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Okum

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Sep 14, 2008
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カテゴリ:Exhibition Info
9月4日
夕方六時くらい(だったかな)の飛行機で、成田から釜山へ。離陸前に、青山|目黒の青山さんと飛行機の中でばったり。田中功起くんも釜山ビエンナーレの僕と同じセクションに出すんだけど、彼は光州ビエンナーレにも出てて、そっちに行ってるので、青山さんが展示作業をやるってことみたいだった。席は離れていたけど、「釜山に着いてもひとりじゃない」と思うと安心した。

9時前に釜山に到着し、リムジンバスでホテルへ。今回三泊するホテルは、超豪華リゾートホテルだった。どうも、ビエンナーレのために格安で提供されたらしい(三泊分は主催者持ち)。朝ご飯も美味しいし、眺めもいいし、行かなかったけどプールやジムもあるし、ヴァケーション気分に。が、何はともあれ、夜中の12時過ぎに展示会場に青山さんと行ってみる。お互いに自分のところでいろいろセットアップ。僕はふたつコンテナを使ってて、映像をプロエジェクトする方の中身は黒く塗られ、立体を置く方の中身は白く塗られることになっていた。どうやらちゃんとそのようになっているようで一安心。持参した立体を台の上に取り付け、ひとまずこの夜の作業は終了。

その後青山さんとホテルの近くでおいしい韓国料理(なんつうか甘い味のついた豚肉(だったか牛肉だったか)の切り身をサンチュみたいな葉っぱに巻いて食べる定食。おいしかった)。そして少しビールを飲み、話して、就寝。

ホテル近くのビーチ。釜山は熱海みたいでした。
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9月5日
朝から会場へ。昨晩は気づかなかったいろいろなアラが目に入って来る。ホワイトコンテナの方の照明が暗いとか、ダークコンテナの方のスクリーンの上下も黒く塗りたいとか、入り口にカーテンを付けたいとか。基本的には4日中に展示作業が終わってるはずだったとのことで、誰も手伝ってくれず、自分でペンキを塗る。その後、照明やカーテンは夜遅く付けてくれたようだ。昼は、これまた参加作家のさわひらきくんと宮永愛子さんたちと近くの韓国料理屋で食事。さわくん、はじめて会ったけど超いい人やん。僕のプロジェクションの色調整もしてくれた。いい声してるし。年齢も近いし、またどこかで会えるといいなと思う。この日昼過ぎに田中くんも光州から到着。

書き忘れたけど、今回の会場は、MeWorldという遊園地。というか、デパートの屋上の遊園地をちょっと広くしたような感じだけど。でも観覧車もあるし。メイン会場はこの遊園地内にあるビルの二階と三階で、ふだんは結婚式場(?)かなんかのところに壁を建てて、主に映像作品を展示してる。田中くんやさわくんはこっち。で、僕のコンテナはと言えば、このビルの横にある丘の上。なんか、ビエンナーレっぽいっちゃぽい雰囲気。

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僕が出したのは、A Day in the Life of Spitting - the way I kill 'em (Fukuoka - Busan)という映像作品と、Untitledという(いいタイトルが浮かばなかった)立体作品。前者は、ブリスベンやニューヨークでもいぜん作ったものだけど、今回は福岡から釜山までフェリーでやってきて、釜山の街を巡り、最後に展覧会場の丘の上で終わる(八月頭に撮影した。超暑かった)。その過程で僕がやってるのは、ただただツバをペットボトルにためるという行為(人間は一日に何リットルもツバを生成してるんだけど、そのほとんどを無意識に飲み込んでるらしい。僕はそれをできるだけ飲み込まずにペットボトルに吐き出したってこと)。最後にたまったツバを携帯コンロとフライパンを使って焼く。ブクブクと泡立つツバから、その99%を構成する水が水蒸気として立ち上り、残りの1%の有機/無機成分が黒こげになって残る。この黒こげになったものを樹脂で固めたのが、今回出した立体作品。


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僕の作品のほかにもいくつかコンテナがあるんだけど、なかでも、タイのキュレーターArk Fongsmutさんのプロジェクトが気になった。彼の企画による、東南アジアの作家四人くらいのグループ展で、リクリット・ティラバーニャによる「No Beef No Crying Tiger」と書かれたTシャツなどを展示。僕も一枚もらう。この「crying tiger」というのは、どうやら牛肉から滴り落ちる肉汁のことらしい。あー、タイの人たちとの会話はなごむ(Arkさんは僕の作品がチョーキモいといって地団駄踏んでたけど)。タイ、行きたいなあ。政情不安っぽいけど、人々の暮らしは普通らしい。

