骨の髄までしゃぶります
昨日羊料理を食べに行ったら、近くのテーブルに羊の丸焼きを注文した人たちがいました。羊の丸焼きをかなり大きいので、注文する人は珍しくそう頻繁にはありません。だから丸焼きがテーブルへ運ばれる時、運ぶ人は注目を引くために「羊様のお通り~」みたいな形で声をかけながら店内を歩きます。羊の丸焼きは、大きなプレートの上に羊がちょこんと座っているような形に仕上げてあります。首から頭にかけて針金で固定してあり、スフィンクスのように座った状態で出てきます。もう焼いていありますから、毛も無いし目も閉じています。でも羊であることは一目瞭然です。(羊料理屋さんだし)そんな姿を見てしまうと、その後の食べっぷりは変って来ます。出てきたお料理は全てとことん食べなきゃ、という気持ちになります。その羊の丸焼きが運ばれる様子を見ていて、例えば泣き出すとか怖がるとか、そんな様子の子供は一人もいません。幼稚園児くらいの子供が5人以上はまわりにいましたが「お~来た来た~♪」な反応はあっても「こわい~」とか「気持ち悪い~」とかいう反応はありません。小さい頃ミイラが大好きで、何度も博物館へ見に行ったことがあるプチーは、羊の顔がミイラにそっくりであったことを何度も繰り返していました。彼女にとってはまだまだ、やはりインパクトがあります。お肉系にはかなりもう慣れていますから少々のことでは驚きませんが、あの顔(本当にまさにミイラでした)はなんとも言えない気持ちになります。ただ驚くだけではなく、「食べ物は残さず食べなきゃ」とあらためて噛み締めるように言ってくれたことは嬉しく思っています。そうです。丸焼きでも、切り分けた後のお肉でも、同じ羊。もちろん羊でもニワトリでも同じこと。ちゃんと食べなくっちゃね。命をいただいているんだから。そしてサリーがいつも感心するのは、こちら現地の人達の食べっぷりです。羊にしてもトリにしても、丸焼きを注文するのに充分値する食べっぷりなのです。つま先から、脳ミソまで、全部食べます。骨の中身もつっついて出します。手づかみで小骨をうまく吐き出しながら、ガツガツ食べます。男も女も子供も同じです。こわ~い、とか、気持ち悪~い、とか、お行儀悪~い、とかそんなことを言う人はいません。見習いたいと思います☆