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猫的日常覇天録  ~このページは「お肉学園」との共有でお送りしております~

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2006.08.16 楽天プロフィール Add to Google XML

第43話 疾走
[ にゃんこぱらだいす2 ]    

「しゃむ・・・何かこっちに近づいてきてないですの?」
「・・・そんな気もするな」

2匹の予測通り、何故か機械は柱の方へ迫っている。姿が見えていないのは間違いないのだが。
「何だ、どうなってるんだ・・・?」
考えるしゃむ。迫る機械。これといってする事が無いので尻尾をぱたぱたさせるかのん。

「・・・!かのん、それだ!」
「へ?」
「影だ・・・あいつ、影に反応してるんだ!」

2匹の居る場所は、ちょうど月灯りに照らされる位置にある。
月灯りは2匹を照らし、大きな影を作り出す。
影に映された2匹の影を、機械ははっきりと捉えているようだ。

「・・・まずいな」
「どうするですの?」
「ここを通過できれば地下へ進む部屋はすぐそこなんだが・・・」
「飛び越えるですの」
「早々上手くいくものか?」
「他にどうにかする手段でもあるですの?」

タイヤの音が近づいてくる。仕方ない、と言いたそうな顔でしゃむは剛脚を発動させる。
「動くなよ・・・本気で飛ぶぞ」
「そっちこそ、振り落とすんじゃないですの」

柱の後ろから廊下に飛び出し、少し助走をつけて大きく跳ねる。
センサーはその姿をはっきりと見ていた。何かが己の頭上を飛び越える姿を。

「よし、抜けた!」
「このまま地下に向かうですの!」

機械がけたたましいサイレン音を響かせ始めた。侵入者を発見した事を知らせる爆音。
その音に呼応して、先程の片割れが猛スピードで近づいてくる。
「・・・気付かれたですの!?」
「気にするな、このまま抜ける!」

2匹は走った。とにかく全力で走った。
気が付けば、地下2階まで来ていた。無我夢中でここまで来てしまった為か、一気に体温が上がってしまった。

「とにかく、振り切ったな・・・」
「ここ、何処ですの・・・?」
「見たところ・・・地下2階だな。この先は俺も知らない世界だ。何が出てくるか分かったもんじゃねえ」
「そういうのは、気にするだけ無駄ですの」
「・・・それもそうだな」

程なく、牢獄が見えてくる。いつも通気口から侵入していたしゃむにとって、正規の道筋は初めて通過する事になる。
通気口から来た方が、良かったのかもしれない。しゃむは、すぐにそう感じた。

「出してくれ・・・」
「此処から出してくれ・・・」

牢の中から叫びが響く。肉体の変化が進んでいない者達の叫びだ。ある程度進んでしまえば、まともに言葉を発する事も出来なくなってしまう。あの時のちびのように。

「・・・もう少しだ・・・もう少しで、辿り着くんだ・・・!」
自分自身にそう言い聞かせ、とにかくしゃむは進んだ。
牢を通過する度に酷い姿へと変わっていく生物達を見て、かのんは周りを見ることが出来なくなった。

「・・・此処だな。奥から3番目の牢」
不意にしゃむが足を止めた。牢は、開いていた。
恐らくダークが侵入した時に開けたままなのだろう。左隅の床が取り外され、下へ続く穴が見える。

「ダーク・・・ちび・・・待ってろよ・・・俺達も、すぐに追いつく」
2匹は、闇の中へ飛び込んだ。


Last updated  2006.08.19 06:37:38
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