お姑ごん現る!お姑ごん現る!夫の家族との出会いから30分が経ち、、、。 さっきまでの不安感も段々と落ち着いてきたのが、それでもやはり例の握手の件に関してはとても気になるのである。 もしかしたら、握手を求めるのはタブーなのかしら?などと色々考えてはみるものの、拉致があかず、夫に自分の思っていることを正直に打ち明けてみることにした。 私:『ねー、握手ってタブー?』 夫:『いや、握手はタブーじゃないよ。』 私:『私ってば、てっきりタブーだと思っていたじゃない。そういえばさっき、スペイン語で何てお義母さんに言ったの?』 夫:『握手してあげなさいって言ったんだ。』 私:『お義母さんは握手しない理由でもあったの?』 夫:『ただ、日本語が喋れないから、どうしていいか分からなかっただけさ。』 私:『英語喋ったつもりなんだけど、、、。』 夫:『お母さん、英語も駄目だし、恥ずかしがり屋なんだ。』 私:『あ、そうなの。』 それで会話を終わらせたのだが、気持ちがすっきりしたかどうかは別として、 なんだかそれ以上突っ込んではいけないような気がしたのだ。 するとその時、お義母さんが部屋に入ってきて、スペイン語で夫と何かを喋ったかと思うと、夫はお義母さんの代わりに私に質問を投げかけてきた。 夫:『その顔の傷はどうしたの?って。』 思いがけない質問にきょとんとしたのだが、まあ、私に興味を持ってくれてるのだろうと思って素直に理由を言った。 『子どもの頃に階段で滑って出来た傷なんです。』 それを夫がスペイン語に直し、お義母さんに伝えたのだが、暫くして二人はまた何かを話し、また質問が飛んできた。 夫:『その腕の傷はどうしたの?って。』 私:『あ、これは傷じゃなくて、BCGの注射跡なんです。』 なんで傷のことばかり訊いて来るんだろうと思っている間にも、 夫:『その足の傷はどうしたの?って。』 とすかさずまた傷に関する質問がきた。 私:『、、、これも子どもの頃に出来たんです。やっぱり、傷、気になりますか?』 すると お姑ごん:『傷が沢山あるようだけど、別に気にならない。』 という答えが夫を通して返ってきたのだが、そのまま『おやすみ』と言い残して去って行ったのである。 その夜、暗闇の中、毛布の下で傷に関する質問のことといい、最初に会った時のことといい、色々考える羽目になったのだが、わざわざ傷の話をしにきたのかと思うと腹ただしいので、偶々、傷が目に付いたから、傷の話になっただけだろうと思いたい自分も居たり、また、話のネタを選ぶのが妙にヘタなだけなのかもしれないと思いたい自分も居たりで、色んな考えが頭を回転するばかり、、、。 そんな中、私の結婚にもお姑ごんの存在が居る、、、という可能性も私の頭の中を行ったり来たりで、夜はとかく、余計な不安や妄想が激しくなるからいけないと自分を悟るばかり、、、。 “私の結婚にもお姑ごんが、、、いや、気のせい、気のせい”などと、気付くと、まるで羊の数を数えるようにそう唱えていたのである…。 |