テーマ:ベランダガーデン(3327)
カテゴリ:読書
コーヒーの木がある。 すでに二年半は育てているから、比喩としても植物的にも古株である。 (略)それはともかく、俺はコーヒーが好きになり、うまそうなコーヒー屋があるとつい入ってしまうまでになった。 そして、ついに自分で育ててやろうと思いたったのである。 ところが、コーヒーの木はいつまでたってもうんともすんともいわない。 しきりに艶のある緑の葉を茂らせ、繁らせたまま伸びるのである。 花もつけなきゃ、当然実もならない。 (略)俺は収穫がしたいのである。 たとえどれほど少ない実りであれ、おれはコーヒーの実を摘んでみたいし、そいつを乾かしたり挽いたりしてみたいのだ。 うちには、アボカドの木がある。 アボカドを食べて、水に漬けておいたら、ある時、パカリと割れて、そこから芽が出、根が出た。 はじめは、生命の誕生に立ち会えたという喜びから育て、木の形がいいと世話をし始めた。 もう、5年以上たつのに、まったく実のならないアボカド。 アボカドの木だけでも絵になるし、なにより、固い種から根が出たり、目が出たりするのが、嬉しくて、今、3本のアボカドの木がある。 もう、実らないものと諦めているが、いつか実をつけろ、アボガドの木。 庭のない都会暮らしを選び、ベランダで花を育てる「ベランダー」。 そのとりあえずの掟は…隣のベランダに土を掃き出すなかれ、隙間家具より隙間鉢、水さえやっときゃなんとかなる、狭さは知恵の泉なり…。 ある日ふと植物の暮らしにハマッた著者の、いい加減なような熱心なような、「ガーデナー」とはひと味違う、愛と屈折に満ちた「植物生活」の全記録。 第15回講談社エッセイ賞。 ■ボタニカル・ライフ:胡蝶蘭:第二の人生■ ・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.02.17 21:23:00
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