テーマ:映画館で観た映画(8328)
カテゴリ:映画
その手を誰も忘れなかった。 英国・ノッティンガム。 1986年。 でソーシャルワーカーとして働くマーガレットは、ある日、見知らぬ女性、シャーロットに 「私は誰なのか調べて欲しい」と訴えられる。 幼い頃、ノッティンガムの施設に預けられた彼女は、4歳の時に沢山の子供たちとともに 船でオーストラリアに送られ、自分がどこの生まれなのか母親がどこにいるのかも 判らないという。 最初はその話を信じられなかったマーガレットだが、ある出来ごとを契機に調査を始める。 やがて、彼女はシャーロットのような子供たちが数千に上がり、中には母親は死んだという偽りを信じて 船に乗った子供たちもいた事を知る。 19世紀から1970年代まで、英国は施設などの子供たちを福祉の名のもとに密かに、オーストラリアに送っていたのだ。 しかし、オレンジと太陽の国で彼らを待っていたのは…。 にわかには信じがたい“児童移民”の真実を明らかにした女性、マーガレット・ハンフリーズを描いた感動の実話。 「私は誰?」「ママはまだ生きているの?」 イギリスとオーストラリアが、秘密裏に子供をやりとりしていた、しかも1970年まで!! この事実は、この映画を知るまでまったく知らなかった。 この驚きは、北朝鮮に拉致された人たちがいた、しかも何人もという時のショックに似ている。 オーストラリアに着くと子供たちは、着ていた服を脱がされ、ぼろぼろの服と靴がそれぞれ1枚与えられる。 課せられたのは、重い石を運ぶ重労働。 食事も飲み水もろくに与えられず、棒や鞭、その辺のもので殴られる生活。 大人になると、子ども時代の食事と衣服代を請求されたという。 掃除婦をして働く48歳の女性の女性にマーガレットが 「この仕事は長いの?」と聞くと女性は 「40年やってます」と答える。 連れて来られてた8歳の時からずーとやっているのだ。 大人による性的暴力を受けた子供も沢山いる。 イギリスなどは、人間を大事にするというイメージだが、孤児院にいるのは人間として認めていなかったのかと怒りがこみ上げる。 もうひとつ腹立たしいのは、その事実を認めようとしない、英豪政府やキリスト教会。 中には、マーガレットに脅迫電話をかけてきたり、夜中に窓を割って侵入しようとする者もいる。 マーガレットの夫婦のベッドには、キルトのカバーがかけてあった。 息子の部屋にも、四角を繋ぎ合せたキルトのベッドカバー。 カーテンの模様などもいい感じで、住み心地のよさそうな家だった。 その家でマーガレットを助け家事をするのが夫。 この夫が素晴らしい。 家事はもちろんのこと、「児童移民」を調べるトップになったマーガレットをオーストラリアに 単身赴任させ、二人の子どもの世話をする。 マーガレットが体調を崩したり、精神的にまいりそうななったら、的確にアドバイスをする。 女性が活躍するには、こういう有能で優しい夫が必要なのだ。 世の男はみな、マーガレットの夫のような妻と暮らしているのだから、仕事が出来て当たり前なのだ。 「オレンジと太陽」の監督は、ジム・ローチ。 大好きな映画■「麦の穂を揺らす風」■の監督、ケン・ローチの息子だ。 君のママは死んだんだ。 だから海の向こうの美しい国へ行くんだよ。 そこでは毎日太陽が輝き、 そして毎朝、オレンジをもいで食べるんだ。 タイトルの「オレンジと太陽」は子供たちを誘う時の大人の言葉。 マーガレットと夫は今もこの事実を調べている。 ・・・・・・・・・・・・・ ◎自然と人間が仲良く暮らしていたころの話です。 ★2012年6月13日*昔は、どうしていたんだろう。:オトコのファッション* ・・・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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