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2006年06月30日
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和



これから展開する話は、天皇は中央アジアからやって来たとする私のファンタジーである。


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ユーラシア大陸
『最新世界地図 6訂版』東京書籍 31-32ページ



 今回は、アム川や天山(ティエンシャン)山脈をエジプトに結びつけてしまうというファンタジーを広げてみる。


 『日本書紀』では、神武東征(紀元前660年頃)は、天孫降臨の「179万2470年余りのち」(『日本書紀』巻第三)であるとされる。だが、天孫降臨が179万年も前というのを史実と考えるのは不可能である。《ホモ・サピエンスへの道》を参照するとわかりやすいが、それはアフリカに原人が現われた頃と見なせるほど前だからである。我々現代人が属するホモ・サピエンスが生まれたのが約20万年前と考えられているから、天皇は、絶滅したはずの原人の子孫ということになってしまう。

 しかしながら、もしも元々の伝承が2470年であって179万年というのが後から付け加えられた数字であったとするならば、史実と考えるのは可能になるだろう。その場合には、紀元前660年のさらに2470年前ということで、天孫降臨は中央アジアではなく古代エジプトだということになるかもしれない。その場合、むしろエジプト王家誕生の起源が、いつしか『日本書紀』の記述のなかに紛れ込んできたと考えられるだろう。天孫降臨の中央アジア説をとる私としては、ワハン回廊から降りてきたのはせいぜい紀元前14世紀くらいであり、ひょっとしたらそれ以前にエジプトやメソポタミア地方からワハン回廊あたりにやって来ていた可能性も考えられ、その場合にはエジプト王家(といっても分家になるが)の起源が反映されたのだと考えられる。


 エジプト起源説をとるとしてファンタジーを広げてみると、やはりエジプトの太陽神の名を何かに結びつけないとなるまい。私は、記紀に頻出する「天(アマ,アメ)」が中央アジアの川の名アムに由来するのではないかと考えている。そして、アムという名をさらにエジプトの太陽神《アメン》に結びつけてみたい。アメンは、もとはテーベ(現ルクソール)の大気の守護神、豊饒神であり、後に中王国時代にラー神と一体化(アメン=ラー)し、エジプトの神々の主神となった。AmenはAmunと記されることもあり、AmunがAmuに変化するなら十分に考えられることだからである。そうすると、アム川(Amu Dar'ya)は、「アムン垂るや」すなわち“アメン神の降臨”ということになるのだろうか? アメン神は大地に豊饒をもたらしてくれそうだから、そういう発想もまあいいか。(笑)

 一方、漢字の読みの「天(テン)」もまた強引にエジプトの太陽神に結びつけるなら(笑)、それはアメンホテプ4世(アクエンアテン 紀元前1377~1353年)の信仰した太陽神《アテン》が変化したものではないかと想像する。Aが脱落すればTenになるからである。アテン信仰が、エジプトを脱出したユダヤ人に受け継がれ、そのユダヤ人(またはアテン信仰をひそかに引き継いだメソポタミア地方の民族)が国を追われて東に進み、やがて天山山脈あたりに住みついたと想像される。

 《ウイグルスタン》によると、天山山脈はテングリ・タグという。タグは「山」の意味である。また、天山山脈にハンテングリという山があるが、《キルギス旅遊1》では「ハンテングリ峰(王の宮殿を意味し、今でも天山の王とも呼ばれている)」と解説されている。ハンは王を意味する。《特集◎モンゴル―シャマニズムの世界から》によると、匈奴の時代にはテングリという言葉が漢文史料に「とう犂(とうり)」と表記されていたというから、テングリは紀元前からあった言葉だろう。テングリは天上界や天神を意味する。

 中国では、テングリの最初のテンだけをとって、それに「天」という漢字に当てはめたのかもしれない。「天」の場合は、天という場所も天神(たとえば毘沙門天など)も意味できるから、原音を忠実に写さないほうがよかったのかもしれない。


