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「しゃむ・・・何かこっちに近づいてきてないですの?」
「・・・そんな気もするな」 2匹の予測通り、何故か機械は柱の方へ迫っている。姿が見えていないのは間違いないのだが。 「何だ、どうなってるんだ・・・?」 考えるしゃむ。迫る機械。これといってする事が無いので尻尾をぱたぱたさせるかのん。 「・・・!かのん、それだ!」 「へ?」 「影だ・・・あいつ、影に反応してるんだ!」 2匹の居る場所は、ちょうど月灯りに照らされる位置にある。 月灯りは2匹を照らし、大きな影を作り出す。 影に映された2匹の影を、機械ははっきりと捉えているようだ。 「・・・まずいな」 「どうするですの?」 「ここを通過できれば地下へ進む部屋はすぐそこなんだが・・・」 「飛び越えるですの」 「早々上手くいくものか?」 「他にどうにかする手段でもあるですの?」 タイヤの音が近づいてくる。仕方ない、と言いたそうな顔でしゃむは剛脚を発動させる。 「動くなよ・・・本気で飛ぶぞ」 「そっちこそ、振り落とすんじゃないですの」 柱の後ろから廊下に飛び出し、少し助走をつけて大きく跳ねる。 センサーはその姿をはっきりと見ていた。何かが己の頭上を飛び越える姿を。 「よし、抜けた!」 「このまま地下に向かうですの!」 機械がけたたましいサイレン音を響かせ始めた。侵入者を発見した事を知らせる爆音。 その音に呼応して、先程の片割れが猛スピードで近づいてくる。 「・・・気付かれたですの!?」 「気にするな、このまま抜ける!」 2匹は走った。とにかく全力で走った。 気が付けば、地下2階まで来ていた。無我夢中でここまで来てしまった為か、一気に体温が上がってしまった。 「とにかく、振り切ったな・・・」 「ここ、何処ですの・・・?」 「見たところ・・・地下2階だな。この先は俺も知らない世界だ。何が出てくるか分かったもんじゃねえ」 「そういうのは、気にするだけ無駄ですの」 「・・・それもそうだな」 程なく、牢獄が見えてくる。いつも通気口から侵入していたしゃむにとって、正規の道筋は初めて通過する事になる。 通気口から来た方が、良かったのかもしれない。しゃむは、すぐにそう感じた。 「出してくれ・・・」 「此処から出してくれ・・・」 牢の中から叫びが響く。肉体の変化が進んでいない者達の叫びだ。ある程度進んでしまえば、まともに言葉を発する事も出来なくなってしまう。あの時のちびのように。 「・・・もう少しだ・・・もう少しで、辿り着くんだ・・・!」 自分自身にそう言い聞かせ、とにかくしゃむは進んだ。 牢を通過する度に酷い姿へと変わっていく生物達を見て、かのんは周りを見ることが出来なくなった。 「・・・此処だな。奥から3番目の牢」 不意にしゃむが足を止めた。牢は、開いていた。 恐らくダークが侵入した時に開けたままなのだろう。左隅の床が取り外され、下へ続く穴が見える。 「ダーク・・・ちび・・・待ってろよ・・・俺達も、すぐに追いつく」 2匹は、闇の中へ飛び込んだ。 [にゃんこぱらだいす2]カテゴリの最新記事│<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
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