394373 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

走る物流マンの給水所

走る物流マンの給水所

第6回北丹沢山岳耐久レース

view for himetsugu

                             犬越路より姫次方面を望む


「第6回北丹沢12時間山岳耐久レース」レポート

2004.7.4(日)神奈川県津久井町緑の休暇村をスタートゴールとする、全長43.86km、鐘撞山から大室山への途中までと、犬越路、姫次への上り下りの合計3つの山を上り下りしながら無事に戻って来るというレース。制限時間は12時間。標高差は1,140m、かなり厳しい。

第6回北丹沢12時間山岳耐久レースは今年で3回目、会社の陸上部では当初Oくん、Zくん、Kくんと私、それと山走り仲間のMさんの5人で参加するはずだったが、1週間前にOくんが高尾山の練習時に転倒、右肩胛骨を骨折し参加を見合わせることとなった。続いてZくんはレースの前日大阪出張が入ってしまい、戻れなくなり、参加を取りやめることとなった。
結局Kくん、Mさんと私の3人で参加することとなった。

昨年はあいにくの雨の中の開催で、他の選手には気の毒だったが、私は逆に雨は大歓迎!激しい風雨や寒さは平気なのです。競馬で言えば「重馬場」に強い穴馬か?
しかし今年は天気予報では晴れ、降水確率はきわめて低い。気温も上がりそう。と言うわけで私には苦手のコンディションとなった。雨乞いしたいくらいだった。

前日宿泊したのは「鶴屋旅館」。昨年も宿泊したし、一昨年は夕食をここで頂いた。常宿となった「鶴屋旅館」は1泊2食付きで7,000円なり。
当日のお昼用にとおにぎりを別料金で用意してくれるのは嬉しい。(2コ300円)
今年は昨年より1,000円高くなったが、浴室がきれいになったみたい?大会の2週間前には仲間と下見ランに来たついでに食事をとったりした。女将さんとはどうやら顔見知りになったようだ。
tsuruya鶴屋旅館の外観


<選手受付>
最初の案内では、当日早朝受付しかしないとの事だったが、たまたま仲間と前日15時頃会場を訪れたところ、なぜか受付をしていた。急遽することになったそうだが、それなら最初から「当日受付も可」と案内してくれれば多くの選手が当日慌てずに済んだのに!

<レースは前日から始まっている!>
最近の「前夜眠れない症候群」が今回も再発した。朝食が5時なので、逆算すると起床は4時半、寝るのは9時頃に設定して、一斉に布団に入り消灯したが、暑くて11時半頃に目覚めて、それからはうとうとすら出来なかった。隣でKくんの寝息が聞こえてくると一層眠れなくなる。
そう、野辺山のウルトラマラソンでも3時起床のために8時に布団に入ったが、一睡も出来ずに3時を迎えてしまい、寝不足のまま100kmに挑戦したが、結局睡魔に勝てずに87kmでリタイアしたいやな思い出がある。
今回は少し寝られただけましだが、睡眠不足はどうしようもない。これじゃスタートした段階で他の選手に負けている。やはり前日の睡眠はしっかりとれるように心掛けよう。

<当日の朝>
4時半起床、5時朝食、5時半大会会場である緑の休暇村に到着。
山は雲に覆われている。もしかして雨?と期待する。天候状況がボードに紹介されていたが、山の上の方は曇り+ガスで18度だそうだ。もしかしたらと淡い期待をかける。しかし7時のスタートの20分前ころから北の空に青空が覗き、みるみる青空が広がっていった。気が付いたら真夏の日差しがまぶしくなり始め、空からは雲が消えつつあった。(がっかり!)
gate-ose+kawata weather report
スタート地点でKくんと記念写真                  天気概況ボード
gate-ose+matsuura uketsuke
スタート地点でMさんと記念写真                  当日受付の様子

<スタート>
予定通り7時に号砲が谷間に鳴り響き、大会は始まった。KくんとMさんと一緒にスタートしたが、暫くするとMさんが見えなくなった。緑の休暇村から上の県道までの道はいきなり急勾配で、さっそく歩き出す。

<平丸まで>
舗装された道路を1kmほど走る。平丸までに少しでも順位を上げ、登山道に取り付く段階でよい位置に付けていたいと願うのは皆同じ。しかし抑えて走るうちに遅れだし、結局順位は結構下がった。

