テーマ:映画館で観た映画(8343)
カテゴリ:映画
寒くても、お腹がへっても、手を握っていてくれたら、ぼくは泣かない。 17世紀フランスの繁栄の証で、いまなお観光名所として多くの人々で賑わうフランスの世界遺産、ベルサイユ宮殿。 しかし、その宮殿の森に現在、多くのホームレスが暮らすことを知る者は少ない。 社会からはみ出て生きる男・ダミアン(ギョーム・ドパルデュー)は、ある日突然、母親に置き去りにされた5歳児のエンゾ(マックス・ベセット・ド・マルグレーヴ)の世話をする羽目に。 全てを諦めたかのような男と、右も左も分からない子供の間には、いつしか本当の親子以上の情愛が生まれるのだが…。 37歳という若さで他界したギョーム・ドパルデュー主演で贈る美しい絆の物語。 ベルサイユの森にホームレスが沢山住み着いているというのは、この映画のことを知ってから。 日本の都会に暮らすホームレスとは大違い。 緑の森の中に小屋を作って、焚き火をし煮炊きや暖をとる。 ちょっとしたアウトドア生活、「森の生活」のようだ。 他のホームレスとも仲良く暮らしていて、調味料の貸し借りをする。 時には、大勢(映画の中では10人くらい)が集まって飲んで歌って踊る。 死人が出れば、みんなで葬式をする。 小さな共同体だ。 しかし働いていない彼らは、現金を手に入れることが出来ない。 だから、捨ててある食料を拾って食べようとする。 しかし、捨てたものさえ、拾うことを許さない人がいる。 そういう人々は、捨てた食料の上に、洗剤をかけるのだ。 どうせ捨てるなら、拾わせればいいのに・・・。 かつてヨーロッパには、■落穂拾い■という風習があった。 落穂拾いとは、中性から近世にかけてのヨーロッパの農村共同体で、 収穫後の耕地に散乱する落穂を 老人、寡婦、孤児、障害者などに拾うことを許した慣行である。 これは社会の弱者を保護し扶養する手段のひとつであった。 今より中世の方が農村の暮らしは大変だっただろう。 なのに、豊かな今、拾う人を排除するとは許せない。 しかし、さすが、フランスのホームレスに対する対応は日本とは大違い。 若い母親が小さな子どもを連れて野宿していると、夜回りの警察官が来て、清潔なベッドに連れて行く。 森で暮らすホームレスが病気になった時にも、入院させた。 日本はというと、師走の寒い中、自殺しようとるするホームレスを見た警官が連れて行ったのは、 ボランティアで運営する「派遣村」!! 映画に出てくる幼いエンゾ役の年は6歳くらいだろうか。 あるときは、母親を、あるときは、森の男と一緒にさすらう姿が切ない。 しかし可愛い。 主演の森に一人で住む男を演じる、ギョーム・ドパルデュー。 彼は2008年10月、急性肺炎で37歳という若さでこの世を去った。( ̄人 ̄) ・・・・・・・・・・・・・・・ ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。 ★6月11日*里山のオキテ * ・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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