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行きかふ人も又

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2007.05.30
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カテゴリ:アメリカ映画


  偏見や差別意識がごく普通に存在した50年代の、コネチカット州。
キャシー・ウィテカーは誰もが認める理想の主婦。一流企業に勤める夫フランクの貞淑な妻としても、良き母としても、地域社会から一目置かれていた。
だがある日、残業のフランクのもとへ夕食を届けに行った彼女は、そのオフィスで見てはならない夫の秘密を知ってしまう。以来、心の安定を欠いたキャシーを、新しくやってきた黒人の庭師レイモンドが気遣うようになり、2人は次第に打ち解けていくのだったが…。


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 観終わって血がざわめくいい映画でした。
こんなに良質の作品に出会えるのは、年に何本もありません。
この年、アカデミー作品賞を獲ったのは「シカゴ」。
スケールからいってもそれは当然かもしれないけれど、私はこちらのほうが好きです。
作品賞でなくとも、せめて主演女優賞は獲ってもおかしくない気がするのに・・・
それくらい絶賛したいジュリアン・ムーアの好演でした。
ヴェネチア国際映画祭では女優賞を受賞しています。


ヴィットリオ・デ・シーカの「ひまわり」に感動した時のよう。
現代版「ひまわり」のようなラストシーンには圧倒されるばかりで(オージュだったのかもしれません)、この作品にもぴったりはまりますね~
いい映画でした! 


ハッとするほど美しい自然の情景、色・いろ・色。
冒頭から一気にエルマー・バーンスタインのノスタルジックな音楽に引き込まれて、ラストまではあっという間でした。

良妻賢母で美しいキャシー。
彼女はそれだけじゃなく、優しさも美しい心も持っています。
しかし、順風満帆な人生の半ばにして突然、夫が同性愛者であることを目撃して知ってしまうのです。

ガタガタと崩れはじめる理想の生活。
病気を治したいと望む夫に、静かに治療の様子を見守り続けるキャシーは、何処にそんな力が?というくらいの、忍耐と寛容とでもって尽くします。
文句ひとつ言わず、夫を信じて、パーティの用意や友人との付き合い、家事も育児もすべてこなしてきたのに・・・・
抗うでもなく泣き叫ぶでもなく、目を開いて心を開いて、正面から素直に向かってきたのに・・・
運命は悲劇のほうへと転がってゆくのです。



far_from_heaven.jpg  david_ph.jpg

キャシーと夫のフランク 仲睦まじく見えたのだが・・・              黒人の庭師・レイモンド 



そんな彼女の良き理解者となるのが、黒人の庭師レイモンドでした。
まだ偏見のある時代に、互いに心を開いて語り合うようになる二人に唯一の希望を見る・・・

緑の小道で散歩したり、黒人の店でダンスしたり、絵画を観たり。
さりげない素敵な場面がいっぱいです。
幸福な明るさから、超ド級の悪夢(夫が同性愛者だったこと)へ、美しい自然の中へ。
物語は滑るように流れていくけど、最後まで主人公が素晴らしい女性であることだけは変わりません。



ブルジョアな暮らしを当たり前のようにしてきて、どちらかといえば依存してたキャシーが、ひとりの黒人男性と知り合って、悲しい出来事、夫との離婚を経て、もっと素敵に生まれ変わってゆく物語。
精神的に自立していくのを見つめながら、本当に応援したい思いでいっぱいになります。
レイモンドとの未来は、ご覧になってからのお楽しみですね~
ひとつひとつのエピソードも、短尺ながら丁寧に描かれています。

情感たっぷりで、切なさはさりげなくて、音楽も素晴らしい―――
完全ノックアウト、こういう映画大好きです。




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監督・脚本  トッド・ヘインズ
製作  ジョディ・パットン 、クリスティーン・ヴェイコン
音楽  エルマー・バーンスタイン
出演  ジュリアン・ムーア 、デニス・クエイド
     デニス・ヘイスバート 、パトリシア・クラークソン

 (カラー/107分)








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Last updated  2007.06.06 07:47:53
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