<急な坂道と給水所>
舗装道路から右に逸れて、車では上れないような急勾配の坂道に入る。すぐの所に私設?給水所があった。皆水をもらって飲んでいる。国道の下をくぐるようにして坂道を上りきると、今度はいよいよ登山道への入ってゆく。すっかり汗まみれになった。暑い。

1st-up kawata rtn to onguwa
最初の上りは団子状態                       音久和集落に下りてきたKくん

<細い登山道>
その後登山道はさらに細くなり、人ひとりが通るのがやっとの箇所に掛かり、殺到した選手が先を争うかのように団子になり、渋滞が始まった。昨年までには無かった光景だ。そこを何とかクリアしてからは、コースは右に左に曲がりながら上へと続く。切れ目のない隊列が黙ったまま静かに流れる。
30分ほど登った頃だろうか、係員がいて、コースは右手に下りとなる。今度は一気に間隔が開いて、スピードが上がった。谷底へ転げるように選手の列が続く。足場は石ころがあるのでうっかり油断すると足元を取られる。気を付けながら下りてゆくと人家が見えてきた。音久和の分岐だ。
その後は舗装道路を道なりに走る。青根中学校を右に見ながら走る。このあたりは地元のおじいちゃん、おばあちゃんが応援に来てくれているので、一層がんばれる。
kawata wz gals ose wz gals
地元のお姉さんたちに声援されると、思わずレースを忘れて・・・?

<神ノ川キャンプ場>
舗装道路を走る。右手下には神ノ川が流れている。その向こうは道志川沿いの国道だ。徐々に高度が上がってゆき、右手前方にキャンプ場が見えてきた。キャンプ場の中の細い木の橋を渡ると、係員がナンバーカードをチェックをしていた。スタート後1時間23分。走行距離8.34km。私はKくんと一緒に走っていたので、ここで記念撮影。おにぎりとアミノバイタルで補給。ほどなく検討を誓って再スタート。
kawata at k-camp site ose at k-camp site
神ノ川キャンプ場の橋を渡ったところで、「休憩だあ!」

<鐘撞山から大室山中腹折り返し点>
クマザサの生い茂る樹林帯の急登に取り付く。選手の長い隊列が続き、追い抜くことはなかなか出来ない。10分ほど登ると標高はかなり上がり、少し明るくなった。左手はクマザサの向こうに谷底が見渡せる。足を滑らせないように注意して痩せた斜面をクリアする。天気が良くなり、前方に目指す鐘撞山らしきものが見えてくるが見上げるほどの高さで嫌気がさす。樹林帯を抜けてしばらく行くと今度は急斜面になり、選手が這うように、また喘ぎながらゆっくり登っている。ビニルテープでコースを示してくれているが、見上げると絶壁のような所を選手がビニルテープに沿って歩いている。マラソンとはかけ離れた「登山競争」だ。40分ほど急登を我慢すると先がなだらかになり、気が付けば鐘撞山頂上だ。標高900m、頂上には鐘が設置されていて、しっかり鳴らす。乾いた「カーン」という音があたりに響き渡る。Kくんは後方においてきてしまったようだ。
休まず、そのまま大室山に向けて歩き出す。いったん標高を下げた後、また厳しい登りにかかる。また延々と続く上りが見晴らせてがっかりする。急斜面ではロープも張られていて、これにつかまって登る。うんざりするほどの上りが続く。足はかなり疲れが溜まってきた。アキレス腱が悲鳴を上げている。
1時間半ほど登っただろうか、ようやく前方が明るくなってきて折り返し点が見えてきた。コースロープが張られていて、選手は左手に進路をとる。
キャンプ場から標高差で1000mを登った事になる。
up to kanetsuki ose at mt.kanetsuki
鐘撞山への急登                          鐘撞山頂

jct for 1camp 1camp
大室山中腹の折り返し点                      第1関門の給水

<神ノ川ヒュッテ=第1関門まで>
ここから神ノ川ヒュッテまでは3km程、標高差で800mの急な下りだ。休憩している選手を尻目に休み無しで走り出す。最初は明るい下草の間の細道を走る。前の人に続いて走るので自分のペースで走れない。その後コースは樹林帯に入り、整地された登山道になった。私は下りの走りは好きな方で、転げるように一気に走りたかったが、渋滞しているので走れない。隙をみて前の人を抜きながら前へと出てゆき、しばらくしてやっと前が空いた。一気に転げ下りたが、時すでに遅く、間もなくコースは石ころのごつごつしたガレ場にかかった。左下には谷川が見える。あと1kmで神ノ川ヒュッテだ。足元に気を付けながら岩場をクリアしてゆく。谷川を渡り林道に上がるとヒュッテはすぐそこだ。林道の反対側はヒュッテを折り返してきた選手が次の犬越路を目指して出発してゆく。
神ノ川ヒュッテ(第1関門)に到着。所要時間は3時間38分、距離は18.44km。制限時間まで1時間弱あるので今のところは余裕だ。

