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陰陽道

七宝縁
種字カーン 種字カーン 種字カーン 陰陽道題名 種字カーン種字カーン 種字カーン


「古に天地(あまつち)いまだ剖(わか)れず、陰陽(めを)分かれざれし時に、混沌(まろか)れたること鶏子(とりのこ)の如くして、ほのかにして牙(きざし)を含(ほほ)めり。其れ清陽(すみあきらか)なるものは、薄靡(たなび)きて天と為り、重濁(おもくにご)れるものは、淹帯(つづ)ゐて地となるに及びて、精妙なるが合い搏(むらが)るは易く、重濁(おもくにご)れるが凝りかたまるは灘し。故(かれ)、天先成りて地後に定る。然して後に、神聖(かみ)、其のなかに生(あ)れます。」
(昔、天と地がまだ分かれず、陰陽の別もまだ生じなかったとき、天地はひと固まりになってちょうど鶏卵のようだった。だがその混沌の中に、なにごとかが起ころうとする気配があった。やがて、混沌のうちの清く明らかなるものは薄くたなびいて天となった。そして、重く濁ったものはとどこおり、地となった。清らかに明るいものは集まりやすかったが、重く濁ったものが固まるのは難しかった。それゆえ、天がまず先にできて、その後に地が定まったのである。その後に神が誕生した。)

『日本書記』(七二〇撰上



〔陰陽道の伝来〕
陰陽道は6世紀半ば、欽明天皇の御世に中国から伝来されたもで、仏教もこの頃伝わった。

〔陰 陽〕
陰陽道の根源は「陰」と「陽」の二大要素であるという考え。
男と女、神と悪魔、天と地、太陽と月、生と死、上と下、明と暗、火と水、などなどキリがないほど、物事は「陰」と「陽」に分かれている。
混沌から生まれたこの二極の「気」は、同じ混沌から生まれた「同根」(天地同根)なので「天」と「地」に分かれながらも、互いに引かれ合い、行き交い(天地往来)、交わり合う(天地交合)のです。



〔陰陽五行説〕

天文学をもとにしている。
その根本原理はこの世の全ては陰と陽の二つの極に分かれ、万物はこのふたつの要素の相互関係で成り立っているというもの。
五行とは、陰陽が互いに交互して生まれる木・火・土・金・水の五つの気の事。
方角、色、人間の臓器、味、季節。あらゆるものが五つの基本と 考えるのが五行思想である。


  
五行
五星
木星(歳星)
火星(熒惑)
土星(填星)
金星(太白)
水星(辰星)
五方
中央
西
五時
土用
五色
五味
酸(すっぱい)
苦(にがい)
甘(あまい)
辛(からい)
塩辛
五感
五臓
肝臓
心臓
脾臓
肺臓
腎臓
五徳
明朗
従順
寛容
聡明
謙虚
五常
五合
五欲
財欲
色欲
食欲
名誉欲
睡眠欲
五悪
殺生
偸盗
邪淫
妄語
飲酒
五節句
人日
上巳
端午
七夕
重陽
五神
青龍
朱雀
黄竜
白虎(狐)
玄武

この五行思想は 縦列と横列が深く関わっています。例えば春は東で青色を意味しています。
「青春」という言葉。春を象徴する色は、草木の新芽を示す青。若い人の時期をこれに当てはめ、そう呼ぶようになったようです。
ちなみに「陰陽師2」の中で晴明が使う呪に「東方青帝 南方赤帝 西方白帝 北方黒帝 中央黄帝」というのが出て来るのですが、これは正しく、この五行説を元に作られたものと言えます。



〔五行相生〕
五つの気が順番に次の気を生み出すというもので、プラスのサイクル。

1.木生火(もくしょうか)
 木は火を生ずる。木と木をこすると、自然に発火する。
2.火生土(かしょうど)
 火は土を生ずる。火が燃えると、灰(土)がでる。
3.土生金(どしょうきん)
土は金を生ずる。「金」とは鉱物の事。鉱物は土の中にあるので、土から金が生まれる。
4.金生水(きんしょうすい)
 金は水を生ずる。
 湿気が高いと金属に水滴が出来る。地下鉱脈には地下水脈がある。という解釈。
5.水生木(すいしょうもく)
 水は木を生ずる。植物(木)は水をもって生命を維持する。



〔五行相剋〕
五つの気が順送りに次に来る気を殺す(剋)、マイナスのサイクル。

1.木剋土(もくこくど)
 木は土に剋つ。草木の根は土を締め付け、傷める。
2.土剋水(どこくすい)
 土は水に剋つ。土は水を堰き止める事が出来る。
3.水剋火(すいこくか)
 水は火に剋つ。水は火を消せる。
4.火剋金(かこくきん)
 火は金に剋つ。高温の火は金属を溶かす。
5.金剋木(きんこくもく)
 金は木に剋つ。刃物(金属)は草木を切り倒せる。


〔現代に息づいている陰陽道〕
 何だか文字だけみていると、とっても難しいものに思えてきますが、陰陽道の思想というものは、現代社会でも受け継がれているものなのです。
 たとえば、「旧暦正月七日」。本来は中国で「人日(じんじつ」と呼ばれ、一月一日から六日までは狩猟の運を占う日で、七日に人の占いをしたものだったのが、日本では、正月を祝い、七草粥をたべるという武家の作法に変わっていったようです。
今の七草粥を食べるという理由づけは「正月料理やお酒で弱った胃を休ませる為」なんていう解釈に変わりつつありますが、元は一年の暮らしを占う重要儀式だったのです。

 次に「桃の節句」。女の子の成長を願い、また将来、良縁に恵まれるように雛人形を飾る習慣ですね。
元々は、「上巳(じょうし)」と呼ばれ、旧暦三月三日に川で身を清め、不浄を祓うという習慣だったようです。
平安時代に日本に伝わり、宮中の庭園で「曲水の宴」となり、一年の体の穢れを祓う儀式となりました。今でも京都で「曲水の宴」は毎年行われています。
そして、形代(かたしろ=人の形に切った紙)に穢れを移し、川や海に流して不浄を祓う「流し雛」という儀式も出来上がったのです。

 それから、「端午の節句」。男の子の成長を願い、鯉のぼりを立てたり、兜飾りや武者人形を飾ったりする習慣ですね。菖蒲を軒先から吊るしたり、チマキや柏餅を食べたりもしますね。
 「端午」とは月の初めの午の日という意味があるそうです。中国では旧暦五月五日になると、薬草を摘み、よもぎで作った人形を家の戸口にかけて菖蒲酒を飲んで、邪気を祓っていました。
 それがいつの間にか日本では「こどもの日」。特に男の子が逞しく育つように、願う日に変わっていったようです。

その他にも、追儺(節分)、立春、啓蟄、土用、夏至、七夕、大暑、立秋、二百十日、白露、重陽、立冬、大雪、冬至etc.季節や天文に関した言葉は陰陽道と深く関係しています。一つ一つに意味があるんですね。



八卦図紫 扇黄色


参考文献:「安倍晴明と陰陽道」 長谷川卓、冬木亮子


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