シュヴァンクマイエルヤン・シュヴェンクマイエル Jan Svankmajer「思いがけない性交」(1997) Jan Svankmajer(1934.9.4~) ヤン・シュヴァンクマイエルを知ったのは、映画『オテサーネク』でした。 チェコスロヴァキア、プラハ生まれの芸術家。 シュルレアリスト、アニメーション作家・映像作家、映画監督でもあります。 人形劇が好きだということも、惹かれる理由のひとつかもしれませんが、こちらで紹介されている初期~近年、どの作品も面白いものでした。 表現手段は多様に変化していき、ドローイング、フロッタージュ、コラージュ、錯覚主義のオブジェから人形など様々。 グロテスクだったりエロティックだったり、一種独特な作品群は、真新しいようで概知のようでもあり。 イタリアのアルチンボルドや、マックス・エルンストが模範となったことを隠しません。 メディウムドローイングという手法に興味がわきます。メディウムとは霊媒的という意味だそうで、とり憑かれた様に浮かんだイメージを描くことだそう。 描かれたものに、何気に親近感。 「アルチンボルド風の頭」(1975) エヴァと共同の絵画=オブジェ(1991) 「人形遣いはシャーマンのようなものである」とか、ディズニー批判とか、妙にしっくりときてしまう言葉が多くありました。 どこにそれほど惹かれるのか、シュヴァンクマイエル氏の存在は世間的にはいかなるものなのか。 今時なぜシュルレアリスト?という疑問は、芸大准教授の布施英利氏の論評が、目から鱗並みにわかりやすく教えてくれます。 「シュヴァンクマイエル作品はウンチ」 面白い表現です。生き物で一番古い歴史をもつのは、食べて排泄する、臓器である。ゆえに臓器の描写も多い。生き物の原点には宇宙があり、その宇宙を、観る者の体内に感じさせることができる人だ―――というのです。 この人の映画は観る価値がありそうだと、ひしと感じる一冊になっています。 映画 ヤン・シュワンクマイエル短編集 1965~1994 チェコ 『アリス』 1988 ファウスト 1994 『オテサーネク』 2000 『シュヴァンクマイエルのキメラ的世界』 2001 『ルナシー』 2005 ジャンル別一覧
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