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↓前回です♪
第七十八段 ~内通者~ ★☆★☆ 第七十九段 少ししてホワイトは シアンの手がすっと動いて、ジョンの腕を捉えるのを見た。 それからシアンは優雅に身体をかたむけて、 ジョンに自分を静かにすがらせた。 一瞬皆は奇異に感じた様子で、こっそり隣りの人間と顔を見合わせたが 奇異でもなんでもない。高貴な身分のこのふたりはほんの少し前に 婚約を口にしたばかりだ。 しかし幸福の絶頂であるはずのシアンの眼付は虚ろで、 物思いに沈んでおり ジョンの方も陰鬱に頭痛に耐えていた。 ああ、なるほど。 ホワイトは女神の前髪を掴んだのはシアンの方だったかと思った。 彼はつまりはドールなのだ。 ドールには例の事柄に関してのタブーは一切存在しない。 主人との睦事(むつみごと)が全てを凌駕する。 ジョンが望むなら、この場所ですら遠慮なく事に及ぶであろう。 出会ってから今まで、ドール臭さが全くなかったのは 主人が居なかったからだ。 ドール(使役犬)が何により相手を主(あるじ)として起動するのかは ホワイトには分からない。 なぜだか、シアンは何年か前にジョンと出会うことで起動した。 偶然にもジョンはドールのスウイッチを入れてしまった。 多くの場合ドールは受注後に生産されるから 保育カプセルでの教育は注文した者の希望が入る。 そして、大抵は注文者を主人としてインプットされるのだ。 その情報がどのような形でどこに埋め込まれ、 どのように操れば起動するのかはもちろん企業秘密だ。 万が一、億が一の偶然が、シアンの心をこのように捕えたのか? え?、、そうか。 突然、ホワイトは目が覚めたように思い至った。 スウイッチを誰かが入れたわけではないさ。 それが恋というものなのだ。 シアンは人間のように恋をしたのだ。 その考えは、ホワイトを感動させた。幾千年の時を経て 叶わなかった恋の相手に出会い。 ドール(受注生産品)という限界を超えて再び激しい恋に落ちたのだ。 そこでホワイトは、はたと疑念が湧いた。ということは、と。 シアンには、 触れられていない起動スウイッチが残されたままなのではないか。 アレクと牧場の生産者しか知らない、隠されたボタンが 出番を待ち続けている? それは女性を主人とするという引き金。 シアンが男性化するように仕組まれた。 もしそうなら、その相手は誰だ? アレクにとって、都合の良い女主人。 最愛の息子を骨抜きにする女。 ただ、ジョンに合わせた分化がもうすでに始まったシアンにとって そのスウイッチは、どのような役割を果たすことになるのだろうか。 つづく 恋に落ちたドール ↓次回です♪ 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第八十段 ~本気~ 映画『西遊記之孫悟空三打白骨精』によせて 最初からお読みになりたいごキトクな方は (たぶんいらっしゃらないと思うけど) 下記の 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表 ↑ からどうぞ♪ ウィリアム・フォン、馮紹峰、フォン・シャオフォン、ペン・シャオペン 以上全部同じ人(笑) 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表ってことでヨロシク♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.03.07 13:22:45
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