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国家の品格/藤原正彦
この本は薄い本で、文字数も少ない。だから、主張していることは絞られていて、その展開も検証も事実の積み重ねというよりは感情に訴える方法をとっている。 もともとこの本は講演を編集したものだからそんなに細かいことを述べることはしないだろうし、『論理より情緒』という主張だから聞いている人や読んでいる人の感情に訴える方法を採用している。 藤原正彦は国家の底力として、数学と理論物理がどれほど発達しているかがその目安になるという持論をもっている。おれはもっと一般化して、役に立たない基礎科学や文系の美学とか哲学とか古典研究とかそういうのも含めていいと思う。 今の大学ではそういう研究に資金が出ない。政策でもはっきりとすぐに金になる学問。役に立つ学問が推奨されている。大学発ベンチャーなんかが注目されていたりする。しかし、大学は教育機関であり、研究機関であると同時に学問の保存も行う機能があるのだ。金にならない学問を続けられる環境を研究者に残してほしい。そういう研究も国家の底力だと思うのだ。 科学と芸術と数学には論理よりも美しさを感じる力や情緒が重要であるという主張もしている。美しい環境に育ったことが天才を生む土壌になるとも主張している。芸術ではあたりまえのような気もするが、数学や画期的な科学理論にもそれはいえる。例外はないとはいえないと思うが、美しい環境は必要だと思う。 子どもの頃から文学や芸術に親しむということも、大事だと言っている。このこともおれの知っている範囲でも正しい。文芸に親しむということは情緒を育てるのに最も効果的なのだ。藤原正彦は数学者の例を取り上げているが、おれは物理学者の例を取り上げてみたい。 不確定性原理のヴェルナー・ハイゼンベルクは部分と全体/ヴェルナー・カルル・ハイゼンベルクという自伝的エッセイで大学生になるときにピアノの道に進むか物理学の道に進むかの決断をしている。彼の生活もワンダーホーゲルばかりしていたようで美しい自然の中を歩くのが趣味というより習慣だった。それくらい自然の中で野宿ばかりしていたのだ。この傾向は老人になるまで続く。若いころ文学をかじり、政治運動もしていた。ハイゼンベルクの哲学への情熱は有名だ。彼は量子力学の哲学的解釈というものに一生取り組んでいた。 大物に共通することなのであるが、アインシュタインもビオラがうまく、数々の物理学の偉業を達成したが、哲学や真理への探究心は彼のライフワークだった。もう一方の巨人であるボーアも物理学者であると同時に哲学者でもあった。 金になるとか名誉とかそういう俗物には偉大な発見や理論は生み出せないのだ。今の遺伝子関係の医学の拝金主義はどうかなと思う。そこに哲学がなければならないとおれは思う。現役の人にはがんばってもらって、引退したら偉大な文学や哲学を作ってほしいと思う。 国家の品格/藤原正彦 では、日本のすばらしさが主張されている。日本人は情緒力が優れている。今はそうでもないが一昔前には高校、大学レベルで数学教育が進んでいた。弱いものを憐れむことができる。田園の環境が美しい。卑怯を憎む心がある。どれも、他の国にいけば尊敬される事柄だそうだ。 日本人は日本語をもっとうまく使えるようにしなければならない。日本のことを愛し、知らなければならない。そのことが国際人として尊敬されるためには重要なのだ。 イギリスはそれほど裕福な国ではない。でも、世界中から尊敬されている。それはイギリスが美しい国であり、伝統を重んじる国であり、学問の重要な発見を生み出し続けてきた学問の先進国であるからだ。 この本には勇気付けられるところがたくさんあった。この本では若いうちに文学の名作をたくさん読むことが重要だと主張されている。それと、役に立たない学問がその国の底力だと主張されている。日本人には世界に通用する強みがある。それをおれは明らかに持っているのだ。この本を読んで『まずい』と思う人もいるだろう。逆に『おれってすごい』と思う人もいるだろう。 もともとの目的は、画一化されていく世界に同調しようとする日本に対する警告であったり、日本文化が失われていくことへの警告であったり、過去の日本人は立派だったという訴えであったはずなのだが、おれには『お前はお前が思っているよりすごいかもしれないぞ』と言ってくれているような感じがした。 自分がこの本の主張とまったく反対のことをしていて凹んだり反感を感じる人もいるかもしれない。そういう人は正論だけ身につければいいのだと思う。確かにいいこと書いてある本だと思う。自分がこの本の主張に当てはまる人は自信を持てる本だと思う。どっちにしろ画期的でオリジナリティのあることが主張されているので読む価値はあると思う。大体、安いんだし、2時間で読める本なんだしベストセラーなんだから読んでみな。いい本だと思う。おれも『ダ・ヴィンチ・コード』も読むべきかな。。。 本・読書ランキングです↓ ![]() [おれの持っている本]カテゴリの最新記事
私も1ヶ月ちょい滞在した事があります。
他に展示会の出張でも2度ほど行きました。 イギリスといえばやはり植民地です。 かつて1日中日があたる国とよばれたほど世界を植民地としてました。 現在でもカナダやオーストラリアが大統領制をとってないのはイギリスの影響が大きいからです。 またインドやシンガポールで英語が浸透してるのも勿論イギリスの影響です。 そんな歴史からもアメリカは現在でもイギリスには頭が上がらないのも事実です。 個人的には世界一飯がまずく、天気が悪い国と称してます。 物価も高いです。 特にタバコは700円以上します。(2006/06/08 05:32:48 PM)
イギリスの飯がまずいのは有名ですよね。
イギリスの人は味音痴なのでしょうか。 牛肉ばかり食べているイメージがあります。BSEの国って感じです。 物価が高いのは税金なんですか? 社会福祉はいい国だと教わりました。 私の印象ではイギリスは音楽とファッションとサッカーとF1の国って感じです。 飯がまずいと日本人には暮らしにくいかもしれないですね。(2006/06/08 10:04:21 PM)
ダイエットに最適の国です。
飯は吉野家が一番美味いです^^ 私はイギリスに十数年前滞在してたおかげで臓器提供の登録をしてたのですが数年前手紙が来てヤコブ病の恐れがあるためできなくなりました>< ちなみにビッグ・ベン。 これから部品交換のため1ヶ月チャイムが鳴らないそうです。 観光に行かれる方は可哀想^^;(2006/06/09 10:23:54 PM)
なるほど。税金が高くて、人口も日本に比べるとずっと少ないから社会福祉が手厚いのですね。
文化的にはおもしろくて、暮らしてみたい国ではありますが、飯がまずいのは困りますね^^(2006/06/13 11:51:27 PM)
どうやら北ドイツやイギリスなどのプロテスタント地域はめしがまずいらしいです。
贅沢をしないのが基本だからだそうな。 マッシュドポテトを「料理」と言うにはもう少し何か欲しい気がするぜww 人間はどこか必ず普遍を求めますよね。 なんか数学者でも哲学者でも結局はそこに行きますけど結局判例が出てきて完璧じゃないってなる。 でも求める。 いいですよね、そういうの。(2010/06/04 10:30:03 PM) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |