4 あきらめ半分、リハビリ開始2010年9月24日 asahi.comより抜粋 運動器 慢性腰痛:4 あきらめ半分、リハビリ開始 2007年9月、腰痛に苦しむ埼玉県坂戸市の臼井康弘さん(45)は埼玉医科大病院整形外科の白土修医師(現・福島県立会津総合病院院長補佐)の診察を受けた。手術を受けるつもりだったが、おなかを切って腸をよけるという説明を聞くうち、怖くなった 実は白土さんも、「手術は最後の手段だ」と考えていた。「まずはリハビリという手もあります」。そう提案した。臼井さんのような慢性腰痛に運動療法がどれくらい効果があるか。白土さんは、そのことを調べる研究グループの中心メンバーでもあった。 「どうせだめさ」 臼井さんはリハビリを了承しつつ、心の中は冷めていた。それまで腹筋運動も、柔軟体操も自分でやってきた。でも、すぐに効果は消えてしまった。今回も同じだろう。 白土さんの処方で、病院リハビリテーション科の理学療法士(PT)、浦川宰(うらかわつかさ)さん(41)が外来リハビリを担当した。19人いる科のPTは呼吸器や小児など四つの班に分かれ、浦川さんは整形班の班長だった。 10月の初回、浦川さんは横になった臼井さんの脚を持ち上げて曲げたり、少し腰をねじって脚を伸ばしてもらったりして、骨盤周辺の筋肉の様子を調べた。 腰痛は骨盤の向きとも関係する。前屈運動をしていた臼井さんは、ももの後ろ側の筋肉が軟らかい一方、前側や斜め横の場所では硬く、骨盤が前に傾いていた。おなかが前に出て、胸が後ろに引けたような格好だ。 腰の痛みを避けようとして、いつの間にか不自然な姿勢になったようだ。椎間板(ついかんばん)や筋肉によけいな負荷がかかり、これも痛みにつながっている可能性が考えられた。腹筋や背筋に力が入りにくくなってもいた。 浦川さんはまず下半身の筋肉のストレッチを指導した。片足だけ正座のようにしてひざを曲げ、上体を後ろに倒したり、仰向けになって両手でひざを抱え、手前に引き寄せたり。 腹筋や背筋の力は、脊椎(せきつい)にかかる負荷を分散して腰痛を抑えるといわれる。横になって上体を少しだけ浮かせ、5秒ほど静止する腹筋と背筋の運動を、無理のない範囲でしてもらうようにした。 3カ月続けてみよう。だめなら手術だ。臼井さんは期待とあきらめが混ざったような気持ちで、週に1回病院に通った。初めのうちは、良くも悪くもならなかった。 ===抜粋終わり=== 戻る 次へ ジャンル別一覧
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