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メキシカン・アメリカンな暮らし

メキシカン・アメリカンな暮らし

せこい夫からのプレゼント

せこい夫からのプレゼント


メキシコでは、「ひじを曲げてもう片方の手でそのひじをこする」
という表現があるが、
これは「ケチな人」を意味している。
例えばケチな人を見て、『あの人ケチだわね~。』という意味を込めて
ひじをこすったり、
友達なんかと話していて「ケチだな」と思った時などは、
チッチッチっと舌をならしながら
(または、「いけませんなー、、、」と首を横に振りながら)
ひじをこすったりという具合に使われる。

私もこの表現を良く使ったりするのだが、殆どの場合は夫に対してだ。
とりわけプレゼントの事に関しては特にケチ、、、
というよりは「せこいぞ!」と思う事が多く、
そんな時はわざと夫の前で舌をならしながら、
しかも首を横に振りながらひじをこするのである。


さて、そんなせこい夫からどんな風にプレゼントをもらうかというと、

1、私がデパートで必要な物や生活必需品を見つける。→
2、夫、『買っていいよ~。』と何度も何度も言う。→
3、私、『え~、ほんとに? やったー!』と素直に喜んで買う。→
4、そして数ヵ月後、、、。私の誕生日当日になってから、夫、『プレゼントはこの前買ってあげた○○○でした~。』、、、ちゃんちゃん!
(The End.)

と、大抵はこんなパターンで、勿論誕生日だけでなく、
プレゼントをあげる機会があればこのパターンは繰り返されるのだ。
しかもそれは誰に対しても同じで、
例えば、おととしのお姑ごんへの母の日のプレゼントなんかは
10ヶ月前に「必要だったので買ったドレス」
(結婚式などにつけていく晴れ着)である。
『母の日おめでとう!』と言う彼は、
電話口で『プレゼントはあのドレスだよ~。』
なんて事を抜かしていたのだが、
私の記憶が正しければ、あれは確か
前のクリスマスプレゼントだったと思うのだ。

あ~、夫よ、君は本当にせこい、、、。(ーー;)

しかも、私の今年の誕生日プレゼントは、
一ヶ月前に買った新しい皮むき器で、
去年のクリスマスはというと、
AAA(トリプルエー:日本で言うJAFみたいなもの)の会員証だったのだ。
誕生日や他の行事のプレゼントなんて別にいらないけれど、
何かを買う度にいちいちプレゼントと言わないでくれ、、、と
思う事もしばしばである。


夫のこういう部分を知っているだけに、
彼が『買っていいよ~。』と気安く言うと、
私は私で、買うのも白けてきて結局買わない事が
多くなってしまったのだが、
何年も繰り返される彼のパターンを眺めているうちに、
段々、彼のしている事が、単なるせこい行為でない事も
分かってきたのである。

一度、うちの母がネックレスを送ってきてくれた事があるが、
その翌月には義理の従姉の結婚式に参加する予定で、
丁度服に合うネックレスが欲しかったという事もあり、
私はさらに喜んでいた。
しかし、夫からすればそれが面白くなかったようで、
『数ヶ月前にネックレス買ってあげようとしたのに、、、』
と私のすぐ側でなにやらブツブツ言っていたのである。
思い起こせば、数ヶ月前、
結婚式に参加する際に着けていけそうなネックレスを見つけた時、
彼が『買っていいよ~。』と調子よく言ったお陰で、
『また、誕生日のプレゼントって言うんだろう。。。』
と白けてしまってわざと買わなかった事があった。
そんな事を考えていた私の側で、彼は
『君が欲しいと思ったものは僕があげたかったのに。』と一言、、、。
何だか彼のしている事の意味がやっと分かった気がした瞬間であった。


考えてみれば、この前買った新しい皮むき器も
私が1年くらい探していた完璧な皮むき器であったのだが、
持ち心地もいいし、角度もいいし、尚且つ頑丈だと
やたら褒めていた事もあり、
夫は『これぞ、お嫁が欲しいものだ!』と思ったのだろう。
それで、皮むき器が誕生日プレゼントになったという訳だ。
価値観の違いもあって、
夫にとって私のプレゼントが選びにくいという事も
少なからず影響しているとは思うのだが、
私が本当に必要とする物、本当に欲しい物を普通の日ではなく、
特別な日のプレゼントにしたいという気持ちが彼の中にあったのだ。

まあ悪く言えば、「普段の日に発見した欲しい物や必要な物を
プレゼント扱いする「一石二鳥」な考え」に過ぎないが、
合理的かつ変な所で節約家の彼らしくもある。
お陰で、独身時代お金を湯水のように使っていた私でも、
「当たり前に買えそうな皮むき器」が
「有難い物」にさえ感じるくらいだし(TT)、
また、プレゼントをもらう日も年に数回と限られているので、
あれも欲しい、これも欲しいと買う事は出来ないのだが、
だからこそ本当に欲しい物を見極める素晴らしい(?)癖が
ついたのである。
でもって、意地悪な私はそこで会話を終わらせず、
『じゃあ、あのラップトップは貴方の去年のクリスマスプレゼントで、
トラックは誕生日プレゼントだったんだよね?』と夫に訊いた。
すると彼は、『そうそう、でもラップトップは君も使っているから、
君のクリスマスプレゼントでもあるんだよね~。
高かったから、今年のクリスマスプレゼントって事にもしようか?』
と抜かしやがった、、、。
という訳で、今年のクリスマスプレゼントでさえ
もうとっくに届いてしまっている状態の我が家であるが、

あ~、夫よ、君は本当にせこい奴じゃの~、、、。(ーー;)



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