カテゴリ:普通の日記
最近、日本語の誤用についてちょっと気になっていることがある。
「煮詰まる」という単語である。 よく「行き詰る」とか「テンぱる」という意味で使われている。 正しくは 「討議・検討が十分になされて、結論が出る段階に近づく」 という意味なのである。 煮物で煮汁がだんだんとなくなって料理が完成に近づいていくところからきているらしいのですが。誤用している人は、さらに煮詰めてしまって、もうこげつきそうなところまでいってしまうイメージから、このように使っているようだ。 ただ、本当にたくさんの人が誤用してしまっているので、これはもう新しい意味として辞書にのせるべきレベルなのではないかと思っているのです。 僕は、誤用は多数派になった時点で、正解にするべきではないかと思っているのです。 もともと言葉はコミュニケーションの手段であるから、多数派になった時点で、コミュニケーション手段としては、正解なのではと思うのです。たまたま、誤用の多い言葉の正しい意味を知っていても、日常生活でそれを指摘しようものなら、なんかイヤミだし。場合によっては嫌われちゃうぞ。 しかも、この「煮詰まる」という表現は、「行き詰る」とも「息詰まる」とも「テンぱる」とも微妙にニュアンスが違うと僕は感じていて、こう、なんていうのか、「グツグツと煮詰まって、もう水を足さないとヤバイんじゃないの、このままいったらこげるぞ」ぐらいのイメージなのだ。 よく巷にあふれている、「その日本語おかしいです」的な本を見ると、大きなお世話だと思ってしまう。もう世の中がそのような、おかしな日本語を認知して、問題なく十分に広まっているんですから、指摘された正しい日本語を使う場所はすでに世の中にはないんです。 ただ、困るのは、正しい日本語にこだわる人と、正しい日本語を知らない人と3人以上で話すときは、自分でもどちらを使おうか迷ってしまう。そういう時は、比較的問題の発生しなさそうなあたりさわりのない平易な言葉で話すことでなんとかクリアしていますが、 結構めんどくさいですね。 正しい日本語を押し付けると、ほとんどの場合、相手は拒絶するのでやめましょうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年12月23日 20時51分28秒
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