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2005年06月11日
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テーマ:ニュース(99205)
カテゴリ:歴史と教育

和


 青山学院高等部の入試英語問題でひめゆり学徒隊の語りが「退屈」と記述があったことについて、マスコミで大きく取り上げられている。マスコミの論調をそのまま信じる前に、どんな問題だったのかを確認してから意見を言うべきである。

青山学院高等部 2005年度 入学試験問題 英語

      和訳はこちら

 この長文読解に出てくる主人公の少年は、言葉よりは感覚によって影響を受ける人なのだろう。防空壕体験のほうが彼にとっては直接的に戦争を感じさせる体験だったので、歴史伝承は言葉だけによるのだろうかと疑問を呈している趣旨の英文であると言えよう。ところが、この試験問題を歪曲したと思われる報道が罷り通っているのである。ちゃんとウラをとって全体的な状況判断をしてから報道するのがマスコミの使命ではなかろうか?


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青学高等部:沖縄・ひめゆり学徒隊の不適切な入試問題(毎日新聞 2005年6月10日 10時58分)
 同校によると、英文は生徒が書いたものではなく、同校の教諭が試験用に作成した。沖縄県で生徒は、防空壕(ごう)に入った後、ひめゆり学徒隊の女性から体験談を聞いて「退屈で飽きた。彼女が話せば話すほど、私は防空壕で受けた強い印象を失った」と感じ、「(女性が)いろんな場所で証言をしてきて、話し上手になっていた」との感想を書いたという内容になっていた。

 そのうえで「なぜ筆者は聞いた話が気に入らなかったのか」という問題を出し、「彼女の話し方が気に入らなかった」という選択肢を正解として選ばせていた。
 試験問題の一部だけを捉えて読者に誤解を与えるような記事であり、むしろ歪曲報道だと言ってもいいのではないかと思う。私としては、同校に「配慮を欠いた問題だった。深くおわびしたい」と言わせているマスコミのほうが恐ろしい。一面的な倫理観でゴリ押しして反対者を黙らせ、こうやって大日本帝国も戦争に突き進んでいったのではなかろうか。


入試問題で「ひめゆり学徒体験談は退屈」 青学高等部
(朝日新聞 2005年06月09日23時18分)
ひめゆり同窓会東京支部の常任委員で、関東一円の小中学校などで語り部をしている上江田千代さん(75)は「亡くなった同窓生たちに大変失礼だと思う。そういう感想を持った人がいたとしても、それを入試の問題にする感覚は理解できない」と残念がった。
 私がいちばん不愉快に思うのは、なぜ朝日新聞はわざわざこの人にご注進して残念がらせるのだろうか、ということである。朝日新聞は、「ひめゆり学徒隊の語り部は絶対に正しいのであり、彼女らに対して一切の否定的な感覚をもってはならない」という自分たちの主張を正々堂々と語るのでなく、彼女らの気持ちを傷つけてまでも感想を聞き出して、あたかも客観的なことのように報道しているのである。

 私に言わせれば、こういう入試問題を作ったことよりも、マスコミが大々的にそれを世間に知らしめたことのほうが、彼女たちに対して失礼だと思う。黙っていれば彼女たちは傷つかなくて済んだのである。マスコミは、自分の商売のために彼女たちを利用したのだ。ああ、こういうのこそ人権侵害というのではなかろうか。


 私は、試験問題としては、受験者に主人公の内面をいろいろと想像させてなかなかよい問題だと思う。テレビでは、地域住民の怒りや嘆きの声も報道されたそうだが、わざと試験問題に悪意があるように伝えたんじゃあるまいな。全文を日本語訳して参照させたうえで、怒りや嘆きが出てきたのか疑わしい。もしきちんと情報を伝えていれば、複雑な表情になるはずである。あまり嬉しくはないが一理ありそうでもある文章だからである。

 私のイメージでは、この主人公の少年はむしろ高校生ではなく中学生の精神レベルだと思うのだが、それでも彼は防空壕の暗さのなかで戦争の恐怖を追体験している。他人の苦しみには共感できなくても自分の恐怖感は学習したのである。彼は他人の言葉にあまり感情移入できない性格でも、自分の恐怖体験からは何かを語れる人だろう。彼にはひめゆりの人々とは違った彼流の平和主義が作れるはずである。私はこの問題文を読んでそう思った。


 ひめゆり資料館 憤り あらわにする(OTV沖縄のニュース 05/06/10 (金) 19:19)では、ひめゆり資料館の会見が見られる。

 テレビ番組自体では時間がないのでどのように情報を伝えて感想を聞いたかを放送できないだろうか、インターネットは無限に情報を載せられるのだから、テレビ局がどのように情報を伝えたかも明らかにしておくべきである。


