。さすが房総というべきか。しゃりの握り玉はかなり大柄仕立て。比例して、ネタも割と大きなカットが多い。食べ放題だからといって、ネタを下方コントロールしている感じはしない。このへんの気風の良さは、素直に買ってあげるべきかも知れない。食のすすみ具合を見計らって、サラダ・汁物・茶碗蒸しなどがやってくる。添え物ではない、単独メニューのようなしっかりした品物なので、かえってこちらが恐縮してしまうくらいだ。総計４０貫を食べ終えたところで、デザートを頼んでフィニッシュを宣言する。夜は好条件となって、通過儀礼としての１皿も免除され、最初からお好みをガンガン注文できる。トロ系の個数制限も撤廃され、完全なる自由オーダーの世界を彷徨・満喫できる。トロを存分に味わいたいのなら、夜がいいだろう。私も、夜のほうが魅力があるように思えた。利用価値は大いにある。それでなくても、希少かつ貴重な（寿司の食べ放題ＯＫ）のお店である。礼節とメリハリを持って、大事に遇していこうではないか。寿司割烹「だるま寿司」住　　所：君津市南子安３－６－５アクセス：国道１２７号　松川橋を渡り２つ目の信号を右折、少し先右側　　　　　　Ｐ（約３０台）電話番号：０４３９－５４－５３５５営業時間：１１：３０－１４：３０/１７：００－２２：００定　　休：無休客　　席：カウンター８席/小上がり２卓/広間・座敷３/（１５０名対応）利用種別：個人向き/少人数向き/家族向き/宴会向き/法事向き/メニュー：（昼）　　　　　鉄火丼１０００/海鮮丼１０００/天丼１０００/はかりめ丼１０００/　　　　（寿司食べ放題）　　　　（昼）２０００/（寿司１人前＋お好み/汁/サラダ/デザート付）　　　　（夜）３０００/小学生２０００/（お好み/汁/サラダ/デザート付）　　　　（昼・夜）（握り寿司）　　　　　特松３０００/松２０００/竹１５００/梅１２００/　　　　（ちらし寿司）　　　　　特松３０００/松２０００/竹１５００/梅１２００/　　　　（丼）　　　　　うに丼２０００/うにいくら丼２０００/いくら丼２０００/穴子丼２０００/　　　　　うな重（特上）２０００/うな重（上）１３００/鉄火丼２０００/　　　　（巻物他）　　　　　鉄火巻１２００/納豆巻５００/カッパ巻５００/新香巻５００/梅巻５００/　　　　　のり巻５００/ねぎとろ巻２０００/手巻各種２００/特製太巻１２００/　　　　（一品料理）　　　　　刺身盛合せ５０００～１５０００/くらげ刺身７００/いかそうめん８００/　　　　　伊勢海老刺身３０００/貝類盛合せ１５００/あわび刺３５００/　　　　　牛肉たたき８００/からすみ５００/豚角煮７００/さざえ壷焼７００/　　　　　松葉がに焼３５００/たらば焼２０００/毛がに３５００/煮穴子１２００/　　　　　活車海老塩焼１０００/天ぷら盛（２人前）２４００/かに味噌６００/　　　　　かに天ぷら６００/かにグラタン６００/甲羅揚げ６００/酢の物８００/　　　　　茶碗蒸し６００/厚焼玉子５００/鳥唐揚５００/お子様弁当１０００/　　　　（デザート）　　　　　ワインゼリー２００/マンゴスティン２００/柚子シャーベット２００/　　　　（飲物）　　　　　ビール（大）６００/生ビール（大）７００/日本酒１０００/　　　　　ふぐひれ酒７００/ウーロンハイ５００/オレンジ２００/コーラ２００/　　　　（宴会料理）　　　　　５０００～予算に応じて調整評　　価：☆☆☆☆　　　　（味４/量５/サービス４/雰囲気４/ＣＰ４．５/駐車場５）

