季節は12月
SS「永遠の答え」
はぁ・・はぁ・・はぁ・・・
急がなきゃ・・・!
また怒られちまう!
さすがにこんな大事な日に・・
遅れるわけにはいかない!
「ぜぇ・・ぜぇ・・ついた・・・・」
「おせ~ぞ!!!おまえはこんな日にまで遅刻すんのか!?」
「わ、わりぃ・・外村・・・撮影が・・はぁ・・・延びちまって・・」
「っは!でかい態度ですなぁ~」
「しょうがね~だろうが!!!」
「ふん!まぁいい・・。それより・・もう来てるぞ?
おまえの【伴侶】がな!!」
「伴侶・・?・・あ!それをはやくいってくれよ!」
いそいで会場の中にはいり、着替え室に向かった
(・・・色々あったけど・・・よく頑張ったな!
――おめでとう・・・真中・・)
―
――
(やべ~!ほんとに怒られちまう!!)
エレベーターを待ちながらそんなことばかり考えていた
その時
「真中!」
「え・・?さつき・・か?」
「な~にがさつきか?よ!まったく・・こんな日にまで遅刻して・・」
「う、うるせ~!外村と同じこと言うな!!」
「はぁ・・ほんと直ってないね。その性格・・
おおかた撮影が延びたとかそんなんでしょ?
まったく・・時間にルーズというか、なんというか・・」
「う・・・ご、ごめんなさい・・」
「はは!謝る相手が違うでしょ!あ、エレベーターきたよ」
「おう!じゃあ後でな!ちゃんと式にでてくれよ?」
「あたりまえじゃん♪ほら!あんたはとっとと行ってこい!!!」
エレベーターは上の階へと昇っていった
(あ~あ・・結局真中は振り向いてくれなかったかぁ・・
勝てなかったな~あの人には・・・しょうがないか・・
・・・おめでとう、真中・・)
(ぅお!!ヤバイって!もう時間ないじゃん!)
金の装飾がほどこされた立て札の扉を勢いよくあけた
そこに
「あ!もう・・遅いぞ!!」
かわいらしく・・
「心配したじゃんか!!」
とても綺麗で・・・
「ん?どうしたの?ボーっとして・・」
純白のドレスを纏った天使の姿があった
「綺麗だ・・・」
思ったことがそのまま出てしまった
「ええ!?そ、そんなことないよ!?」
「いや・・ほんとに綺麗だよ・・・」
「・・ありがと!」
「てか、早く着替えないと間に合わないよ?」
「ああ!そうだった!!」
「はやくはやく!!」
淳平は奥に着替え室にはいっていった
(まったく・・!こんな日ぐらい仕事休め!)
心の中で文句をいってると・・
――コンコン
ドアを叩く音が聞こえた
「はぁい」
「あ!東城さん!」
「こんにちわ、そしておめでとう」
「ありがとう!」
「ところで真中君は・・?」
「いまいそいで着替えてるとこなんだよね~・・
遅刻してくるからいけないんだけど!」
つかさは着替え室のほうを睨みながら言った
「そう・・」
「淳平君に用事でもあったの?」
「真中君にじゃなくて・・」
「・・わたし!?え?どうしたの!?」
「うん・・西野さんにどうしても伝えたくて・・・」
「・・・なにかな?」
「・・・」
綾はしばらく俯いていた
「・・あ、あのね・・・絶対に・・
絶対に幸せになってほしいの・・
もう真中君が悲しむ姿見たくないから・・・」
「東城さん・・・」
「わたしは西野さんにかなわなかった・・
だからせめて・・貴方たちの応援をさせて・・・お願い・・」
「・・ありがとう・・・絶対に幸せになる・・
わたしも淳平君の悲しむ姿見たくないし・・・
東城さん、応援してね!」
「うん・・!」
話の区切りがついたと同時に
着替えを終えた淳平がブツブツ言いながら出てきた
「やっぱ俺ってタキシード似合わね~な・・ん?
あれ?東城?どったの?」
「え?あ、西野さんに挨拶しにきただけだから!」
「そうそう、じゃ、東城さんまた式で会おうね♪」
「なぁ、なんの話してたの?」
「フフッ♪ひみつ!」
つかさは自分の口元に人差し指をたてた
「なんだかなぁ・・・」
「それよりさ、淳平くんってタキシード似合わないね・・」
「グハッ!直前にそんなこと言うなよ!!」
「だって淳平くん仕事が忙しくて試着もできなかったじゃん!!」
「・・すいません・・・」
「ほんとにもう・・」
つかさは怒ろうと思っていたがこれから始まることに
笑いがもれた
「ア、アハハ♪あ!そろそろ時間だね!」
「え、あ・・そうだ・・な・・・」
「ん?どうしたの?」
「いや・・ほんとに俺でいいのかなって・・・」
「いいにきまっ・・」
喋り終わる前に淳平がそれをとめた
「いいから聞いてほしい!・・俺なんか優柔不断だし、
念願の映画監督にもなれたけどまだまだ半人前・・・
こんな俺でいいのか!?
西野ならもっといい人がいたんじゃないのか!?」
「・・・なに言ってるの?私はそんな淳平くんを好きになったんだよ?
だからこうして今この場所にいるんじゃない・・・」
「西野・・・」
「ありがとう・・」
淳平はつかさの気持ちが再確認でき嬉しかった・・
つかさの意思でここまできた・・
「けど・・」
「え!?」
「その西野って呼び方やめてよね!」
「!は、はい!!」
「はぁ・・何度言っても直らないんだから・・・」
「アハハ・・・」
係員「失礼します」
「そろそろお時間です。準備の方はよろしいですか?」
「あ、大丈夫です」
「じゃあ・・いきますか♪」
「西・・じゃなかった・・・つかさ・・・」
改めて名前で呼ぶと微妙に恥ずかしかった
「いこう!」
「うん♪」
――――
―――
神父「暖かい拍手をお願いします」
賛美歌がその場所に流れている
一人の神父がオルガンの横に立っている
そこに続く道の周りにはみんながたっている
俺達の両親はもちろんのこと
外村や大草、東城・さつき、ほかに館長や日暮さん
ほかにも沢山の人達が祝ってくれてる
俺は神父の横で待っていた
つかさは自分のお父さんと並んで俺のところにきた
小声でつかさのお父さんは俺に言った
「わがままな娘だが一緒に頑張ってくれ・・・」
「はい・・・」
つかさのお父さんには色々反対されたっけな・・
まだ半人前の男に娘をやれるか!って・・・
・・ここまで来るのに随分と遠回りしたなぁ
神父「では、貴方達の意思を確認致します」
「お互い、眼をみて答えてください」
「「はい」」
「新郎、真中淳平」
「はい」
「あなたは健やかなときも病めるときも、また、苦しいときも
お互いに力をあわせていくことを誓いますか?」
淳平はつかさの眼を見つめた
小さくつかさはうなずいた
「はい、誓います」
「新婦、西野つかさ」
「はい」
「あなたは健やかなときも病めるときも、また、苦しいときも
お互いに力をあわせていくことを誓いますか?」
つかさも淳平の瞳を見つめた
淳平も小さくうなずいた
「はい、誓います」
「では、誓いのキスを」
淳平がつかさの頭についているベールをめくった
綺麗な目が淳平を見つめている
「・・幸せになろうな」
つかさは笑みを浮かべて答えた
瞳には涙がにじんでいる
「うん」
淳平とつかさの唇が重なった
綾(おめでとう・・真中君、西野さん)
さつき(二人ともお幸せに!)
神父「二人は正式に夫婦となりました
拍手で新しい旅立ちを祝福してください」
俺達は腕を組んで歩いた
みんなが祝福してくれた
―
――
外村「さて、俺達も外にでるか!」
さつき「あ!ブーケ投げが終わっちゃう!ほら東城さんも取りにいこ!!」
綾「うん!」
つかさ「みんなぁ~!投げるよ~!!」
つかさは後ろを向きながらブーケを投げた
みんなが空に上がったブーケを見ている
その時
「淳平くん♪」
「ん?」
ちゅっ
「大好き♪」
「ハハ、俺も大好きだよ・・つかさ」
お互い笑いながら再度キスをした
パシャ!
「パシャ?・・もしや・・・」
恐る恐る音が聞こえたほうに目をやった
そこには案の定・・外村がいた
「お・おまえ・・もしかして今の・・」
「撮らせていただきました♪」
「マジかよ・・」
「オオマジ!」
「はぁ・・」
「あははは♪」
数年後・・
机の上には二枚の写真があった
【2010年12月22日、結婚式】 撮影者 外村
・・
「だぁ!寝坊した!!」
「だからあれほど早く寝ろっていったろ?まったく・・」
「あわわ!いってきま~す!」
「あ!ちょっとまって!今日は早く帰ってくるんでしょ!?」
「もちろん!記念日だからな!」
「おいしいケーキ作って待ってるね♪」
「わかった!じゃ、いってきま~す!」
「・・さて!もう一人のお寝坊さんも起こしにいくか♪」
机のもう一枚の写真には淳平と・・・
赤ちゃんを抱いているつかさの姿があった
【2014年7月7日、病院にて】 撮影者 外村
「こら~~!おきろ~~!!」