青学高入試問題に元ひめゆり学徒「許せない」(琉球新報 2005/6/11 9:43)
 会見には、本村館長のほか、津波古ヒサさん(77)、島袋貞(よし)子(77)、前野喜代さん(78)、宮城喜久子さん(76)が出席。本村館長は「感想は多種多様だが、入試に出題し、子どもに答えを求め、出題者の考えで正誤を決めるのはおかしいし、許せない」と批判。「戦争を起こしてはならない、次世代に体験を語り継がねばと頑張ってきた。今の人が戦争と体験者の証言をこの程度しか考えないとは非常に怖い。どのような考えで出題したのか説明を聞きたい」と怒りをにじませた。
 はっきり書いておくが、これはひめゆりの人々の証言自体の価値を正誤で選ばせようとする問題ではない。この主人公の少年の経験を想像させながら、この少年の内面を正確に把握させる問題なのである。「退屈」と感じる人の気持ちを正しく想像できないということは、ひめゆりの人々の気持ちを正しく想像できないというのと同じくらい“怖いこと”である。

 正義とされることにだけに感情移入できて、悪とされることにはまったく感情移入できない人間は、ナチスと同じである。もちろん彼女たちがナチスと同じだと言っているのではない。このような事件を作り上げたマスコミがナチスのようなものだと言っているのである。マスコミが一方的に正義とやらを演出し、青山学院高等部の入試問題出題者を悪玉に祭り上げている。このようなやり方がエスカレートすれば、それはナチスによる無辜のユダヤ人迫害のようになってくる。もちろん現代の日本ではガス室には送り込めないだろうが、そのような人々の意見を封じ込め、彼らを社会的に隔離していくことになる。平和主義という毒ガスをまき散らすマスコミのなかにあって、彼らは(というより我々みんなが)息苦しくなり、やがて精神が窒息して何も自分らしいことが感じられ考えられなくなるだろう。

 さらに人権擁護法案は、たんなる言論の暴力だけでなく立入検査や出頭要請や罰金などによってさらに有形・無形な人権侵害をもたらしていく危険性がある。JR西日本の鉄道事故の記者会見でのヒゲ記者のような人権委員が、国家のお墨付きを得て悪とされる無辜の民を厳しく断罪するようなものである。人権擁護法案では国籍条項が問題にされているが、たとえ日本人でも朝日新聞のような人が人権委員になったら、ほんとうに恐ろしいことだ。この試験問題出題者のような、ほんとうはたいした悪でもない人がそうやって苦しめられる世の中が来るのである。


 島袋さんは「未来永劫(えいごう)の平和を求める『ひめゆりの心』で語ってきたし、伝わっているという自信はあったが…。わたしたちの心が分からない人に戦争の悲惨さ、平和、命の尊さをどう伝えればいいのか」と沈痛な表情。津波古さんは「今までやってきたのは何だったのか」と憤る一方「わたしたちの伝え方が悪かったのか。もっと工夫しなければならない」と述べた。
 私は彼女たちがやってきたことを否定する気はないし、よいことをしていると思っている。ただ、マスコミから彼女たちに正しい情報が伝えられておらず、また、彼女たちの誤解も手伝ってこういう感想が出てきたのだろうと思う。私としては、べつに彼女たちの伝え方が悪かったとも思えない。

 あえて出題者の内面を想像するならば、浅薄な平和主義を子供たちに押しつける小中学校の教員に飽き飽きしていたのではあるまいか。この入試問題では、サッカーのアジアカップでの中国人のブーイングを通して、実体験の歴史とセカンドハンドの歴史が対比されている。ひめゆりの語り部は前者であり、マスコミを含め平和主義の教員は後者であると言えよう。


大村修青山学院高等部長(校長)からも「じかに謝罪したい」と電話があったことを明らかにし、出題者にも同席を求める考えを示した。
 大村部長は13日午前、資料館を訪れ謝罪する予定で、「おわびし、おしかりを真摯(しんし)に受け止めたい」と取材に答えた。
 校長には、彼女らの労を十分にねぎらって、しかも試験問題の全文翻訳を彼女らに提示して、きちんと説明してあげてほしい。あくまでも自分たちに全面的な非があるというような謝罪はやめてほしい。あれは入試問題としてはいい問題である。問題は入試問題にあるのではなく、騒ぎ立てるマスコミにある。




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書の色紙(和)






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最終更新日  2005年06月13日 11時42分42秒
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