しろうと自然科学者の自然観察日記

☆8月24日、立川市の生涯学習・たちかわ市民交流大学市民推進委員会主催の講座「散歩が楽しくなる植物観察入門2　高尾山の植物」の3回目「夏の高尾山と植物」に、共同企画者として参加しました。新たな植物との出合いもありました。高尾山での自然観察を紹介します。オクモミジハグマとカシワバハグマです。(2017年8月24日撮影)。

☆オクモミジハグマは、本州、九州(北部)の山地の木陰に生えるキク科モミジハグマ属の多年草です。草丈は、40～80センチになります。

☆オクモミジハグマの葉は、4～7個が茎の中部にやや輪生状につきます。長さ5～13センチの長い葉柄には軟毛があります。葉身は、長さ6～12センチ、幅6～18センチの腎心形または円心形で、掌状に浅裂し縁には鋸歯があります。

☆オクモミジハグマの頭花は、多数が穂状につきます。頭花は花時には横向きとなり、長さ2ミリほどの花柄があり、小さい苞があります。花期は8～10月だそうですが、8月下旬にもかかわらず花は蕾でした。

☆1つの頭花には、小花が3個あります。総苞は、長さ1.2～1.5センチの筒形で、総苞片は数列に並んでいます。総苞外片は広卵形でごく短く、総苞内片は長楕円形で長くなっています。

☆昨年秋に、昭和記念公園で観察したオクモミジハグマです。(2016年11月1日撮影)。

☆オクモミジハグマの花は、花が咲いている時には横向きとなり、花柄は長さ2ミリほどです。総苞は筒形で長さ12～15ミリ、総苞片は多数並び、外片は広卵形でごく短く、内片は長楕円形で長く幅2～3ミリです。(2016年11月1日撮影)。

☆オクモミジハグマの1個の頭花には小花が3個あり、花冠は白色でふつう細長く5つに分かれています。1つの花を拡大してみました。小花が3個あり、集約雄蕊の中から雌蕊が伸びているのが3つずつ見えます。花冠は白色で、細長く分かれているのはわかりますが、5つに分かれているのは確認できません。(2016年11月1日撮影)。

☆オクモミジハグマ(奥紅葉白熊)の名は、「オク」はモミジハグマよりも自生地が北部の東北に多いので「陸奥」の意から「奥」、「モミジ」は葉の形が似ているので「紅葉」、「ハグマ」は花を白熊(はぐま:ヤク)の白い毛で作った槍や旗の飾りに見立てて「白熊」の名が付けられたそうです。

☆オクモミジハグマの花言葉は、「乙女の魅力」だそうです。繊細な花から乙女を連想したのでしょうか。(2016年11月1日撮影)。

☆こちらは、同じく高尾山で観察したカシワバハグマです。カシワバハグマは、本州から九州の山地の乾いた木陰に生えるキク科コウヤボウキ属の多年草です。

☆カシワバハグマ(柏葉白熊)の名は、「カシワバ」は葉の形が柏の葉に似ているので「柏葉」、「ハグマ」は花を白熊(はぐま:ヤク)の白い毛で作った槍や旗の飾りに見立てて「白熊」の名が付けられたそうです。