|
|
|
|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
│<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く |
埃をかぶったレコードがやわらかな音を響かせる。
その歌は、あまりにも切なかった。もし、もっと早くこの歌に出会えていれば。間違った道を選ぶ事は・・・無かったかも、しれない。 突如、室内に電話の音が響いた。深夜に何事かと、慌てて受話器を取る。 相手は、広瀬博士だった。 「臭いですの」 「仕方ねえだろ・・・此処しか入り込める隙が無いんだよ」 カビの臭いが充満する通気口を進む2匹。 「この通気口は長い間使われていないんだ、工事の時に不備があったらしくてな。ほれ、そこ穴開いてるぞ」 「・・・そういう事は、もう少し早く言うですの」 前足で穴に落ちた体を支えるかのんを、しゃむは引っ張り上げる。これくらいの事では、もう驚きもしない。2匹とも、覚悟を決めていた。 「暗いですの」 「そりゃ、今ここに居るのは猫だけだからな・・・必要最低限の光しか要らないんだ」 「猫でも暗いですの」 「確かに・・・目が慣れるまで少し時間がかかりそうだ」 さすがのしゃむでも、前が見えないんじゃ前に進めない。しばらくその場に立ち止まる事にした。 「いいか、今俺達は2階の角に居る。まずは警備の薄い外側の通路を通って1階に下りるぞ」 「了解ですの」 「途中で1箇所・・・監視カメラがある。暗視カメラってやつでな、そいつに見つかれば俺達は丸見えだ」 「・・・結局危ない所通るしかないなら最初からそう言うですの」 溜息混じりに呟くかのん。 「そう言うな、ちゃんと対処法はある。カメラってのは天井についてんだ、その真下を通れば見えやしない」 「真下、ですの?」 「ああ。壁際だ。カメラは左右に動くから、タイミングを見て駆け抜けてしまえば楽勝だ」 「了解ですの!」 「うし、行くか。俺が前歩くからはぐれないように尻尾噛んでな・・・っててててて」 「ふにゃ?」 「ちょ、待て、強すぎだって!」 地下。本来其処を守るはずの看守は、こんな時に限って居眠りしていた。 「・・・おいおい、警備隊長の前で居眠りかよ・・・」 ドーベルマンと呼ばれる種族の犬が、床に同化しようとしている。 黒猫は、それをしばらく眺めて立ち去った。 奥へ奥へ。どこまでも深く暗闇の中へ。 暗闇に紛れて進む、黒猫がふと呟いた。 「俺の予想が正しければ・・・あの手を使えばちびは、意識を取り戻すかもしれないが・・・ 俺、死ぬかもしれないな」 [にゃんこぱらだいす2]カテゴリの最新記事│<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||