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↓前回です♪
第九十九段 ~宝石を持たないドールは全裸と同じ。~ ★☆★☆ 第百段 ベルが鳴った。 小さな音だ。ガラスの器をちりちりと鳴らしているような。 すぐにサイドテーブルの上で男の声がした。 『ホワイトだ。起きているか?』 ごてごてと飾られた通信機の中の光っているボタンを押した。 何一つとして宝石のついていない物はないのかもしれない。 『サー』 ジョンは応えた。 監視カメラがこの部屋にもきっと沢山あるのだろうな。 俺が目を覚ますのを待っていたか。 その割にはいささか長めの間があいた。 そして次のホワイトの声は、少しばかり落胆が感じられた。 それの意味するものをジョンは理解しようとした。 ホワイトの聖域とも言えるドールの部屋。 ひょっとするとこの部屋で俺は これからしばらくシアンと同居する事になるのかもしれない。 ホワイトがそれを気分良く感じるとは思えなかった。 『いくつか急ぎの話しがある。部屋に行ってもいいか?』 次に思いなおしたような感情の殺された声がした。 『私が伺います』ジョンは丁重に応えた。 囚われの自由のない身であっても礼儀上、 そう言うべきだった。 彼との身分の開きは小さいとは言えない。 『いや、私が行こう。その方が早い。』 言うが早いか通信は切れた。 ホワイトは忙しそうだ。 ところで今何時なのだ? 朝なのか昼なのか? ジョンはごそごそベッドを出て、きょろきょろした。 人に会う前に身綺麗にしたかった。昨日から着のみ着のままだ。 だがその前にするべきことをまた思い出した。 この広い寝室の四方の壁に合計で五つの扉がある。 窓はないが窓を模した巨大とも言える油絵がひとつ掛かっている。 隠しカメラのうちのいくつかは多分そこに。 その上この絵の一部は巧妙な隠し扉になっているかも。 道楽者の大金持ちならしそうなことだ。、、、おい。 それどころではないぞ。 王子が妙な仕掛けを随所にしている可能性。 参った。いずれにせよ安全のためには全部確かめるべきだが、 頭は鈍く痛みが続いており、身体は鉛のように重く 動き回るのが面倒だった。 生命を惜しむ思いが薄れてきているのだろう。 そしてどの扉かを開けるとシアンが居るかもしれないと思うと ますます気が進まなかった。 シアンは、きっと気を悪くしているだろう。 すると芋ずる式に別の思いが顔をのぞかせた。 心の中を覗くとすーすーと冷たい風が吹いていた。 いつでも涙をこぼせそうだった。 孤独。 忘れていたな、この感じを。 ミックはもう去(い)ってしまったに違いない。 つづく キリの良い数字『百』回目を迎えてしまいました。 玄奘と孫悟空のお話をちょっとむふふな感じで面白半分に 無責任な気持ちで書いていたのですが、 ある時突然シリアスに、、そしてまた 気がつくとなんちゃってSFファンタジーもどきに、、 身の程もわきまえませず(T_T) もちろんおばかな私が書くものですから 大した読み物になるわけもない。 しかも 毎回次はいったいどうなっちゃうの? てんのかみさま何かインスピレーションちょうだいっ て感じではらはらしています。 かみさままかせでどうなることやら そんなこんなですが これからももしよろしければおつきあいくださいませませ あ、何度も言うようですが しゃおちゃんが女性と恋愛したり結婚したりすると たちまち終わっちゃう物語ですので そのあたりご了承くださいませ(笑) ↓次回です♪ 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第百一段 ~じょーん、あいらぶゆー~ 映画『西遊記之孫悟空三打白骨精』によせて 最初からお読みになりたいごキトクな方は (たぶんいらっしゃらないと思うけど) 下記の 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表 ↑ からどうぞ♪ ウィリアム・フォン、馮紹峰、フォン・シャオフォン、ペン・シャオペン William Feng 以上全部同じ人(笑) 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表ってことでヨロシク♪ [堀込兄弟/キリンジ/小田和正/鈴木康博/オフコース] カテゴリの記事 『可愛いに間に合わない』新着記事一覧 ↑ここから目的の記事を探して頂く方が早いかもしれない? もしもお気ににして頂けるならば、その時もここのほうが、、 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2017.12.14 11:10:31
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