2007.05.12

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メンマラーメン　富士屋　～古色蒼然たる高濃度むらさき・頑張りafter専用～

メンマラーメンの大盛りをたのんだ。メンマがごっそりと配され散らされていて、２枚のチャーシューが隠れてしまっている。特濃のしょう油スープは、非情なまでにしょっぱい。その濃さは、麺を醤油色に染めあげるまで特化されている。（好きな人はとびきり好きだし、嫌いな人はとことん嫌い）というように好みがはっきり分かれるラーメンだろう。懐かしいといえば、本当に懐かしい古色蒼然たるシンプルな香りがする。その昔、市役所通りの今のケイヨーＤ２の近くにこの店があった。「あのチャーシューの味を思い出すとたまらないんだよなぁ」という評判をきき、食べにいった。食したとたん「何だ、これ」と思った。どこが美味しいのか、このチャーシューのどこがいいのか、その場ではまったく分からない。また食べてみたいと思ったのは、それから何日か経ってからのことだった。食べ慣れると、ここはつくづく頑張りafter用のラーメン屋だと思い至った。何ごとかでがんばった人がやって来て、疲れた体に高濃度の塩分を流しこむからこそ、一杯の価値がある。汗をかいてない体、頑張ってない体に、この竹岡系はきつすぎる。その頃から私は、この店の隠れ１ファンに収まりつづけている。「富士屋ラーメン　五井店」住　　所：市原市五井西５－１３－１アクセス：２９７バイパス　安楽亭のとなり　Ｐ（約９台）電話番号：０４３６－２５－６３００営業時間：１０：００－２０：００/定　　休：月曜日客　　席：カウンター８席/テーブル５卓/小上がり２卓/料金支払：あと払い/カード不可/メニュー：【ラーメン】　　　　　　ラーメン６００/チャーシュー麺７５０/ワンタンメン７００/　　　　　　メンマ麺７００/チャーシューワンタン麺８００/　　　　　　メンマチャーシュー麺８００/メンマワンタン麺７５０/　　　　　　メンマチャーシューワンタン麺８５０/　　　　　【その他】　　　　　　ライス（小）１００/ライス（普通）１５０/ゆで玉子５０/　　　　　　餃子２５０/冷奴２５０/もつ煮３５０/枝豆３５０/そら豆３５０/　　　　　　たこわさび３００/メンマ４００/おでん４００/揚げワンタン４５０/　　　　　　さきいか天ぷら４５０/揚げごぼう４５０/チャーシュー盛８００/　　　　　【飲物】　　　　　　生ビール５００/ビール６００/お酒４００/チューハイ３５０/評　　価：☆☆☆☆　　　　（味３．５/量４/サービス３/雰囲気３．５/ＣＰ４/駐車場４）

