テーマ:教育について(25)
カテゴリ:学ぶ!教える!育む!
「ヘーゲルは、世界精神は自分自身をますます
深く知る方向に向かっている、といっている。海が近づくにつれて、川幅が広くなる。ヘーゲルによれば、歴史は世界精神がだんだんと自分に目覚めていく物語だ。世界ならいつだってあったわけだけれど、世界精神のほうは、人類と文化の発展によって自分自身にだんだんと目覚めていく」 「そんなこと、どうして言いきれる?」 「ヘーゲルは、これは歴史的事実だ、ただの予言などではない、と言っている。だれでも歴史を学べば、人類が自分を知り、発展させることをずっと目指してきたことがわかる。人類の歴史ははっきりと、合理性と自由が増える方向に進んでいる。さんざん脱線もするけれど、全体として見ればたゆみなく前へ前へと進んでいる、とね。ヘーゲルは歴史を目的をもったものとしてとれえていた」 「わたしたちは発展しつづけるのか。いいな、だとしたら希望がもてるわ」 「歴史は一本の長い思考の鎖だ。ヘーゲルは、この鎖はきちんとして法則でつながっているとして、その法則を明らかにしたんだ。歴史をよく観察すれば、新しい思考はそれより前の思考を踏まえて立ちあがっていることに気づくだろう。けれども新しい思考が立ちあがると、かならずもう一つ別の新しい思考の反論を受ける。すると、二つの対立する思考が張り合うことになるよね。でもこの緊張は、二つの思考のいいところをとって第三の思考ができあがることによって解かれる。ヘーゲルはこれを『弁証法』的発展と呼んだ」 ヨースタイン・ゴルデル著,池田香代子訳,「ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙」より 【楽天ブックス】ソフィーの世界(上) ソフィーの世界(下) 哲学者からの不思議な手紙( 著者: ヨースタイン・ゴルデル / 池田香代子... ソフィーの世界は 私の好きなだれにでも読みやすい哲学の教科書です。 ”個人の場合と同じように、世界精神も矛盾や葛藤を経験しながら発展します。” 須田朗著:もう少し知りたい人のための「ソフィーの世界哲学ガイド」 より 【追加】 CD版、DVD版もあります。 ★CD ソフィーの世界 ★ソフィーの世界 DVD お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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