<休憩>
給水場で選手に水を渡している女性4人組がいたが、実は朝旅館で一緒だったので、「大会に出るんですか?」と聞いたら、「応援です!」と答えてくれたあのグループだった。ボランティアで給水所を担当されているようだ。お礼を言って水を頂く。背中のリュックには水1Lを給水し、持参したバナナを胃袋に流し込む。1Lくらいの水を飲み干す。トイレを済ませると、Kくんが到着していた。意外と元気そうだ。ひざが心配だと言いながらも元気に走っている。お互いに励まし合って私は出発する。
ose at 1 camp kawata at 1 camp
神ノ川ヒュッテでの給水にて

<犬越路まで>
さっきの林道を今度は登ってゆく。しばらく行くと杉木立から柔らかい日差しがこぼれて美しい光景だ。コースは「東海道自然歩道」に沿って犬越路までまた急な登りにさしかかる。神ノ川の支流を渡ったりしながら高度を上げてゆく。風がないので蒸し暑い。ガレ場をいくつか渡りながら高度を上げてゆくと、コースは左に折れ、「犬越路トンネル」方面へ入ってゆく。砂利がむき出した急斜面を渡ると係員のチェックを受ける。
jct for inugoeji course of inugoeji
大室山中腹からの下りと犬越路への上りの合流地点           杉木立が美しい
up to inugoeji gareba near inugoeji
犬越路への登り                           犬越路方向から林道方面へ行くとこんな斜面を通る

<神ノ川園地=第2関門まで>
同時にコースは一気に広くなり、右手にトンネルがあった。コースは舗装道路になり、第2関門の神ノ川園地までの10kmを一気に走りたいところだが、暑さに気力が萎えてしまっている。左を見やると遙か彼方に姫次の頂が見える。すごく遠い。ますますモチベーションが下がる。
途中で後続に抜かれたりしながら、広河原まで下りた。ここからは方向が変わり、谷を右に見ながら舗装道路や砂利道などを走る。空腹感を覚えたので慌てて補給する。補給は空腹になる前にしなければならないのに、今回は基本が守れなかった。女性に抜かれたが気力で走りを差を縮めていった。そしてトンネルを2コ抜けるとそこは神ノ川園地、つまり第2関門だった。ここまで29.04km、所要5時間30分。時計は12時半だ。昼飯だ!
down to 2camp 2camp
第2関門への長い下り                        第2関門

<休憩>
例の4人組が給水のボランティアをしていた。「次はゴールで待ってまーすよー!」と励まされた。嬉しい。
挨拶すると向こうも気付いて嬉しそうに励ましてくれる。バナナを4-5切れ一気に食べる。給水はまた1L位。ある程度休んだ頃にKくんが到着。ひざは大丈夫だそうだが、念のためボランティアに足のマッサージをしてもらっていた。
この後は標高差が800m以上あるので、エネルギーは十分摂らねばならない。ゼリーやお菓子などを食べた。しっかり食べておこう。
kawata at 2 camp ose at 2 camp
第2関門で休憩

<風巻きの頭、姫次=第3関門への登り>
このコースで一番きつくて長いコースがここだ。Kくんとお互いに励まし合ってスタート。最初に神ノ川の本流にかかる橋を渡り、見上げるような山道が始まる。風のない淀んだ空気の中をひたすら辛抱強く登る。「東海道自然歩道」のコースでもあるので、道は荒れていないが、とにかく長い道のりだ。前回の練習では風巻ノ頭まで1時間、そこから姫次まで1時間かかっている。
コースは延々と上りが続き、足には徐々に疲れが溜まってきた。じわっと汗が噴き出し、思わず水を飲む。視界が少し明るくなると風巻ノ頭だ。標高1077m。下から53分で登ってきた。東屋があり休憩できるので、ベンチで給水+アミノ酸を取ってすぐ出発。Kくんも一緒だ。

