十二月大歌舞伎・昼の部
歌舞伎座さよなら公演十二月大歌舞伎 昼の部 操り三番叟新版歌祭文 野崎村新古演劇十種の内 身替座禅大江戸りびんぐでっど チーム中村屋に新作、しかも宮藤官九郎の。ということで、今月は山猫父を同行。歌舞伎座に着くなり、腹がすいたと抜かすのでたい焼きを食べさせ、観劇開始。 操り三番叟、千歳を演じる14歳の鶴松ちゃんが美しい。この子、10月の江戸川乱歩に人形役で出てた子じゃなかったかな。勘太郎さん、所帯も持ったし(笑)、気合の入る渾身の一幕。 野崎村、最後父親にすがって号泣する福助さんのお光に思わず涙。いやだわ^_^;。 身替座禅はもう、これ以上はないといって良いような配役では。いつものように私の席からは花道は見えないのだが、右京役の勘三郎さんが花子のところからごきげんで帰ってくるところ、ほんわりとほろ酔い加減の表情、どんなに可愛げがあったやら、今日ほど見えないのがもどかしく感じたことはなかった。座禅衾をかぶった玉の井、三津五郎さんの表情も、舞台のすぐ前の席の人は見えるんだろうな。 大江戸りびんぐでっと、大暴走・ナンセンスの奥に潜むクドカンの本質、理解できただろうか?染五郎さんが主役として、チーム中村屋に参戦。いきなりカツラが取れちゃう大ハプニング。まさか、あれまで脚本どおりってことはないだろう、でももしかしたら?さすがに大慌てで必死って感じ(笑)。でも、そんな事件すら些細なこととしてしまうのが、いつにもましての、扇雀さんと亀蔵さんの怪演で…。ほんわりと終始楽しそうな三津五郎さんも印象に残った。本当に、バカバカしいったらないんだけど、怖い怖いシュールなお話。雑然とバタバタな感じは否めないが、是非また再演を。今回観にいった本当の価値は、再演を重ね、練られ練られて定番となってこそ、出てくるような気がする。 さて、山猫父だが、少々ウトウトしたものの、そこそこ観てただろうか?狭い座席で絶対腰が痛い背中が痛いと言うだろうことは想定内。 今日始めて分かったのが、私たちが初めて観た歌舞伎というのが猿之助の「ヤマトタケル」だったということ。びっくりの偶然。そうそう、まだ福助さんが児太郎さんで、今とは別人のように可憐で細くて綺麗だったんだよねえ。 玉三郎さんの時でも、また一緒に行きましょうかね。 冷たい雨の中、駅前のお好み焼屋の前を通ると「お好み焼き・もんじゃ12月中すべて半額」の看板。思わず、食べて帰りましたとさ。飲んで食べてたったの2,500円なり。