2007.11.05

閲覧総数 1337
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伊勢海老　伝九郎　～花より王様～

伊勢海老を食べに大原に向かった。「伝九郎」に立ち寄らせてもらう。田舎町のふつうの旅館で、かなりしみじみしている。玄関をあがると、その脇にある大広間に通された。メインは宿泊なので、メニューは本当に数少ない。基本は２種類で、本日はそのほかに１品だけ丼が用意されていた。ここまできたら迷う余地がない。当然のように「伊勢海美御膳」をたのんだ。わざわざ字を替えてあるのは、この町の全国区的な名物を強調したいためだろう。しばらくボーッと待つ。なだれこむようにして一膳がやってきた。さんが焼（本日はイサキをたたいたもの）、かき揚げ、刺身（伊勢海老、鯛、イカ）、ひじき煮、新香、汁物、ご飯とつく。メイン中のメインである伊勢海老は、やや小ぶりなものだった。このへんは、プライスのシビアさがみごとなくらい反映されている。新鮮さを誇示するように、しばらくの間ヒゲがヒクヒク動いていた。透明っぽい身は、さすがにプリプリしている。その上適度にやわらかい。無意識のうちに口を動かしていると、あっという間にそのスポットは空になっていた。このあたり、菊の小花を飾るより、もう一片だけでも生身を増やして欲しいと痛切に思ってしまう。本わさび仕様というのは、なかなか良心的だといえるだろう。値段なりといえば、その通りというしかない。金銭に余裕のあるムキは、オプションで豪勢にやってもらうに限る。私は自分の分限を熟知しているので、このあたりで適当に満足しておくことにする。人間はあきらめが肝心だ。特に食に関しては、その場できれいに清算すべきだ。あきらめの悪い奴は、一生その後悔を引きずる運命におちいる。（しかし。それにしても。極小なる小粒でもいい、あと一口だけでも、あの半透明で、プリプリ至極で、くせのない、美麗かつ淡白な、食べれば食べるほどさらにまた魅了される、図体は大柄なくせに中身は申し訳程度の、高貴に甘い、せつないほど口唇に吸いつく、海老界に君臨する王様を食べてみたかった…）伊勢海老旅館「伝九郎」（でんくろう）住　　所：いすみ市大原町８９８８－５アクセス：大原港近く　Ｐ（約１０台以上）電話番号：０４７０－６３－１０９６営業時間：１１：３０－１４：００くらい/定　　休：無休/臨時休業あり/客　　席：テーブル９卓（可変）/利用種別：個人向き/少人数向き/家族向き/グループ向き/料金支払：あと払い/メニュー：【昼食】　　　　　　漁師定食１６００/伊勢海美定食３０００/かきあげ丼８００/　　　　　【飲物】　　　　　　生ビール６００/びんビール６００/お酒５００/焼酎５００/　　　　　　ソフトドリンク各種２５０/生酒「伝九郎」２０００/評　　価：☆☆☆☆　　　　（味４/量３．５/サービス３/雰囲気３/ＣＰ３．５/駐車場５）

2008.11.07

閲覧総数 470
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オムレツラーメン　一平　～キテレツでない・オーセンティックなる一杯～　〈閉店〉

