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海外学力検定試験委員のニコラス・クインが、死体で発見された。 自宅にて。死後数日経過。毒殺とみられる。被害者は補聴器をつけていた・・・ オックスフォードが舞台の、テムズ・バレイ警察、モース警部のシリーズ第三弾。 イギリスではドラマ化もされ、大人気なのだとか。 このシリーズは、よくわからないといえばよくわからない。 なんだかモヤモヤしている。キチッ、キチッと道標が無く、スピード感も期待出来ない。 (よって、後から内容をまとめるのも大変。なので無理をするのはやめておく) でも不思議なもので、そこが魅力であったりする。 モースは、いろいろな可能性をあたり、ひとつずつ潰していく。 振り回されて、モースとともに私はどこへ行ってしまうのか?なんて自問したくなる。 妄想?試行錯誤。その過程が面白い。他にはあまりないタイプのミステリ。 局長のバートレット、局長代理のオグルビー。 特にこの二人がいい味を出している。ミステリアスな曲者。 極度の難聴であるクイン。この事はもちろん大きな意味を持つ。 もっとクインのことが知りたかった。そうすれば、さらに話に入り込めたのにとも思う。 翻訳物ということで、言葉の問題もあり、すっきりしない部分も多少ある。 が、モースの右往左往ぶり(?)は相変わらず面白く、仮説も魅力的。 1作目の『ウッドストック行最終バス』に比べると、インパクトは弱いか。 私はここまで順番に読んできたが (『ウッド~』→『キドリントンから消えた娘』→本作) 解説で評論家の瀬戸川さんという人が、 最初の3作は興奮と驚きを提供したが、4作目『死者たちの礼拝』ではその度合いが少し落ち、5作目『ジェリコ街の女』では半分落ち・・・・と、作品の質が落ちていると指摘している。 一方、ミステリ作家の森博嗣はこの2作を非常に評価しているので(『森博嗣のミステリィ工作室』)自分はどう思うのか、試しに読んでみたい。両方読み終えるのは、当分先の話だろうが。 『THE SILENT WORLD OF NICHOLAS QUINN』 Colin Dexter 1977 『ニコラス・クインの静かな世界』 コリン・デクスター ハヤカワ文庫 (1990年12月発行) ・・・・・・・・・・・・・・・・ 現在、浦賀和宏『松浦純菜の静かな世界』を読んでいる。 内容的に、この作品を意識しているとも思えないので関係はなさそう。 半年前に読んで今頃感想を書いている本と、まさしく今読んでいる本のタイトルがそっくり。 たいしたことではないが、本を読んでいるとこういう偶然が結構あって微妙に嬉しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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