カテゴリ:チープシック
この、茶色とモスグリーンの陶器、これは、昭和の汁椀だ。
数年前のNHKの朝の■連続ドラマ「純情きらり」■でも、昭和初期という設定でこの汁椀が使われていた。 この汁椀は、もはや、骨董に近いのだ。 私の子どもの頃の、昭和も30年代頃までしか使っていなかったと思う。 だから、このお椀を見て、懐かしいと思う人は、50代以上の人だ。 それまでは、どこの家にもあった、このお椀がなくなったのはなぜか? 安くて軽くて大量生産が出来、壊れない、合成樹脂のお椀が出来、人々は飛びついたのだ。 しかし、昭和30年代に子どもだった私にとって、合成樹脂のお椀は、しっくりこなかった。 なぜ、あの茶色とモスグリーンの陶器のお椀がなくなったのかと、いつも残念で仕方がなかった。 しかし、念ずれば通ず。 今から15年くらい前に再び、この陶椀と巡り合えた。 会社へと向かう道の途中、それが、よその家の前に、ドンと置いてあった。 不燃物の日に、捨てるために、捨てようとしていたのだ。 ちょっと待ったー!! と、私は、ちょっと待ったコールを叫び、自転車を降りた。 その家は、引っ越しでもするのか、大量の食器を捨てていた。 しかも、私からすれば、ヨダレが出るようなものばかりを・・・。 自転車なので、大量に運べない。 会社に行く時間は迫る。 運べる分だけをその場で、仕分け。 「この分は、私が責任を持って取りに来ますから残しておいて下さい」と電話番号を書いて渡し、後は、泣く泣く処分してもらった。 というわけで、この汁椀は、その時の戦利品。 これと同じものが、5個あるが、どれも少しずつ違う。 私たち夫婦は、普段の味噌汁用のお椀にカフェオレボールを使用している。 しかし、娘や妹が来た時には、これが汁椀として活躍している。 この汁椀があった昭和30年代を知っている私の妹は、来るたびに、 「お姉ちゃん、これ、あったよなぁ・・・」と懐かしそうに言う。 寒い冬には、暖かい味噌汁が美味しい。 それが、気にいったお椀でならなおさらだ。 ■器歳時記■ ・・・・・・・・・・・・・ ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。 ★11月19日*「オリヲン座からの招待状」に見る昭和* ・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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