入るのに勇気が必要なお店というのが存在する。それにはいろいろな要素があるのだが。ここの場合は、みごとなまでに古めかしいその外観ビジュアルと、それに伴った「とても美味しいものが出てくるとは思えない」オリジナルの雰囲気である。「食べ歩き」などというと、本格的にお気楽な酔狂だと思われがちだが。実のところ、精神的な負担の多い、かなりヘビーな趣味だと言わざるを得ない。「入るのに勇気が必要なお店」に入るたびに、それを再実感させられる。場数は踏んでいるにしても。のれんをくぐるときは、やはり一瞬だけ緊張する。数秒だけ息を止める。あるいは、なるべく振幅の少ないような静音系の鼻呼吸でとおす。必要な際にはすぐにでも踵を返せるような（即リバースモード）を兼備したモードで突入していく。店の中にみなぎっている「空気」に慣れ、大丈夫そうだと思えたときに、やっと本格的な呼吸を再開する。大柄なＬ字カウンターと小上がり。店とは関係ない品もそのへんに雑然と置かれている。昼間から酒を食らっている労務者風が、静かにトロンとしていた。どうあがいても「昭和の食堂」であり、それ以上でも以下でも、それ以外でもない。しかしさすがの昭和系。価格がみな思いきり安い。メニューの裏には「平成２年から値上げをしていません」という文字が、誇らしく記されていた。たしかにこれはアピールしていいポイントだろう。木曜日限定の「オムレツラーメン」を注文する。日替りラーメンの一つなので、レギュラーには入っていない。ごくプレーンな醤油ラーメンの真ん中に、そのメインたるオムレットが艦載される。正直ボリュームがある。肉付きが大変よろしい。そのために麺が奥に押されて、ラーメンというよりスープ然とした外観を呈していた。内具としては、チャーシューと玉ねぎ。卵がもたらす独特の甘みが、やや濃い目の醤油と溶けあって、なかなかの美味。じゃっかんのふんわりが、スープ漬けによりなおさら柔らかく、おぼろに溶解化される。挽き肉ではなくチャーシューを駆使しているというのがミソで。これがシンプルな醤油ラーメンと激烈なまでにマッチしている。違和感がまったくない。仰々しさを除去してくれる。それはまるで、この二つの大御所をうまくリンクし、結びつけるために存在するかのようだ。「天津麺」の１バリエと、かるく受け流すことも可能だが。そうとばかりは言えないオリジナリティーを所持していることは疑いない。この逸品を食べることができた満足感を、たしかに感じることができる。店名からわかるように「洋食」もこの店のカテゴリーに入っている。オムレツやオムライスをレギュラーで提供できる底力があるからこその名物メニューといえるだろう。週に１度しか味わえないという稀少性・限定性も、おいしく味わうためのある種の仕掛けなのかも知れない。中華・洋食「味の一平」【閉店】住　　所：市原市姉崎２０６０－２アクセス：鴨川街道沿い　砂子歩道橋たもと　Ｐ（５台）電話番号：０４３６－６２－５４５３営業時間：１１：００－１５：００/１７：００－２２：００頃/定　　休：水曜日/日曜日/客　　席：カウンター１２席/小上がり３卓/利用種別：個人向き/少人数向き/グループ向き/料金支払：あと払い/カード不可/メニュー：【日替りラーメン】　　　　　　（月）味噌にらたまラーメン５００/（火）唐揚ラーメン５００/　　　　　　（木）オムレツラーメン５００/（金）わかめ玉子ラーメン５００/　　　　　　（土）肉団子ラーメン５００/　　　　　【麺類】　　　　　　ラーメン３５０/ワンタン麺４５０/タンメン４５０/野菜ラーメン４５０/　　　　　　味噌ラーメン４８０/五目そば５２０/チャーシュー麺５５０/　　　　　　チャーシューワンタン麺６５０/かに玉そば６５０/焼きそば４００/　　　　　　揚げ焼きそば５２０/五目焼きそば５５０/ミートスパゲティ６００/　　　　　　ナポリタン４５０/　　　　　【スープ】　　　　　　わかめスープ２３０/玉子スープ２８０/とん汁２８０/なめこ汁３３０/　　　　　　肉スープ３８０/ワンタン４００/　　　　　【ご飯類】　　　　　　ライス２００/玉子丼４５０/親子丼５２０/中華丼５５０/かつ丼６２０/　　　　　　牛丼６２０/かつ丼６２０/炒飯４５０/チキンライス４８０/　　　　　　ドライカレー５００/オムライス５２０/カレーライス４７０/　　　　　【単品】　　　　　　冷奴１５０/新香２００/豚足３８０/餃子３００/目玉焼３００/　　　　　　オムレツ４５０/もやし炒め４００/野菜炒め４００/レバニラ５００/　　　　　　肉ニラ炒め５００/ベーコン野菜炒め６００/中華酢くらげ５００/　　　　　　麻婆豆腐５００/コーン麻婆豆腐５５０/鶏唐揚７５０/かに玉９８０/　　　　　　酢豚９８０/八宝菜９８０/ロース焼肉５８０/レバかつ５００/　　　　　　とんかつ６５０/ひれかつ７００/ハンバーグ７００/海老フライ８５０/　　　　　※別途消費税評　　価：☆☆☆☆　　　　　（味４/量４/サービス３．５/雰囲気３/ＣＰ４．５/駐車場３）

2008.10.01

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刺身天ぷら　武本　【再訪】　～房総流・たっぷりごっちゃり系～

