アメリカの空の下で ~あいつも頑張っているから…~
「あいつも頑張っているんだから、自分だって(ここで)頑張ろう」(桑田真澄)2週間前のTVで、大リーグにチャレンジ中の桑田の特集をやっていた。そのなかで一番印象にのこった言葉がこれだった。あいつとは、もちろん清原のことである。米国に渡った彼は、ときおりTVで流れる盟友の姿を見て、そんな好刺激を受けていた。腐ったミカンが一つでもあると、やがてミカン箱全体に腐敗が広がっていく。赤信号で横断歩道の前に立ち止まっていても、だれかよその人が渡って行くと、連られて周りの人も渡りだす。安吾の「堕落論」ではないが。人は放っておくと、自然に向下していく。降下していく。堕ちていく。その翼に揚力的なものを与えられるとすると、やはり(人)に関わることでしかない。アドレナリン的な活性をくれるのも、やはり(人)に関わることでしか、あり得ない。TVの功罪を、ここでは問うまい。ただこのスクリーンは、そういう(好感度)な人を、カジュアルかつリアルタイムに紹介してくれる魔法の窓として捕らえることも出来るのではないか。若いときはかなり否定的だった私だが。今ではときたま、そんなふうに思うこともある。