ブロッコリ

「ブロッコリ　電子レンジを使っても栄養は大丈夫？」

電子レンジで調理した場合、栄養素の損失はどうなるか？

ビタミンCの残存を計測すると、107%という結果が出ました。これは、ブロッコリに含まれていた水分が加熱によって抜けたため、全体に占めるビタミンCの割合が増えたからです（ビタミンCが増加したのではありません）。計測を繰り返して得られた平均的なビタミンCの残存は97%でした。

一般的に、電子レンジ調理は野菜などの栄養素の損失が少ない調理方法で、ブロッコリの場合にも同様のことがいえます。

電子レンジで調理したブロッコリの味は？

食べ比べ実験では、以前にお薦めの調理方法として紹介した「蒸し煮」と、今回のテーマである「電子レンジ加熱」のブロッコリをそれぞれ食べ比べてもらいました。

結果は、電子レンジ加熱のほうが不人気でした。食べ比べに参加した人の意見では、レンジのほうは「固い」「乾いた感じ」だといいます。レンジ加熱の場合、水分が多く抜け出ます。

電子レンジの加熱でブロッコリをおいしく食べる方法

不人気だったレンジのブロッコリ、その理由として考えられるのは、電子レンジの加熱特性です。電子レンジでは、マイクロ波が食材の水分を振動させ、その摩擦熱で加熱するので、食材の中心のほうから高熱になります。そのため、他の調理法に比べると、食材の水分が外に抜けやすいのです。

さらに、ブロッコリの場合、中の水分は切り分けたところの切り口だけでなく、つぼみの気孔からも大量に抜け出ます。植物には、気孔から水分を蒸発させることで、根から水分をくみ上げるという性質があるからです。

ということは、切り分けずにまるごと1個を加熱すれば、気孔から水分が蒸発しても、根本の太い茎の部分から水分が供給されるため、食べる部分の水分がひどく減ることはありません。太い茎が水タンクの役割を果たすからです。これが今回お薦めする、電子レンジで加熱してブロッコリを最大限美味しく食べる方法です。

丸ごと1個を皿に置き、水を大さじ3杯ぐらい補ってラップフィルムで覆います。500～600Wの電子レンジなら、4～5分の加熱が美味しく食べられる目安です。