このところ何度も「武本」に入っている。本日は「刺身天ぷら定食」を注文する。ここのポイントである盛りの良さはこの品も例外ではなく、２人で分けて食べても別におかしくない。双方とも、相応の満足感に浸ることができるだろう。その伝でいうと「フライ盛合せ定食」なども破格の分量・かさがあるメニューの一つにあげられる。揚物・刺身以外のおかずでは、一つ気をつけねばならないことがある。総じて房総流に、味つけが濃い。しょっぱい、塩辛い、醤油甘い、極楽甘い。明らかに、汗をかく人むけであり、肉体派向けである。そのへんは、じゅうぶん承知の上で注文すべきである。このところどの店に入っても、値上げが当たり前のように実施されているが。ここでは、前からのプライスそのままで頑張ってくれている。そのへんは、店側のサービス精神というか、心意気というのか、そういうものを感じてしまう。大事に遇していきたいお店の一つとなっている。御食事処「武本」住　　所：市原市山倉１６３－１アクセス：国道２９７号　山倉坂下信号を広域農道方面へ　すぐ右側/　　　　　Ｐ（約７台）電話番号：０４３６－３６－０１５１/営業時間：１１：００－２０：００頃/定　　休：月曜日/客　　席：カウンター９席/テーブル６卓/小上がり２卓/座敷有/利用種別：個人向き/少人数向き/家族向き/宴会向き/メニュー：【麺類】　　　　　　ざるそば４５０/天ぷらそば７５０/天ざる１２００/焼そば７００/　　　　　　焼うどん７００/醤油ラーメン５３０/チャーシュー麺６８０/　　　　　　タンメン７８０/塩ラーメン６８０/味噌チャーシュー麺７８０/　　　　　【中華系単品】　　　　　　五目炒飯６５０/玉子炒飯５５０/レタス炒飯７５０/海老炒飯８５０/　　　　　　回鍋肉７８０/　　　　　【丼】　　　　　　天丼１０００/親子丼６５０/玉子丼５５０/まぐろ照焼丼１０００/　　　　　　鮪ステーキ丼１０００/かきあげ丼７５０/カツ丼１０００/　　　　　【定食】　　　　　　刺身定食１２５０/天ぷら刺身定食１５００/同（上）１８５０/　　　　　　武本定食１５５０/同（上）２０００/わかさぎ唐揚定食７５０/　　　　　　鯵天ぷら定食１０００/いわし天ぷら定食１０００/　　　　　　野菜天ぷら定食８００/めごち天定食１１００/串かつ定食８５０/　　　　　　海老フライ定食１３００/海老かつ煮定食１３００/　　　　　　チキンカツ定食８５０/とんかつ定食１０００/　　　　　　フライ盛合せ定食(海老・いか・アジ・かき・串カツ)１１００/　　　　　【単品】　　　　　　かんぱち刺身１０００/えんがわ４５０/さんま６５０/シメさば６５０/　　　　　【飲物】　　　　　　ビール（中）５５０/（大）８００/ソフトドリンク２００/評　　価：☆☆☆☆　　　　　（味４/量４．５/サービス３．５/雰囲気３．５/ＣＰ４/駐車場３．５）前掲の「武本」～ママンの里～（２００７年４月１１日）

