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2008.04.16
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 『ルナシー』に続くヤン・シュヴァンクマイエル監督作品。
アニメと実写を組み合わせ、チェコの民話オテサーネクを映画化した異色のダーク・ファンタジー。


 子供のできない妻を慰めるため、ホラーク(ハルトゥル)は木の切り株で赤ん坊を作る。妻(ジルコヴァ)はたいそう喜んで、人形を育てはじめた。やがて生命を持ったオテークはみるみる大きくなり、いろいろなものを食べ尽くしていく・・・・。
一家の向かいに住んでいる読書好きの少女アルジュビェトカ(アダムコヴァ)だけは、その異変に気づくのだった。



『ルナシー』の5年前といえども、まだ不器用さがあり、それでいてかなりのインパクトでした。ともすると、安っぽいホラーに成り下がってしまいそうな、ギリギリのところ。
シュヴァンクマイエル作品を観ようという人は限られているはずなので、ファンにはウケが良く、世界観は好まれて高評価となるのでしょう。

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アニメーションとコマ撮りと実写を合わせた異色作。チェコに伝わる民謡が下敷きとなっています。
昔噺は「怖く、真理があり、現代社会に大切なことを教えてくれる――」と書いていたのは河合隼雄さん。真理はともかく、昔噺の魅力はしっかり伝わる、怖ろしくて可笑しなお話でした。絵本は子どもの読み物だとばかにすることなかれ、です。

ホラーク夫妻に、子どもができたと知ったアルジュビェトカは不信感でいっぱい。今まで子宝に恵まれなかった奥さんの不自然な妊娠、ついで早産で生まれた赤ん坊オテークは、なんだか様子がおかしいのです。
一向に人前に姿を現さない赤ちゃんと、毎日山のように食料を買い込む奥さん。どうしても絵本『オテサーネク』と重なるのでした。
その内容とは、子どものいない夫婦は切株で作った赤ちゃんを育てました。オテサーネクはいろんなものを食べつくし、しまいには夫婦まで食べられてしまいました。というもの。

実際に隣家で起こっていることは、まさに絵本のとおり。
気の狂いかけた妻が、気休めの切り株人形を本物の赤ん坊として育て始めるのです。命を吹き込まれた切り株はぐんぐん成長していきます。
溺愛する彼女の狂気はエスカレートし、切り株オテークの成長もエスカレートし、ついには飼い猫も郵便配達人も、み~んな食べつくしていくのでした・・・・。


食べる行為の不快な描写と、御伽噺という子供向けと思われている媒体であるからこその不気味さが相まって、不思議な魅力を放っています。
それでもB級ホラーに限りなく近く、独自の哲学や深みがなかったのは残念。(あったけど、気づかなかったのかも)
『ルナシー』の見応えには及びませんでしたが面白かった!
わざと観客を不快にさせる作品も、キライではないです。


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監督・原案・脚本  ヤン・シュヴァンクマイエル
撮影  ユライ・ガルヴァーネク
出演  ヴェロニカ・ジルコヴァ  ヤン・ハルトゥル  ヤロスラヴァ・クレチュメロヴァ
 パヴェル・ノーヴィ  クリスティーナ・アダムコヴァ  ダグマル・ストリブルナ

(カラー/132分/チェコ=イギリス合作/OTESANEK)











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Last updated  2009.04.29 00:32:36
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