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猫的日常覇天録  ~このページは「お肉学園」との共有でお送りしております~

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2006.07.24 楽天プロフィール Add to Google XML

第40話 監視
[ にゃんこぱらだいす2 ]    

埃をかぶったレコードがやわらかな音を響かせる。

その歌は、あまりにも切なかった。もし、もっと早くこの歌に出会えていれば。間違った道を選ぶ事は・・・無かったかも、しれない。

突如、室内に電話の音が響いた。深夜に何事かと、慌てて受話器を取る。
相手は、広瀬博士だった。


「臭いですの」
「仕方ねえだろ・・・此処しか入り込める隙が無いんだよ」
カビの臭いが充満する通気口を進む2匹。
「この通気口は長い間使われていないんだ、工事の時に不備があったらしくてな。ほれ、そこ穴開いてるぞ」
「・・・そういう事は、もう少し早く言うですの」
前足で穴に落ちた体を支えるかのんを、しゃむは引っ張り上げる。これくらいの事では、もう驚きもしない。2匹とも、覚悟を決めていた。

「暗いですの」
「そりゃ、今ここに居るのは猫だけだからな・・・必要最低限の光しか要らないんだ」
「猫でも暗いですの」
「確かに・・・目が慣れるまで少し時間がかかりそうだ」
さすがのしゃむでも、前が見えないんじゃ前に進めない。しばらくその場に立ち止まる事にした。
「いいか、今俺達は2階の角に居る。まずは警備の薄い外側の通路を通って1階に下りるぞ」
「了解ですの」
「途中で1箇所・・・監視カメラがある。暗視カメラってやつでな、そいつに見つかれば俺達は丸見えだ」
「・・・結局危ない所通るしかないなら最初からそう言うですの」
溜息混じりに呟くかのん。
「そう言うな、ちゃんと対処法はある。カメラってのは天井についてんだ、その真下を通れば見えやしない」
「真下、ですの?」
「ああ。壁際だ。カメラは左右に動くから、タイミングを見て駆け抜けてしまえば楽勝だ」
「了解ですの!」
「うし、行くか。俺が前歩くからはぐれないように尻尾噛んでな・・・っててててて」
「ふにゃ?」
「ちょ、待て、強すぎだって!」


地下。本来其処を守るはずの看守は、こんな時に限って居眠りしていた。
「・・・おいおい、警備隊長の前で居眠りかよ・・・」
ドーベルマンと呼ばれる種族の犬が、床に同化しようとしている。
黒猫は、それをしばらく眺めて立ち去った。

奥へ奥へ。どこまでも深く暗闇の中へ。

暗闇に紛れて進む、黒猫がふと呟いた。

「俺の予想が正しければ・・・あの手を使えばちびは、意識を取り戻すかもしれないが・・・
俺、死ぬかもしれないな」


Last updated  2006.07.28 04:12:57
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