2008.09.12

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潤井戸膳　八幡屋　～イチロー仕様の戦艦大和～

「磯屋」と並んで、市原の鰻の名店に入っている店である。家から遠いのでなかなか行けないが、それでも１年か２年に一度くらいのペースで訪れていた。店に入って、ノートに名前を記す。５分くらい待ってからボックスの小上がりに通される。卓の上のメニューを見ると、以前にも増して品数が増えたようである。鰻・寿司・天ぷら・刺身・和食全般・デザート等々。ランチメニュー多数にセット多数、単品多数。本気で読んでいったら、本当に１日つぶせそうな分量がある。結局、１年半前ここに来たときに頼んだのと同じ「潤井戸膳」にした。鰻・刺身・天ぷらのセットである。以前とは少し内容が変わっていて（鰻とご飯）は、鰻重に替えることができるし、上寿司に替えることもできる。このあたりのフレキシビリティはさすがだなと思う。スケールメリットを生かしている。最初に前菜だけがやってきた。てっきり一度に持ってくると思っていたので意外だった。鰻のハム・うまき玉子・ヒレ味噌・肝豆腐。一皿での鰻づくしだ。ハムはスモークが効いている珍品だし、ヒレ味噌はまったり濃厚でとろっとしていて最高にいける。以前にはなかった趣向である。研究しているな。工夫しているな。思わずにんまりしてしまう。次に天ぷらと刺身がやってくる。天ぷらにはもみじおろし、塩、天つゆが付いてくる。刺身はかつお・中トロ・ホタルイカ・ほたてなど。必要にして十分な顔ぶれが揃う。プリプリしてうまい。かつおやマグロは存分に脂がのっている。鰻重・茶碗蒸し・肝吸い・新香・水菓子と最終便がやってきた。鰻重は（梅）と同じ内容である。フタを取ると、鰻の蒲焼きだけが持つ独特の甘い香りがプーンと立った。実にいい焼き色・いい照りをしている。山椒をパラパラ振ると、一部がふわりと浮き上がったようだ。その苦辛い匂いがタレの甘い香りと一緒くたになって攻めてくる。もうたまらない。鰻重の食べ方だが。右ききの自分だと、手前左側から右方向にスクエアに切り取っていくスタイルでやっている。一度重箱を半回転まわす。最初に尻尾のほうを食べてしまう。先細りして肉も薄くなっていく貧相なこの部分が最後に残っているのは、ちょっとイヤな感じなのだ。そこをやっつけてしまえば、あとは充実した肉厚部に移っていくばかりだ。タレは十分に甘い。だが濃厚・濃密というわけではなく、どちらかといえば後味のよい中濃あっさり系である。メロンの切れ目、茶碗蒸しの柔らかさ等々。細かい部分まできちっとした仕事がしてある。文句のつけようが無かった。この店で心配していたのは各調理場の連携面だった。巨大な店舗・巨大な厨房ゆえの問題だろう。以前、この種のセットを頼んだとき、一部に冷めた品物があったのだ。食材に旬があるように、調理品も旬の瞬間（とき）がある。今はそれを逃さぬようにきちっと配慮しているようだ。五井の「丸金」の二の舞は、ここでは考えられない。時代をとらえ、客のニーズをとらえ、新しいものへの探究心も持ち続け、配膳等の機動力も身軽にこなしている。（さすが）と感心することばかりだった。「うなぎ・寿司・和食処　八幡屋」住　　所：市原市潤井戸１３０７－２０アクセス：茂原街道沿い　千原団地入口信号から２００ｍ下り　Ｐ大駐車場有電話番号：０４３６－７４－０００７営業時間：１１：００－２２：００（ＬＴ/平日/１１：００－１５：００）　　　　　　（ＬＴ/日祝/１１：００－１３：００）定　　休：無休客　　席：小上がり/テーブル/座敷/それぞれ多数/利用種別：個人向き/少人数向き/家族向き/団体向き/接待向き/法事向き/メニュー：潤井戸膳３９８０/八幡屋膳２８８０/松天丼１７００/鰻重（梅）１９００/　　　　　　ひつまぶし１９００/うな玉丼２０００/二味重（白焼とかば焼）１９００/　　　　　　二色丼（イクラ、ウニ）２０００/鉄火丼上１８００/三色丼２５００/　　　　　　まぐろ中トロ２０００/鯛活き造り２８００/鯵のたたき７００/　　　　　　帆立貝刺身６００/赤貝刺身１３００/たこぶつ５５０/金目鯛刺身８００/　　　　　　いか刺身８５０/まぐろトロ３０００/うなぎ太巻１８００/　　　　　　　　　評　　価：☆☆☆☆

2006.04.24

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ランチ　わかせい　～walker's say ・常連御用達～

