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profile:山本ふみこ
随筆家。1958年北海道生まれ。つれあいと娘3人との5人暮らし。ふだんの生活をさりげなく描いたエッセイで読者の支持を集める。著書に『片づけたがり』 『おいしい くふう たのしい くふう 』、『こぎれい、こざっぱり』、『人づきあい学習帖』、『親がしてやれることなんて、ほんの少し』(ともにオレンジページ)、『家族のさじかげん』(家の光協会)など。

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2007/10/26
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カテゴリ:生活

 衣替えというのは、なかなか骨の折れる仕事だ。
 暑さに弱く、寒さにはつよい質(たち)だからだろうか、わたしは、秋冬ものから春夏ものへの衣替えは、すぐしたくなる。早い時期から、半袖・薄ものを着て過したくなるからだ。



「ちょっと早過ぎやしない?」
 と、家の者たちにあきれられる。
 その反対に、春夏ものから、秋冬ものへの衣替えは、ちょっとぐずぐず。
 まだ、もうちょっと半袖・薄ものでいたい、という抵抗が、衣替えをおくらせるらしい。



 そう。わたしは衣替えは年に2回しかしない。
 そのかわり、合着のケースというのをつくっている。



・秋冬ものから春夏ものへという衣替えのときは、秋寄りの合着を、合着のケ 
 ースにしまう。
・春夏ものから秋冬ものへという衣替えのときは、春寄りの合着を、合着のケ
 ースにしまう。
 ——合着のケースは、比較的とり出しやすい場所に納める。



 10月のはじめ、衣替えをした。
 半年あまり世話になった服に傷みやほころびがみつかる。手直ししてから仕舞いたいが、ついその作業があとまわしになる。
 思い立って、きょう、やっと、それを取りだし、ボタンをつけたり、つくろったりした。はじめてみると、なかなかたのしい仕事なのに、どうしてあとまわしにするんだろう、などと思いながら……。
 末娘の袖なしのシャツにシミを、発見。
 古い歯ブラシに、歯磨き粉をつけ、とんとんと叩いてシミヌキするも、とれない。色柄ものOK の漂白剤でも、ダメ。ままよ、とばかりに、白もののみという条件の塩素系漂白剤を、つけて歯ブラシでとんとんしても、ダメ。
 シミに気づかず、長いあいだ置いてしまったものとみえる。
 あの手しか、ないな。
 そう思って、ボタンの瓶をとり出す。
 これは、ボタンを貯めておく瓶なのだ。あたりまえのボタンも収めてあるが、風変わりでわたし好みのボタンをみつけたときにも、買って、ここに入れておく。
 このたびのシミは、わたしにはお手上げだったので、この瓶のなかから、サカナのかたちのボタンをシミの上に縫い付けることにする。
 これが、さいごのあの手。
 ボタンで、シミを隠そう、というわけ。



 パンチに欠ける洋服も、ボタンを替えるだけで生き返ることがある。
 アップリケのかわりにボタンをつけるという手も、たびたび使う。ほんとうは縫ってやりたかった子どものかばんを、時間がなくて買った、というような場面でも、ボタン。大事にしていたボタンを1個つけてやるだけで、気がすんだりする。
 ああ、ボタン、大好き。





T





シミの上に、ボタンをつけました。
ほんとうは赤いボタンがかわいいと思うけど、
わざわざ買わない、というのも、ちょっとした信条。
ポケットの上についていたボタンシャツの右)ははずし、
ここにも同じサカナのボタンをつけました。







Photo





これが、ボタンの瓶です。
ただいま、涸れ気味なので、
近いうちにボタン狩りに出かけるとしましょう。
たのしみ。







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最終更新日  2007/10/26 10:00:00 AM
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