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2008.03.15
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カテゴリ:日本映画

 父性の強い、男気溢れる名作が多い黒澤監督。そんな巨匠にも、初期の頃には、女性を描いた作品が数本あるようです。
本作が黒澤映画で一番だ、という方がいるのは、父性・母性の好みがそれぞれにあるからだとしたら、興味深くて面白いですね~。

 第二次世界大戦最中、学徒動員により勤労奉仕に従事する女子挺身隊の姿を描いたヒューマン・ドラマ。

撮影も戦時中に行われています。
たとえばこれを溝口健二が撮ったら、もっと好きだったかもしれない・・・そんなことを思いました。
それは監督ニ作品目で、黒澤節がまだみられないからではなく、女性たちが期待ほど魅力的でなかったからかもしれません。

生産目標達成を目指して、必死に作業を続ける女学生たち。実家を離れて共同生活をしながら、休みなく作業に没頭しています。
しかし、徐々に疲労困憊していくなかで、ミスが増え、体を壊す仲間も出始めるのです。団結は次第に緩んでいき、目標は遠のいていくのですが・・・。
苦労のなかに希望を見出していく、清々しい女性たちの頑張りが胸を打つ小品です。

06801_0617.jpg 89.jpg


物語の中心となるのは二人の女性。女子工員たちを支える母親代わりの頼れる寮母(入江)と、女子組長として、ひとり奮闘する渡辺ツル(矢口)。
寮母の優しく頼りがいのある人となりが素晴らしい。そして、ひたむきなツルは、強い意志を持った凛とした美しさがありました。
翌年、ツル役の矢口陽子は、黒澤監督と結婚しています。

戦時中に撮影されたこともあって、ひたすらに国に尽くす姿は、今でこそなにか疑問を呈しているようにも感じました。
ムリをしてムリをして、それでも皆と共に国のために働きたいと願う女たち。
余暇のバレーボールや、鼓笛隊練習で見せる生き生きとした女性らしい面々に、つかの間の開放を見ます。
こんなふうに、身を粉にして働いていた時代があったのでしょう。
それがどんなに昔でも、身につまされる思いがするものです。


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  監督・脚本  黒澤明
  製作  宇佐美仁
  撮影  小原譲治
  音楽  鈴木静一
  出演  志村喬  清川荘司  菅井一郎  入江たか子  矢口陽子  谷間小百合

  (モノクロ/85分)







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Last updated  2008.03.16 16:49:21
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