１６号に面しているのだが、正直この道を流れていく「フリの客」は、このお店には（たぶん）寄らないだろう。ここを熟知する者だけが、予定通りに入店するというのが、ここのほとんどの来店パターンかと思う。靴を脱ぎ、スリッパに履きかえて店内に上がる。テーブル席のほうは、シンプル系ソファー椅子が配された外食にしては珍しい仕様。ふんわりした座り心地は、じゃっかん慣れが必要かも知れない。その関門を抜けると、快適にすごせるようになる。毎度おなじように感心してしまうのだが。海鮮素材の新鮮さときたらどうだろう。まずひと口いったときの、歯先や舌先が実質を感知するその鋭敏なるファースト・コンタクトで、これはじつに「旬」で「活」で「鮮」だなと膝を打ってしまう。それは、どの調理法によっても変わることがなかった。調製は応用自在のていねい系で、接客は笑顔＆親愛のフレンドリー系。ご飯どきは混んでいることが多いというのも、当然のように納得できる。クセになると、この店を前を素通りできなくなるに違いない。「本日の日替わりランチ」「（地魚の天ぷら、刺身、冷奴、香の物、味噌汁、ご飯という陣容。単品小鉢のような器で供出されるご飯はおかわり自由。９００円）「スペシャルランチ」（ミックスフライ、刺身、あら煮、味噌汁、ご飯、プチデザート、ソフトドリンクという内容。ご飯はおかわり自由。１０００円）ＳＰランチにつく「プチデザート＆コーヒー」（キャラメルケーキ、白玉あずき、柚子シャーベットから選ぶことができる。画像はキャラメルケーキ。「ケーキ」というよりほとんど「ムース」。基本海鮮和食店なので、これはご愛嬌と授受すべき。過度の期待をしてはいけない）魚料理専門店「わかせい」住　　所：袖ヶ浦市福王台２－２１－１アクセス：国道１６号沿い　マクドナルド並び　Ｐ（４台＋２０台以上/共用）電話番号：０４３８－６４－３４３８営業時間：１１：３０－１４：００/１７：００－２１：００/客　　席：カウンター５席/小上がり４卓/（喫煙自由）定　　休：木曜日利用種別：個人向き/グループ向き/家族向き/小宴会向き/料金支払：あと払い/メニュー：【昼】　　　　　　日替りランチ９００/スペシャルランチ１０００/　　　　　　刺身定食１０００/黄金あじフライ定食１０００/　　　　　　ミックスフライ定食１０００/ひらめ煮定食１４００/　　　　　　かさご煮定食１２００/むつ煮定食１５００/　　　　　　天ぷら定食１３５０/真鯛焼魚定食１４５０/　　　　　　たちうお定食１２００/イサキ定食１３００/　　　　　　お子様セット５５０/舌平目唐揚定食１３５０/　　　　　　海老フライ定食１３５０/かます唐揚定食１２００/　　　　　　穴子天丼１０００/あら煮定食８５０/　　　　　【単品】　　　　　　ぶりかま焼１５００/車海老塩焼７００/かわはぎ肝和え７００/　　　　　　伊勢海老刺身１２００/ポテトフライ３００/枝豆３００/　　　　　　冷しトマト３００/潮汁３００/ライスセット３００/　　　　　　刺身盛合せ１０００/魚茶漬５５０/いかげそ煮３５０/　　　　　　カルパッチョ５００/あら煮６５０/平目姿揚７００/　　　　　　海老フライ６５０/地魚フライ７５０/ふぐの唐揚７５０/　　　　　　穴子の天ぷら８５０/さざえの壷焼８００/平目唐揚５００/　　　　　　おにぎり３５０/　　　　　【デザート】　　　　　　芋焼酎アイス３００/キャラメルケーキ３００/　　　　　　白玉あずき３００/アイスクリーム２５０/　　　　　【コース】（要予約）　　　　　　刺身コース３０００～/鍋コース３０００～/評　　価：☆☆☆☆☆　　　　　（味４．５/量４/サービス４．５/雰囲気４/ＣＰ４/駐車場４）