near mt.sodehira地肌露出斜面のすぐ上

風巻ノ頭からは徐々に尾根道が増えてきて、時々涼しい風が吹いてくるので気持ちがよい。登り道の所々に下りもある。気分転換をしながら、辛抱強く登る。遙か前方上方に赤茶けた地肌の見える所があり、その上の端を人が歩いている。諦めずに登り続けると例の地肌が大きくなり、すぐそばに迫ってきた。幅200m高さ300mはあるだろうか、斜面が崩れて地肌が現れたようだ。まもなく地肌の見える上の端をそっと渡るようにクリアする。振り返って見下ろすと絶壁だ。コースはその後なだらかになり、気が付くと袖平山の山頂に着いた。標高1432mだ。姫次へは下り登り合わせて10分ほどの距離か?
このあたりは野生の鹿が生息していて、前回の練習では何度か鹿を見ている。
やっとの事で姫次到着。標高は1433m、距離は34.06km、所要7時間22分もかかった。Kくんは途中で遅れてしまったようだ。
ose at mt.sodehira ose at mt.himetsugu
袖平山頂にて                            姫次にて(この後右手方向へトレイルラン!)


<平丸分岐までのトレイルラン>
この先もう登るところは無い。この先4kmはなだらかな下りで足場も良いので思いっきりトレイルランが出来る。私の師匠である平井さんは、このコースを走るためにずっと登ってきたのだそうだ。同感である。
両手も使ってバランスを保ちながら走る。途中、疲れて歩いている選手をごぼう抜きにしてゆく。わずかな登り坂も辛抱して走り続ける。あっという間に黍殻山の巻き道をパスし、平丸分岐に到着。姫次から29分。東海道自然歩道とはここで別れる。
trail-run for hiramaru ose at jct for hiramaru
平丸までの下り                          平丸分岐にて
bush-hiramaru
クマザサが茂る平丸への下り

<ゴールまでの急な下り>
クマザサが腰まで茂る細い道を下る。足元が見えないところもあるので注意して走る。西日がまぶしい。どんどん標高が下がり、気温も上がってくるのが分かるようになった。コースは樹林帯に入り、足場の悪い山道になる。相変わらず疲れた選手を所々でパスする。リズミカルに山道を駆け下りてゆくと、あっという間に平丸に到着。そこからゴールの緑の休暇村まではあとわずかだ。

舗装道路を少し走ってすぐ右手に山道へと入ってゆく。砂防ダムを越えるといよいよ会場が見えてくる。途中で抜いたオバさんにここで逆転され、先を譲る。時間調整を兼ねて歩く。オバさんが最後の直線コースを半分走ったところで、いよいよ自分の番だ!と思い、会場へと入ってゆく。直線コースに入る。沿道から「お疲れさま!」「それ行け!」といった歓声と大きな拍手に迎えられながら、こっちは最後のカッコつけの全力疾走!ウケ狙いでガッツポーズでゴール!終わった!タイムは8時間27分29秒、姫次からは1時間5分で走った。総合240位、年代別65位。何だかまだ余力が残っているのが実感だ。
ose goal matsuura near goal
ゴール後再度「やらせ」の走り!?                Mさん感激の帰還!

<ゴール後>
スポーツドリンクを受取り、アンケートに記入して完走証をもらう。
あんパンとうどんをもらい、久々に「ご馳走」をいただく。今日は1日ゼリーやら機能食、流動食ばかりでまともなものを食べていなかったので、うどんがとても美味しかった。
例の4人組はゴール地点にもいたが、見かけると「お疲れさまでした!」とねぎらってくれた。どうやら仲間(彼氏?)が走っていたらしく、仲間の応援をしていた。(納得!)
間もなくKくんが笑顔でゴールに戻ってきた。Mさんもマイペースで走りきり笑顔でゴールした。参加した3人は全員無事完走。休暇村の風呂で汗を流すと心地よい疲労に浸って眠くなった。長い1日は終わった。

記録
筆者   8時間27分29秒 総合240位 年代別 65位
Kくん  8時間50分06秒 総合296位 年代別 81位
Mさん 10時間30分24秒 総合490位 年代別120位
matsuura's result完走証を手に満足そうなMさん


© Rakuten Group, Inc.