この日は、ホテルの屋上で参加作家とスタッフによるディナー。いろいろな人と話す。あー、タイの人たちとの会話はなごむ。適度に酔っぱらったあと、またまた青山さんと田中くんの部屋でちょっと飲む。韓国のお酒がうまい。


9月6日
この日が正式なオープニング。なのだが、オープニングレセプションの会場は釜山美術館(こちらでメインの「contemporary art exhibition」が開催)で、僕らのSea Art Festivalには午前中にプレスが来るのみ。しかもコンテナ群は完全に無視され、まあある程度予想してたけど、ヘコむ。その後、田中くんとオープニング前の釜山美術館に行き、展覧会を鑑賞。見るまで気づかなかったけど、どうやら、「身体」(生存の基盤としての、権力との闘争主体としての、誰もが引き受けざるを得ない矛盾としての...)が裏テーマらしい。直球のグロ系の作品がこれでもかと列び、かなり食傷気味になる。僕の出品作品も身体をモロに扱ってるから、こちらの会場に含まれても違和感ないかもしれないけど、身体との距離感がまったく違う気がする。彼らの作品の多くは、身体をアイデンティティの即物的な在処として、あるいは精神が宿る特権的なマテリアルとして扱っていて、要は、自分と自分の身体とがべったり癒着しているように思う。でも僕の場合、完全に「自分」とは別の他者として自分の身体(の部品)に接してる(というか出会い直す)っていうか。ま、こんなに単純化するのも何だけど。この距離感をわかってくれないと、今回の僕の作品はキツいなー。それこそ「キモい」で終わってしまう。

話は戻って、美術館ではひねりのない身体系作品ばかりでオエーだったけど、その中で日本人の作家たちは一服の清涼剤だった。ほかの国の作家と比べて、やはり身体に対して冷徹な疑いの視線というか距離感、あるいは度を超したクレイジーさがあるというか。前者はたとえば加藤豪さん、後者はたとえば西尾さんか。森村さんはこの両方を兼ね備えていて、あんまり好きではないとはいえ、やはりパワフルだったと思う。あとは、徳富さんの未完成の絵画たち、去年Rijksのオープンアトリエで見たときから勝手に注目してるGuido van der Werveの"everything's going to be alright"が良かった。

オープニングの儀式(?)自体は外の特設(?)ステージで。雨の中、合羽を支給されたので行ってみたけど、なにやら壇上で歌が始まっており、その後も出し物が目白押しらしく、途中でつらくなって退散。高校生の集団(?)とかもなぜか駆り出されており、すごい数の観客がいたんだけど、なぜに雨の中わざわざ外で歌を聞かねばならないのだろう。韓国式で面白いけど。

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その後、美術館の地下ではTerence Kohのパフォーマンスも。なかなか始まらず、スタッフの若い男の子に聞いたら、つたない日本語で「ふたりのコーコーセイ。あそこから、ここ、来る」みたいに言われ、謎が謎を呼んだんだけど、たしかに彼の言ったどおりで、ブリーフ一丁で思春期的な身体をさらした二人の高校生(中学生か?)がゆらりゆらりと一階から地下の庭に下りてきて、そこにあるKohの彫刻にそれぞれひとかじりして去るというものだった。この彫刻というかモニュメントというかは、どうやら砂糖とか食べられる素材で出来てるらしい。Kohの名前は最近よく聞くので、どんなもんなんだろうと思ってたんだけど、パフォーマンスの後、その場にいた誰もがモニュメントに近づいて歯形を確認したりどんな素材で出来ているのか興味津々に見つめたりしていて(もちろん僕も。そういう抗せない衝動がわき起こる)、一階かじるという単純な行為だけでこれだけ人々を引き込んでしまう手つきはなんだかすごいのかも、と思ってしまった。

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その後、ホテルに戻ってパーティ。美術館組とMeWorld組は引き裂かれてしまったが、またまたいろんな人(ニュージーランドとかカザフスタンとかオランダとか、そしてもちろん韓国とかの作家さんたち)と話して楽しいひとときを過ごす。その後、田中くんと三時くらいまで話し込む。なんとか吐かない程度に飲む分量をコントロールできていたとはいえ、酔っぱらってたので、あんまり覚えてないけど…。

つづく。





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Last updated  Sep 15, 2008 12:58:07 AM
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