お母さんの請求書
小学校の道徳教育の教材としてよく用いれられてきた話から
グルエンベルク作の「お母さんの請求書」
10歳向けのお話
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ある日曜日の朝のことです。
ブラッドレーは、朝食のテーブルに着くと、お母さんのおさらの上に、
ていねいにまいた一まいの紙をおきました。
お母さんは、まいた紙を手にすると、するすると開きました。その紙
には、次のように書いてありました。
せいきゅう書
お使いちん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50セント
パーティのときのるす番ちん・・・・・・・・50セント
庭のはきちん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50セント
弟のおもりちん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50セント
合計 2ドル
お母さんは、にっこりとわらいましたが、何も言いませんでした。
そして、お昼の時間がきたとき、ブラッドレーのすわっているテー
ブルの上に、2ドルをおいたのです。
ブラッドレーは、そのお金を見て、大よろこびです。けれども、
そのお金といっしょに、もう一つ、小さい紙がたたんでありました。
それには次のように書かれていました。
お母さんのせいきゅう書
病気になったときのかん病代・・・・・・・0セント
シャツやくつ下のせんたく代・・・・・・・・0セント
毎日の食事代・へやのそうじ代・・・・・0セント
生まれてから今日までのおせわ代・・0セント
ブラッドレーの眼には、なみだがいっぱいあふれました。そして、
お母さんにかけよると、もらった2ドルをわたして、
「お母さん、ごめんね・・・・・・」
と言いました。