2008.12.17

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鰻重　弥七　～良心的庶民派～

道路に対して、店が横向きに建っている。しっかり見てないと通りすぎてしまうかも知れない。鰻専門店なのだが、それらしい高級感は皆無で、ほとんど居酒屋の雰囲気を醸している。前菜しのぎにカマンベールの天ぷらを、飯物としてランチのうな重を頼んだ。カマンベール天は、充分に味が想定できるメニューであるが、これが意想外の旨さ。くせのない淡白なチーズが、揚物として昇格しただけあって、緻密感の高い食べごたえのある逸品に仕上がっていた。マイルドしごくな塩味が食欲を刺激してくれる。酒肴としてもいけるだろう。注文から二十分余でメインがやってきた。重箱はやや小ぶりの印象か。しかし、中身のほうは値段以上のパフォーマンスを体現していた。きちんとした一匹分が収まっている。蓋をあけたときの甘ったるい匂い（しらすと白身とミルキーと醤油を一緒くたにして煮詰めたような甘い匂い）が、たまらない。箸を入れる。脂がジュクジュクと湧く。身がほくほくしている。口にいれるとそれがみごとなくらい、ほろほろと崩れる。手もなくとろけ、消失する。鰻重という一品を食べながら、口の中に収まると即、最高度に細分化されたひつまぶしを味わうのと同様のカオス化が実現されてしまう。喉の奥からと鼻元からと、双方から濃厚なるにおいが押し寄せてくる。乳化したようなとろ甘さが口蓋をまわり、やがて顔全体にまで満遍なく広がっていくような気がする。たれはかなり甘っこい。濃い口だが、変にベトついてはいない。本体にしかと絡みつきながら、焼きの部分にも参画している。一部炭化した焦げ目からして、その寄与も大いにあっただろうと推察できる。サイドとして、なめこ汁、冷奴の小鉢、香の物がついてくる。寿司も魅力的だが、やはり鰻もいい。鰻重を食べるありがたさというものを素直に実感できた。ＣＰに優れたお店として、特段におすすめできる。「うなぎの弥七」住　　所：君津市中野３－３－８アクセス：国道１２７号入る　Ｐ（約７台）　　　　　（煙草制限：無）（車椅子対応：無）電話番号：０４３９－５５－３７１２営業時間：１１：３０－１４：００/１７：００－－２１：００/定　　休：火曜日客　　席：カウンター９席/小上がり３卓/座敷２卓（可変）/利用種別：個人向き/少人数向き/家族向き/グループ向き/メニュー：【昼】　　　　　ランチ鰻重１１００/　　　　【昼/夜】　　　　　鰻重１６００/１８００/２０００（茶碗蒸し付）/鰻蒲焼１７００/　　　　　肝焼３００/　　　　【魚物/その日の都合により可変】　　　　　まぐろ刺身８００/地蛸刺身８００/あおりいか刺身８００/金目鯛煮９００/　　　　　あさり酒蒸７００/鴨のロースト７００/白魚の卵とじ７００/　　　　　かます塩焼８００/　　　　【焼鳥】　　　　　ねぎま１５０/皮１５０/レバー１５０/　　　　【揚物】　　　　　はぜの天ぷら９５０/天ぷら盛１２００/カマンベール天ぷら５５０/　　　　　小柱の磯揚げ７００/長芋から揚げ５５０/鶏唐揚７５０/蛸唐揚７５０/　　　　　揚出豆腐６００/　　　　【一品】　　　　　馬刺８５０/天城鹿刺８５０/真いかの丸ごと磯焼８００/だし巻玉子６００/　　　　　茶碗蒸し５００/柳川３００/冷奴３００/新香（大）５００/　　　　【飲物】　　　　　サッポロ生ビール６００/スーパードライ６００/エビス７００/　　　　　レモンサワー４００/ギレープフルーツサワー４００/ウーロン２００/　　　　　オレンジ２００/コーラ２００/菊正宗４５０/　　　　　　　　評　　価：☆☆☆☆　　　　（味４/量３．５/サービス４/雰囲気４/ＣＰ４．５/駐車場４．５）

2007.07.10

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