 エジプト太陽神の名と地名や漢字を結びつけるのは自分でも強引すぎると思っているが、古代エジプト王国でも太陽神を中心に神話が作り上げられているわけだから、中央アジアを介して日本がエジプトと結びついている可能性を簡単に切り捨ててしまうわけにはいかないだろう。

 どこまで関連するかわからないが、《ミタンニ》がこの「天」の問題を解決する鍵を握っているのかもしれない。
ミタンニはフルリ人が紀元前16世紀頃メソポタミア北部のカブル川上流域を中心に建国した王国である。……フルリ人は紀元前18世紀頃から活動したらしく、同じ頃エジプトに侵入したヒクソスと関係があるとの見方もある。特に馬を用いる技術に長け、ヒッタイトにおける馬の技術もフルリ人から導入されたと考えられる。……フルリ人自体はインド系ではないが、文書の中には明らかにサンスクリットで解釈できる単語が多い。ヒッタイトとミタンニとの間の条約ではインドのヴェーダの神ミトラ、ヴァルナ、インドラやナーサティヤ(アシュヴィン双神)に誓いが立てられている。また人名にもサンスクリットで解釈できるものが多い。……ミタンニは周囲の国との間で政略結婚を繰り返した。アルタタマ王の娘はエジプト王トトメス4世と結婚した。スッタルナ2世の娘ギルキパGilukhipaはエジプト王アメンホテプ3世(トトメス4世の子)と結婚した。トゥシュラッタ(ダシャラッタ)王の娘タドゥキパTadukhipaはアメンホテプ3世の子アメンホテプ4世(アクエンアテン)の2番目の后となった。

 アルタタマ王と、天山山脈の北にあるアルマアタ(Алма-Ата;別名アルマトイ,Алматы)という地名。似ているような似ていないような・・・(^^ゞ  なお、Алматыという名称自体は、街の近郊にあった、ドゥラトという氏族が住んでいた集落の名前に由来する。→《アルマトイ(ウィキペディア)》

 さて、ミタンニ王国がアッシリアによって滅ぼされたのは、紀元前1270年である。その後このようなフルリ人が馬を駆ってアム川流域や天山山脈やインドまで活動範囲を広げていったなら、上に述べたような可能性もなきにしもあらずである。天孫降臨した邇々藝命→日子穂々手見命→鵜葺草葺不合命→神武天皇という父子関係になるが、神武天皇即位を紀元前660年とし、また日子穂々手見命(火遠理命,山幸彦)が580年の間、高千穂宮に坐したという『古事記』の年代記述を単純に合算すると、天孫降臨は紀元前1240年頃となり、年代的にもほぼ一致する。(いくらなんでも人間が600年近く生きられるわけがないのだから、この間が四代というよりも民族的歴史を反映した記述なのかもしれない。)

 しかしながら、紀元前3000年頃にはシュメール地方にも文明が興りつつあったはずであり、その神話がAmuという名称に反映されているかもしれない。シュメール神話では、天(大気?)の神を《アン(An)》という。「太陽の頂き」あるいは「天」という意味をもつ。アッカド神話では、アンはアヌ(Anu)と呼ばれる。アヌはアッシリアやバビロニアの天空や星の神であり、神々の王である。フルリ人の神話では、アヌはすべての神の父である。nとmでは大きな違いかもしれないが、Anuはエジプトの太陽神Amunと同じくらいAmuの語源の候補になるのではないかと思う。


 私が今回述べてきたことは、地名の由来に関する私のファンタジーにすぎない。だから直接それが初期天皇に結びつくとは限らない。むしろ天皇一族がアム川流域に登場する前に、エジプト人、ユダヤ人、フルリ人、シュメール人などがこれらの地に「天」を下ごしらえしていたのかもしれない。天皇家が血統的に西アジアの民族の末裔なのか、それとも中央アジアに根づいた西アジア文化の上に乗っかって神話を作り上げていったのか、そのあたりは完全に“想像の域をでない”のである。





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最終更新日  2006年07月31日 13時11分19秒
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