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テーマ:甚大災害に思う(71)
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おそらく、最初に車から降りたときから気がついていたのだろう。
いや、あまりのビジュアルにそこまで神経が回らなかったのかも知れない。 しばらくして我々は鼻をつく臭いが気になっていた。 ヘドロのような、塩が饐えたような腐敗臭。 それは、駅を越えて海のそばの市街地を回って理解ができた。 海から押し寄せた津波は、家々を破壊して瓦礫という武器となり加速度を増して 更に家々を潰していったのだと想像できた。 見慣れたはずの商店街も、基準となる建物が所定の位置から大きくずれているために 地理の感覚がなくなる。アーケードに残された文字が唯一の基準となる。 津波はその高さや一時的な水量ではなく、まるで水位そのものが上がったような 大きな水量変化と勢いが数十トンの力となって継続的に押し寄せる。 故に、工場の壁を突破して家を基礎の部分から根こそぎ破壊する。 あまりに凄惨な町の状況は、車を徐行させながら見入る我々から再び言葉を奪った。 すると、運転していたオジキが、、「あ!及川先生だ!」と呟いた。 前方から、頭にタオルを巻いてマスク、手に荷物を持った及川先生が歩いてきた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年03月30日 19時40分23秒
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